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「東京渋谷区の一等地に、とんでもないマンションがある―」
すべては、一本の電話から始まった!
マンション自治を取り戻すべく立ち上がった住民たちの闘争1200日
新宿駅からわずか2駅、最寄り駅から徒歩4分。都心の人気のヴィンテージマンションシリーズにもかかわらず、相場に比べて格段に安価なマンションがあった。その理由は、30年近くにわたる一部の理事たちによる"独裁"管理とそこで強制される大量の謎ルールにあった。身内や知人を宿泊させると「転入出金」として1万円の支払い、平日17時以降、土日は介護事業者やベビーシッターが出入りできない、ウーバーイーツ禁止、購入の際の管理組合との面接......など。過去、反対運動が潰された経緯もあり住民たちの間に諦めムードが漂うなか、新たに立ち上がった人たちがいた!! 唯一の闘いのカギは「過半数の委任状を集めること」。正攻法で闘うことを決め、少しずつ仲間を増やしていくが、闘いは苦難の連続だった......。マンションに自治を取り戻すべく立ち上がった住民たちのおよそ4年にわたる闘いをつぶさに描いたルポルタージュ。
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Posted by ブクログ
本書が描く秀和幡ヶ谷レジデンスの管理組合をめぐる対立は、単なるマンションのトラブルではなく、自治が形骸化したときに何が起こるのかを示す社会的事件として読み取れる。委任状による多数派支配や、公権力が介入しにくい構造は、民主主義の脆弱さを日常のレベルで露呈させている。
その一方で、住民たちが何度も挫折しながらも組織化し、少しずつ力を取り戻していく過程は、ノンフィクションでありながら物語的な高揚感を持つ。事実でしか出せない重さと、事実だからこそ生まれる希望が同居している点が本書の魅力だ。
読み進めるうちに、政治参画のあり方やリーダーの役割について考えさせられた。悪意ではなく“日常の延長”として権力が暴走すること、同調圧力が健全な自治を蝕むことなど、マンション管理という身近な題材が社会全体の問題を照らし出す。
本書は、集合住宅というミクロな世界を通じて、民主主義のリアルを描き出す優れたルポルタージュである。
Posted by ブクログ
一気読みしてしまった…
一つの映画とかドラマを観た感覚だ…
最後の方では、マンションに住むこと自体考えさせられる。
旧理事長も私腹を肥やしていたかどうかが明らかではないが、少なくとも最初はこの秀和幡ヶ谷を安心で安全なものにしたい、そんな純粋な気持ちで動いていたんだと思う。
どこからか歯車が狂い始めて、少しずつ少しずつ周りの意見が汲み取れなくなったんだろうな。
いわゆる老害とか言われてしまう人も、ガチモンもいるとは思うけど、自分のやっていることが正しいんだ。と昔の感覚のまま考え方を変えられず、今目の前で起きている変化を受け入れられない悲しい人なんだろうな。思っていたりやっていることは決して悪いことではないんだけど、極端すぎるし、他者を受容できず排斥しようとする姿勢がどうにも変えられなくなってるんだろうな。
Posted by ブクログ
自治会により、まるで北朝鮮かのように不自由な管理を強いられた「秀和幡ヶ谷レジデンス」において、その自治会長を追放し新たな自治を取り戻すまでの過程を追ったルポが本書である。
自治会は、管理人が介護業者や引っ越し業者の入居を妨げたり、友人の宿泊を民泊と見なして課徴金を課したりと、実際に存在するのか不明なルールを通じて管理してきた。とはいえ、法律上、自治会をひっくり返さない限りどうしようもない。そのような中で、レジスタンス的に活動してきた人々を追いかけながら、新たな自治会長を選任するまでを記述している。
印象的だったのが、どうしてそのような自治会長が生まれたかである。筆者の考察の中に「思い込みが強い」という記述があったのだが、恐らく正しい。そういう人が力を持つと変な方向に曲がっていく。
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