伊藤俊一のレビュー一覧

  • 荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで

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    荘園という視点から日本史を眺めてみた通史といったところ。こうしてみると情勢の変化や政策の変化について日本史の流れがより理解しやすいと感じた。荘園を理解することは日本史をより理解することとつながっているのかもしれない。鎌倉幕府や室町幕府といった武家政権の理解にもやはり荘園史の理解は必要だと思った。

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    2025年11月16日
  • 荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで

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    「荘園」そういえば、どうしてできたのかは習ったけれど、どうしてなくなったのかは習ってなかったなと読んでて思いだした。
    それにしても、「荘園」を「小さな地域の自治権を最大に、国歌や地方政府の役割を最小にした場合、何が起きるかという四百年にわたる社会実験」とはよく言ったものである。

    結局、細分化された小さな地域単独では対処できない災害(の続発)には、対処できずに、広域化で対処することになった。これが、荘園崩壊につながっていたのかと、要約応えにありつけた。

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    2022年10月15日
  • 荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで

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    専門用語や固有名詞が多くて理解しづらかったが、非常に興味深い内容だった。1000年近く前にこれほどの行政、経済制度が整っていたことに驚いた。
    荘園についての専門書と聞くと、すごく狭い範囲のニッチな印象を受けるが、荘園とは中世日本社会そのものと言ってよい。大方の歴史書や教科書が御所や幕府内部の事にしかフォーカスを当てていないが、そちらの方が実は日本社会のごく一部を切り取っただけとも言える。

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    2022年10月08日
  • 荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで

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    奈良時代から延々室町時代まで続く荘園について1冊にまとめた本です。確かに歴史の授業では荘園が何度も出てきましたが、奈良の荘園と平安末期の荘園は違うように見え、室町になると荘園が消えるように見えてましたが、なるほど、その時代の情勢で荘園もいろいろ変質があったのですね。
    あとこの本では、時代や荘園の変化の原因として気象環境の影響を見ていることがあり、気象好きとしてはその点も参考になります。

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    2022年07月04日
  • 荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで

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    ネタバレ

    記述が厚い。あとがきにもある通り、私にも一行一ページの後ろに何篇の論文があるかと思いをはせるように促すものがありつつ、淡々と解説されていく。新書ってこういうものだよね、と往年の岩波新書を思いながら読んだ。

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    2022年01月28日
  • 荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで

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    荘園の成立(墾田永年私財法)からその解体(応仁の乱後)までの750年余を辿る通史。その変遷をわかりやすく解説するのは至難の業であろうが、本書はその点、非常に明快であった。

    とくに院政期における「領域型荘園」の領主権=本家—領家ー在地領主による三階層の支配体制としてとらえて説明し、この「領域型荘園」の成立を在地領主の開発と院政という新たな王権(中央権力)の介入との合作物としてとらえることで鎌倉期における荘園制が安定していった流れが把握しやすくなっていると思う。そこでは西欧の封建制と類似した性格を見て取ることができるのと同時に、中央権力との関わりにおける日本型の特徴も見いだすことができる。

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    2022年01月18日
  • 荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで

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    日本中世史を本当に理解するには荘園の変遷を正しく把握することが不可欠。本書は歴史に興味を持っている一般人に最適。説明も丁寧で分かりやすい。引用している古文も現代語訳のみなので読みつかえることもなくスラスラ読める。良い本に出会えて良かった。

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    2021年12月26日
  • 荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで

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    内藤湖南が応仁の乱以前は現代と連続してない的なことを言ったという話があるが、現代とは非連続かもしれないが奈良時代から応仁の乱までの荘園の視点からの流れ方はやはりこの国のありようだと思った。

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    2021年12月03日
  • 荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで

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    荘園に関するコンパクトな通史ではありますが、過去の気温や降水量の推定に関する近年の研究を引きながら荘園の成立と発展を自然条件と関連づけて考察したり、院政期に成立した「領域型荘園」を荘園史の1つのターニングポイントとして位置づけたりと、従来とは異なる新たな視点も提供してくれます。また、荘園を切り口とした徴税の仕組みやそれを巡る様々な人々の人間模様が史料に基づいて具体的に語られており、堅いテーマでも読んでいて飽きないです。

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    2021年12月02日
  • 荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで

    購入済み

    歴史小説の理解が進む

    情報量の多さに驚いています。墾田永年私財法の設立時の状況から、富士の噴火や地震に加えて、最新の気象歴史学に基づいた降水量の変化による荘園の変化など、知らなかったことが多く、鎌倉、室町辺りの歴史小説のファンにも必読の書籍ではないかと思います。

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    2022年01月20日
  • 荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで

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    かつて、教科書で習ってもなかなか理解ができなかった荘園とは何か、そして、地頭と荘園領主の関係など。目から鱗、とてもクリアに理解できた。なぜ今までこのような本がなかったのかと思うくらい画期的な書。何度も読み返したい。

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    2021年11月27日
  • 荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで

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    これは全ての日本史教員が読むべきだ。教科書ではいまいちわかりづらい寄進地型荘園に対する理解が格段に深まる。荘園のことだけでなく、中世の流通や農業技術、気候変動などにも触れていてポイントが高い。素晴らしい本に出会えた。感謝。

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    2021年11月25日
  • 荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで

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    約750年に渡る荘園の歴史を様々な実例から描き出す内容。今までの断片的な理解を補ってくれるもので、特に中世の社会理解について大きな助けになってくれたと思う。古気候学の知見を元にしたアプローチも興味深い。

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    2021年10月12日
  • 荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで

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    ネタバレ

    書籍で漠然・もやもやとしていた知識が得られた時って気分イイデスよね(´・ω・`)
    本書は時代に合わせて、同じ「荘園」でも、内容が違う
    この当たり前の事を丁寧・具体的に語り続けていて、幾度か「荘園を理解したい」ことに挫折したアタクシへ光明をみせてくれた(理解したとは言ってない)

    また、時代背景を短文で説明されており、小気味よく、なんだか賢くなった気がする(なってないケド)
    忘れないうちにφ(. . )メモメモ

    一般にイメージする荘園が拡大した時代は院政期で、領域型荘園と呼ぶが、支配者も御願寺造営(建築ブーム)のために使える財源を増やさねばならないという事情があったからである(仕方ないね・・・

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    2021年10月02日
  • 荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで

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    奈良・平安から室町時代にかけての通史という視点で書かれた本書を読むと、律令国家の財源としての荘園から、天皇・摂関家の私的所有、武家領と寺社本所領への二分と、既存の枠組みを生かしながらも経営方法が複雑に変わっていったことがよく分った。天皇・摂関家の荘園からの収入が、壮麗な寺社の建立の財源になっていたことは目から鱗だった。古気候学と歴史学の共同研究の結果から、中世の地球規模の気候変動がもたらした飢饉が、力を付けてきた百姓の蜂起へとつながる。応仁の乱が、荘園制度を終わらせる要因になったのも興味深い。

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    2025年08月07日
  • クラウドエンジニアの教科書

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    AWS、Azure、GCPの比較など。
    クラウドってどんな感じなのかなと興味があって読みましたが、そもそものインフラ知識がないので何となくしか把握できませんでした(笑)
    でも、これから実際にクラウドを使っていこうという方にはオススメできるくらい、わかりやすい説明だったと思います。

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    2024年09月05日
  • クラウドエンジニアの教科書

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    単に3つのクラウドベンダの機能を比較するだけかと思っていたが、想像以上に読みやすく分かりやすく、学びとしてとても良かった。

    クラウドの基礎知識から、AWSを中心に具体的な使い方(手順)も適宜紹介していて「教科書」の何恥じぬ一冊。クラウドエンジニアの目指す方向性、や資格の一覧などもある点からベンダ紹介に留まらないことが伺えて好印象。

    AWS、GCP、Azureそれぞれに用語や癖や出来ることの多少の差異はあるものの、基本的なつくりや実現可能なことはほぼ一致しているので、具体的にどのような用途で使うかや、どのようなレガシー資産があるかによって選ぶ形となるだろう。

    金銭的にどれが優位か、というの

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    2024年03月24日
  • 荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで

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     独特な土地制度である荘園に関してよくわかる。難読人名・地名や専門用語に関して、初出の時だけでなく、章改めた時などにも、ふりがなが振られていて、著者の配慮に好感が持てる。終章で全体の流れの振り返りがあり、大枠は確認できるが、やはり素人には難しい点も多く、再読は必須である。

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    2023年01月19日
  • 荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで

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    日本の荘園成立から崩壊までを辿った概説書。日本史の教科書に載っていた専門用語が多く出てきて、懐かしさを感じるとともに意味をかなり忘れてしまっていた。
    それでも史料本文を引用せず平易に解説しているので分かりやすい。

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    2022年12月07日
  • 荘園 墾田永年私財法から応仁の乱まで

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    荘園は墾田永年私財法から750年続いた!!
    墾田永年私財法、租庸調、守護地頭、摂関政治、院政…訳も分からず覚えてた。

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    2022年06月15日