伊藤俊一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
茶寮が出してる抹茶カフェみたいな一冊。とっつきにくそうな難しい分野が実に分かりやすく著されていて、理解が浅いところは思わずひとりでに読み返してしまう程。そのため、内容を理解するためにうつらうつらしながら行う例の「気の進まない努力」を要することはなかった。
土地所有って分かりやすい強さよね。強いやつは土地を持つし、お金があるやつは土地を持つし、土地があるやつはすごいのよ。だからこそ所有地は後世に引き継がなければという通念に足元を掬われる人って現代はとてつもなく多いですよね。
首都圏住み&両親郊外住みのご長男の皆さん、どうします?中古建売ってことで競売出す訳にもいかないし、賃貸収入得よ -
Posted by ブクログ
日本史というと、荘園制研究が花形という時代がかつてあったものだが、マルクス主義的な捉え方に馴染めず敬して遠ざけていたので、良く理解できないままに来てしまった。
しかし経済のことを考えると、荘園の問題は避けて通れない。荘園とは実際どのようなものだったのか、国司や公領との関係、本家・領家と現地との関係はどのようなものだったのか。武家の擡頭によってどのような変化があったのか。
こうした様々な問題に対して、本書は荘園の実態を明らかにしてくれる。いくつかの専門用語が理解できないと、仕組みが分からないところもあるが、そこは正に勉強だ。
古代から中世にかけての荘園の変容に、当時の気候状況が影響してい