矢島真理のレビュー一覧

  • 恋のスケッチはヴェネツィアで

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    タイトル、イラスト、その分厚さから手に取り、そして最初の数ページ読んだだけで話に引き込まれて買ってしまいました。そんなこともある…

    1928年、イギリス人のジュリエット・ブラウニングはベネチアに伯母と旅行をする。そしてレオナルド・ダ・ロッシと出会い恋に落ちる。ではあるがすぐに伯母に仲を引き裂かれ、帰国することになる。10年後、ジュリエットは美術の教師として再びベネチアを訪れ、予期せずレオナルドと再会し、彼が望まぬ結婚をしていることを知る。
    1年後、再びジュリエットはベネチアを訪れる。今度は美術学校の生徒として。そして、レオナルドと三度再会することになる…。
    時は流れ、2001年キャロライン・

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    2024年12月14日
  • 鹿狩りの季節

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    ネタバレ

    更年期を迎え、様々な症状に苦しんでいるアルマ。
    夫クライルの親の介護のため、数年前にシカゴからネブラスカ州の田舎町ガンスラムに移り住んできた。

    いわゆるシティガールのアルマ、越してきた当初はこのスモールコミュニティに馴染もうと努力するが、元来の歯に衣着せぬ物言いや、生産性のない物事はすぱっと断ずる性格から、どちらかというと次第に周囲から浮く存在に。

    クライルとアルマの間には子どもはいないが、もうほとんど彼らの息子同然という関係を築いているのが、クライルの営む農場で雇っている知的障がいを抱えるハル。
    ハルの両親は毒親で、父親は服役後離婚し行方知れず、母親は2歳のとき、ハルがビーチで水難事故に

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    2023年09月02日
  • 鹿狩りの季節

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    ネタバレ

     レビューが意外に辛口なんですが、私は楽しませてもらいました。

     鹿狩りの季節に一人の女子学生の行方が分からなくなる。単純な家出と思われていたが、時間はどんどん過ぎていく。

     この事件を彼女の弟と知的障害がある青年の保護をしている夫婦が調べていくというのがあらすじ。

     何故、彼女は消えたのか、死んでいるのか、生きているのかとミステリの必要な基本は押さえていると思います。

     小説としても面白かったけどなぁ。感じ方は人それぞれなので。

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    2023年03月06日
  • 狩られる者たち

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    先の見えない展開で、
    血生臭い話だけど嫌にもならず
    物語の中に引き込まれます。
    一気読みしたかった!
    結局、何日かに分けて読んだけど、あれどうなるんだろ?と他の事しながら先が気になる感じ。

    続編も訳されて発売されることを望みます‼︎

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    2022年12月17日
  • 狩られる者たち

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    前作のラストから物語が始まる。

    今回も意表をつく展開の連続。
    冒頭からの、まるで断片のような逃亡シーンから煙に巻かれる。

    描写は実に細かいのだが、何が起きてるのが理解できないように話が進められ。それが突然全景が見えたかと思うと、一瞬で真相が変わって行く。

    実に見事に話が練られていて、事件を追う刑事と公安捜査官の二人組と共に、真相を求めて事件の迷宮を巡ることになり、ラストまで濃厚なサスペンスを堪能できる。

    早くも次の作品が読みたくなる。
    実に映像化向けの作品で、映画ではなく6話くらいのTVシリーズにしてほしい。

    しかし、北欧物は登場人物の名前が憶えられない…
    (丁寧で工夫の跡がうかがわ

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    2021年12月23日
  • 狩られる者たち

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    「サム・ベリエル」シリーズ第二弾。前作『時計仕掛けの歪んだ罠』の驚きのラストを経ての今作。物語を通して不安や、焦燥、恐怖のようなものが流れている。刑事を辞め信じられるものがないなかで追い詰められていく展開と二転三転する捜査。犯人側の不気味さ、ベリエルの感じているもの、シリーズとしての謎の提示と今作も読み応えはたっぷりでまだ二作目だけれどこの先も信頼できるシリーズ。次作も邦訳されることを願うばかり。

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    2021年07月24日
  • 狩られる者たち

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    ネタバレ

    スウェーデンの作家、アルネ・ダールのシリーズ作品。「時計仕掛けの歪んだ罠」の続編。

    雪原に建つ精神病棟から逃げ出した患者。患者の名は、サム・ベリエルで…

    前作もだが、今作も何も紹介できない作品。というのも、何を説明しても一作目の展開に触れてしまうので、書評家の方とか大変だと思う。

    前作ほどの衝撃はなかったが、今作もとんでもない展開に。二転三転する展開がこのシリーズの醍醐味だと思うが、目まぐるしい展開に全体像が薄まってしまうため、良し悪しだと思う。個人的には楽しめたが…

    非常に残念なのは、めちゃくちゃ続く終わり方なのに、続編が出ず、新シリーズの出版が始まったこと。一作目の衝撃的なラストの

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    2025年07月15日
  • 円環

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    爆弾事件を国家作戦局の捜査チームが追う! 容疑者は元警部でプレッパー、エコテロリストか… #円環

    ■あらすじ
    スウェーデンで爆破事件が発生、被害者は気温変動や環境破壊に関係する仕事に従事していた。国家作戦局(NOD)は主任警部エヴァ・ニーマンをリーダーとする捜査チームNovaを立ち上げ、犯人を追うことになった。

    エヴァの元に犯行声明の手紙が届くのだが、見覚えがある言い回しを見つけた。それは、かつてNODの元警部ルーカス・フリセルがよく使う言い回しだったのだ…

    ■きっと読みたくなるレビュー
    エコテロリストって、日本ではあまり馴染みがないですよね。世界一環境への意識がたかいスウェーデンなら

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    2025年05月31日
  • 円環

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    ネタバレ

    2025年の16冊目は、アルネ・ダールの「円環」です。アルネ・ダールの作品を読むのは、「狩られる者たち」以来でしょうか。
    環境破壊に関係する企業の幹部が、爆弾により死亡するという事件が続けて起きます。事件は、環境テロリストによる犯行と思われます。いかにもスウェーデンらしさを感じてしまいます。
    事件の犯行声明と予告が、国家作戦局のエヴァ・ニーマン主任警部宛で届きます。何故、彼女の元に届いたのかが鍵となる理由ですが、彼女のチーム“NOVA”が捜査に当たる事になります。チームの面々がそれぞれ個性的で良い味を出しています。特にシャビール・サルワニがカッコ良い。
    そして、もう1人の主人公というべき、エヴ

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    2025年04月29日
  • 円環

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    スウェーデン・ウプサラ市郊外の高速道路を走行中のBMWが、突然暴走し菜の花畑で炎上した。死亡したのは、運転中の大手製鉄会社幹部。一週間後、石油業界のキャンペーンを手がけていた広告会社幹部が第2の爆破事件で命を落とす。被害者はどちらも気温変動や環境破壊に関係していた。
    容疑者に挙げられたのは、15年前に先端技術の活用を拒否したがためにある誘拐事件の解決に失敗して辞職し、森で隠遁生活を送る元警部ルーカス・フリセル。当時の彼の部下で今は国家作戦局(NOD)の主任警部エヴァ・ニーマン宛てに、彼からと思われる犯行予告の手紙が届いていたのだ。
    エヴァは、立ち上げられた特捜班Novaの曲者たちを率いて事件の

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    2025年04月19日
  • 狩られる者たち

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    北欧ミステリー。最初は訳がわからなかったけどだんだんと引き込まれていった。海外ミステリーはまりそう。

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    2025年01月29日
  • 内なる罪と光

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    1人息子を殺され、妻にも去られたアイザックと、息子と関係した事のある孤独な少女が主人公。派手な場面は無く、当事者の心の内側を延々と晒すのだが、奥深い描写が続き目が離せない。息子への愛情や他者へ不器用なアイザックの見せる苛立ちや赦しが哀しい。唯一犬のルーファスの存在が救いだった。

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    2024年02月24日
  • 内なる罪と光

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    殺人事件で息子を失ったアイザックの前に突然現れた16歳のエヴァンジェリン。家族も家もない少女との共同生活が始まる。息子が殺害された影響が色んなところに出ていて、エヴァンジェリンに対する力になりたいという気持ちと、時折感じる苛立ちにアイザックの感情の揺れが見える。アイザックが自分の心の内を深くのぞいていくほどに見えてくる自分と息子へと思いや、エヴァンジェリンとのこれから。それらに視点が絞られていくような終盤がいい。それとアイザックの飼い犬のルーファスが心のよりどころのような存在でとにかくかわいい。著者デビュー作だけど今後も読みたいと思える面白さ。

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    2024年02月21日
  • 鹿狩りの季節

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    ネタバレ

    アメリカの作家、エリン・フラナガンのデビュー作。

    ネブラスカ州ガンスラムに暮らす女子高生ペギーが行方不明になる。家出か事件か。一方、障害を持つ男性、ハルを我が子のように思う中年夫婦は、ハルが運転するトラックに血の跡と凹みを見つける。

    所謂、スモールタウンもの。非常に息苦しさを感じる作品。
    視点は三つで、中年夫婦のアルマとクライフ、ペギーの弟のマイロ。特にアルマの視点が多いのだが、このアルマの性格が悪すぎて受け付けない人がいるかも。我が子のように思うハルに対する差別に颯爽と立ち向かう母、なんだろうけどあんまりにも意地悪おばさんすぎてちょっと。。。マイロの成長譚として見ると非常に良いのだが。。

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    2023年11月25日
  • 鹿狩りの季節

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    小さな街で発生した少女の失踪事件。人間関係を静かに丁寧に重く書き綴ったミステリー #鹿狩りの季節

    ■あらすじ
    アメリカの田舎町、鹿狩りの季節に女子高校生の失踪事件が起きた。当初家族たちはすぐに帰ってくるだろうと高を括っていたが、いつもいがみ合ってた弟が心配し始める。
    一方近くに住む家畜農業を行っている夫婦は、発達障害のある青年と同居をしていた。夫婦は彼のトラックに鹿狩りの血が付いているのを見つけ、不審に思いながらも掃除をするのだった。

    ■きっと読みたくなるレビュー
    80年代アメリカの田舎町。近所の人たちはみんな知り合いで、気心も、誰が誰と付き合っているかも、何もかも知れ渡っている。
    そんな

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    2023年03月15日
  • 鹿狩りの季節

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    ネブラスカ州の片田舎が舞台のミステリー。女子高生の失踪で始まる。知的障害をもつ青年が疑われるが、彼を庇う雇主夫婦、姉の行方を追う弟。町の人々の抑圧された保守的な側面が浮かび上がる。

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    2023年02月04日
  • 鹿狩りの季節

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    16歳の少女ペギーが突然姿を消した。自ら家を出たのか、事件に巻き込まれたのか。知的障害のあるハルが疑われる。町の住人のほとんどが顔見知りという地域での犯人探し。ハルの無実を信じている保護者代わりのコスタガン夫妻。疑う人たちと信じる人たちの諍いや狭い地域であるが故の及ぼす影響の大きさ。ミステリーではあるけどその要素よりも人間関係などの丁寧な描写で読ませる。

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    2023年01月22日
  • 鹿狩りの季節

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    ネタバレ

    今年1冊目のハヤカワ・ポケミス。2022年アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀新人賞受賞作という事で、否が応でも期待値が増します。どなたかも書評されていたように、ミステリー作品としての趣きは少なく、アメリカの田舎町を描いた優れた小説を読んだ印象です。ただ、アメリカ人は、こういう作品を好みそうなので、受賞も頷けるし、個人的にも嫌いでは有りませんでした。
    舞台は、ネブラスカ州リンスラム。鹿狩りが、解禁となった週末に、16歳のペギーが姿を消してしまう。始めは、ただの家出と思われていたが、行方も摑めず、失踪する理由も無い。事故か、はたまた事件に巻き込まれてしまったのか?話は、ペギーの弟マイロの視点、事件への

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    2023年01月13日
  • 狩られる者たち

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    シリーズ第1弾より、こちらの方がさらに面白かった。まさかのまたまた続き物…
    ストーリーは面白いけれど、外国人特有のつまらない会話のキャッチボールが読んでいて辛い…
    と思って読み飛ばしていたら、直ぐ大切なことまでスルーしてしまいそうで怖い。
    次回作も期待します。

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    2022年07月26日
  • 狩られる者たち

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    めちゃめちゃ引き込まれた。
    前作に引き続き猟奇的な事件の裏に巨大な影が見え隠れしてるのも良い。
    日本に来る北欧ミステリーあるあるかもだけど、こちらもベリエル&ブローム”シリーズ”になってて、本国では第五作まで出てるそうなので、ぜひ日本でも出してほしい。

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    2022年07月24日