矢島真理のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ぼくら読者が生きている現実と遠く離れたところ。政府、公安、警察そして個人が絡み合いつつ、個の犯罪と国家的策謀が絡み合う中、それらの複雑な力学に巻き込まれる個人=ストックホルム警察のサム・ペリエルと公安警察の元潜入捜査官モリー・ブロームを主人公にした四部作の二作目である。
こう書いただけでだいぶややこしいイメージが沸こうかと思われる。しかしその通り、ややこしいなどというものではなく、我々一般人が見させられている現実というものの本質はどれだけの仕掛けに満ちたものであるのか? そういう世界構造の精緻すぎる複雑さ、もう少しわかりやすく言えば陰謀により秘匿されている真実の多さに呆れ返りたくなる世界 -
Posted by ブクログ
1985年11月ネブラスカ州ガンスラム。鹿狩りの季節を迎えた田舎町で女子高生ペギーが失踪。ペギーに好意を抱いていた知的障害のある青年ハルは同じ頃鹿狩りの帰りに血がついたトラックに乗っていて……。→
ミステリ色は薄め。ペギーの弟マイロとハルの雇用主であり保護者代わりでもあるアルマとクライルのさん人の視点で描かれる物語。
マイロがいい子なんだよなぁ。終盤の母親とのやりとりとか、もう、ね。幸せになってほしい。→
アルマはなんというか、読んでいてしんどかった。シカゴから来た愛想のない妻。子供はいなくてコミュニティに馴染まない。ああツライ。
ハルへの対応やクライルとの関係も途中辛くて、マジ読めるのか