森山恵のレビュー一覧

  • 波〔新訳版〕

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    これこそ私が目指していた既存の支配的な言語体系を解体したものでは。波のごとく、寄せては打ち返す人生の悲哀を、敢えて6人のアイデンティティーを融和させることにより、美しく描き出す。

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    2025年02月24日
  • レディ・ムラサキのティーパーティ らせん訳「源氏物語」

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    NHKカルチャーラジオ 日曜カルチャー
    『源氏物語』英訳本を再和訳してわかったこと
    毬矢まりえ

    ●2024年は大河ドラマもあって関連番組多い中で
    個人的にピピっときたのが100年前の英文戻し訳です

    訳者は時空を往還するイメージから
    らせん訳としています


    英訳者ウェイリーの天才ぶりに驚く
    シャイニングプリンセス→ゼウス説
    登場人物名の英訳工夫
    役職トウノチュウジョウに統一
    天皇の血筋ならばプリンセス
    そうでなければレディ
    末摘花→サフラン姫
    眠りの森の姫に例える

    英訳を戻すことによって地味な印象の源氏物語が華やかな世界観に変わる


    あはれの訳が様々な言葉になっている
    シェイクスピア

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    2024年09月08日
  • レディ・ムラサキのティーパーティ らせん訳「源氏物語」

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    螺旋訳、考えたな!
    昔、源氏物語の英訳を読もうとして諦めたな…。
    螺旋訳、読んでみます。

    それと。
    末摘花が外国人の血が流れているかもという説好きです。

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    2024年05月11日
  • レディ・ムラサキのティーパーティ らせん訳「源氏物語」

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    約百年前に源氏物語を初めて英訳した英国人A・ウェイリー。日本になじみのない読者のため工夫をこらした「ヴィクトリアン源氏」を、俳人と詩人の姉妹が日本語に再翻訳。そこに立ち現れるのは典雅で豊饒な世界文学だった。
    「シャイニング・プリンス」ゲンジがシターンを爪弾き、ブルー・ウェイブス(青海波)を舞う、エキゾチックで不思議な世界。アラビアン・ナイトや中世ヨーロッパの雰囲気もあり、かと思えば聖書やシェイクスピアを匂わせる訳文も。気になりすぎてつい翻訳本にも手を出してしまった。それにしても訳者の姉妹の生い立ち自体が何やら浮世離れしていて興味深い。

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    2024年05月06日
  • レディ・ムラサキのティーパーティ らせん訳「源氏物語」

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    源氏物語のアーサー・ウェイリー訳を日本語に翻訳しなおした(『らせん訳』と本人達は呼んでいる)姉妹の書。
    年初依頼、光る君へにはまって色々と評伝や解説やら読み漁ったけど、今のところこれが一番面白かった。平安時代から飛躍して、第一次世界大戦期の欧州へ、さらにシェイクスピアやギリシャ神話、聖書へ。世界文学としての源氏物語。
    色々な意味で教養をつけたい、と改めて思わせる1冊。

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    2024年04月30日
  • 波〔新訳版〕

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    全体を通して詩的、抽象的、暗示的な言葉が溢れているので、一度読んだだけでは細部までは到底理解できない。
    まずは「6人のうち誰に一番共感出来るだろう」などと考えながら最後まで筋を追ってみた。
    寄せては返す波のように、6人の感情の揺れ動きが非常に印象深い。羨望と軽蔑、愛情と憎しみ、一体感と疎外感。
    親しい人物に抱く、相反するが並立する感情が、難解だが美しい表現で綴られている。
    訳者の解説にもある通り、6人にはウルフの多面的な部分が投影されているようだ。

    また、バーナードが自分に言い聞かせるように繰り返す、「月曜日のあとには火曜日が来て、また水曜日が続くのです」という言葉。仕事を持ち、家族を持ち、

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    2022年02月06日
  • 波〔新訳版〕

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    台詞がト書きのような具合で延々続き、台詞だけで物語が展開していく。劇=詩《プレイ・ポエム》の極地ここに極まれり。

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    2021年11月11日
  • レディ・ムラサキのティーパーティ らせん訳「源氏物語」

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    お二人の訳されたウェイリー版の「源氏物語」を読んでから、こちらの本を読もうと思っていたのだが、そんなことをしていたら何年も先になりそうなので、こちらから読んだ。
    エッセイという分類になるのかもしれないが、私にはお勉強の感じであった。もう少しゆっくり読まないと。また翻訳の方を読んでから、と思う。
    とても魅力的な、らせん訳源氏物語なのだろうと楽しみなのだが、なかなか手に取ることができない。

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    2025年08月14日
  • レディ・ムラサキのティーパーティ らせん訳「源氏物語」

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    100年前ウェイリーにより英訳された源氏物語を日本語訳する。
    そこを起点に古今東西の文学、歴史、宗教、思想などに点を見出し、結び合せ、新たな面を呼び起こす。
    知識の渦に身を投じる歓喜。

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    2025年06月03日
  • レディ・ムラサキのティーパーティ らせん訳「源氏物語」

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    てっきりウェイリーの英訳した源氏物語の和訳かと思ったら、英訳したものを戻し訳した、著者である姉妹の解釈や新たな発見、苦労などを記した翻訳日記でした。海外の古典文学も出てくるので、ある程度知識がないと分からない箇所も。光源氏がシャイニングプリンス、紫式部がレディムラサキになるとたちまち着物からドレスにイメージが変わるから不思議。個人的に興味深かったのは、末摘花のロシアン美女説。末摘花がベニバナなのでサフラン姫という表記も魅力的でした。

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    2025年01月25日
  • レディ・ムラサキのティーパーティ らせん訳「源氏物語」

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    どうしても読み通せなかった源氏物語…
    本書読後の今、ウェイリー版なら読み通せそうな気分なので早速挑戦!

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    2024年09月28日
  • 波〔新訳版〕

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    独特な文体でしたが、とても新鮮な読書体験ができました。綺麗な小川の流れを見ているような気持ちで読みました。内容は少々難解で分からない部分も多かったのですが、雰囲気の勢いに任せて味わいました。間に挟まれる1日の時間の描写が素敵でした。

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    2022年03月05日
  • 波〔新訳版〕

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    パフォーミングアーツを鑑賞しているような感覚だった。タイトル通り、誰かの語りに別の誰かの語りが(場合によっては同じ人の語りが)打ち寄せては消えていく。感情を揺さぶるでも、答えにたどり着くでもない、こんな読書体験があるのかと読み終わって震えた。

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    2021年09月10日
  • 波〔新訳版〕

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    ちゃんと入ってきていない。
    詩に触れてこなったし(散文とは言え詩的な受容体を要する気がする)、読むのに早すぎたか遅かったかもしれない。味わいはまだ。うっすら。これが円だとすれば、接線にぶつかれば円に入っていけるのに、まだ平行線、とでも言おうか。
    感性で読みたいのに邪魔が入ってきてしまう。本の読み方、意識の仕方をやっぱり鍛えないとな、と思った。

    美しい本だと思う。
    繰り返されるフレーズ。
    青灰色の装丁、よくぞ選んでくれた。

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    2021年07月06日
  • レディ・ムラサキのティーパーティ らせん訳「源氏物語」

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    著者姉妹の教養溢れる、源氏物語翻訳記

    数年前に「らせん訳」した源氏物語について
    書いた本。
    ジャンルはエッセイになるのでしょうか。
    堅苦しい本ではないのですが、
    「うんうん、わかるわー!」
    と思って読める方は、教養がかなりあるのでしょう。海外文学作品がかなり引用されています。
    私は、早々に中断しましたが、
    『あさきゆめみし』以外の全編を読み、
    著者が翻訳したアーサー版を読んでから、
    改めて再読したいです。

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    2024年07月07日
  • 波〔新訳版〕

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    SNSでおしゃれに紹介されていて、憧れを持って手に入れて、読み出してびっくり!難しいというか、流れが、意味が頭に入って来ない…最初の20ページほどで中断し、数ヶ月。それでも何とか再開し読み進めるうちに、(ああ、タイトルの波とは、この波のように寄せては返すような文章の構成のことを言うんだな…)と理解してから何とか最後まで辿り着きました。訳者あとがきに著者ウルフのご主人が「一般の読者には最初の100ページは難解すぎるだろう」とおっしゃったとあり、私は心の内で「それな!」と叫びました(笑)私が特別読解力がないわけではなかったのだ…と安堵しました。というわけで、内容についての感想はあと2回くらい読まな

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    2023年12月30日
  • 波〔新訳版〕

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    ネタバレ

    同窓の男女6人の人生が彼らの独白オンリーで綴られているんだけど、あまりに詩的で繊細、内面的に描かれていてはっきりした筋を追うような作りにはなっていない。ところどころで海辺の夜明けから日没までの美しい風景描写が挿入されて、人生のうつろいと重なり合う。読み始めは素敵だなあと思ったものの、ずーっと同じ調子にあいまいで装飾が多い文章なので疲れてしまった。飴玉をなめるみたいにゆっくりゆっくり読む本だと思う(そうしなかった私に非がある)。一番好感度高かったのはロウダ。最後に自殺したことが明かされるけど、そうなっちゃうよねえ、と思わされる。
    全体を通して精神しか書かれないので、中盤で皆の精神が溶け合い、一つ

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    2022年09月04日
  • 波〔新訳版〕

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    ほんとにね、寄せては返す波のようだよね、文章が。なんだか主体の境界線が溶け合ってしまって誰ともいつとも定かでないような感じがして、『きことわ』がこれの何かを受けているのかなとちょっと思いました。

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    2021年07月07日