こよのレビュー一覧
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児童文学「風の丘のルルー」のシリーズを再構成した作品。劇中作として、「風の丘のルルー」という小説が登場します。その小説が大好きだった、高校生になっている2人の女の子、そのうちの一人が主人公。眠ったままになっているもう一人の女の子は、小さいころから少し人と変わったところのある女の子だった。小さな魔法が使えたのだ。それは小さい頃のごっこがそう思わせたのかもしれないけれども、「風の丘のルルー」の本を読んでいると、その世界が立ち上がってくるような感覚に襲われる。その少女がいじめられているのを、主人公の女の子は助けてやれなくて、その女の子は、今、病院のベッドでずっと眠り続けていた。
本の物語が、あの頃に -
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あなたは、子どもの頃にどんな本を読んだかを覚えているでしょうか?
私はある一冊の本のことをずっと覚えています。それは、編み物が得意な一人のおばあさんが登場する物語でした。蝶々の羽の模様を参考に偶然編んだ編み物。それが空にふわっと浮かび上がります。そんな編み物によって飛行機を作り上げ、それに乗って孫の住む街へと飛び立つおばあさん…。学校の図書室で夢中になって読んだ日のことは未だによく覚えています。私は2019年の暮れに恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」を読んで以来今日に至る読書&レビューの日々を送っています。そんな今の私ですが、思い返せば本を読む喜び自体を知ったのは、この佐藤さとるさん「おばあ -
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病院で眠り続ける友、沙綾のために、物語を朗読する南波。
朗読される本は、子供のころ、二人のお気に入りだった『風の丘のルルー』。
人間に嫌われる魔女として生まれたルルーの冒険と遍歴の物語だ。
魔女で、少女と聞くと、ほうきに乗って、配達するのか? いや、それは魔女の宅急便だろう、と自分の貧困なイメージが嫌になる。
ルルーが巡る町の描写は美しく、ホルトさん一家や、医者志望のカーリンなど、個性豊かな人物もたくさん登場する。
何より、移動の幅が大きい。
時空名で移動してしまうのだから。
この想像力に、感心してしまう。
村山さんの作品だから、きっとハッピーエンドなのだろう。
そうでなくても、どこかに救 -
Posted by ブクログ
コンビニたそがれ堂で、村山さんにハマったので風の丘のルルーとは、この本で出会いました。小さい頃にルルーと出会って、この本で再会した方は、懐かしさと新鮮さが入り交じった不思議な読後感なんだろうなと、少し羨ましく感じる。個人的には、上巻の傷つきながらも身近な人の幸せを願い、風の丘にたどり着くまでのストーリーが好きだった。下巻になると、急にスケールが壮大になりドタバタ感に若干ついていけず少し飽きてしまった。これも、既にルルーの物語を知ってた人は、抵抗なく読めたんだろうなと思う。それでも、最後までルルーとペルタと旅ができて楽しかったのは間違いなし!主人公の魅力は下巻も衰えない。エピローグも爽快な終わり