鈴木正徳のレビュー一覧

  • 略奪される企業価値―「株主価値最大化」がイノベーションを衰退させる

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    日本ではアクティビストが大活躍で、多くの企業が自社株買いと高配当により、アクティビティスト達に利益を上納し、彼等が去った後は、株価低迷と余裕資金不足により、イノベーションと成長が阻害されている。また、株価上昇により,一見成功しているように見える企業も恩恵を受けているのは株主と倫理観を失って株式報酬を謳歌する経営者達だけで、労働分配率の低下による消費低迷を招いている。そろそろこの悪循環に気付くべきだと思う。

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    2025年08月16日
  • 略奪される企業価値―「株主価値最大化」がイノベーションを衰退させる

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    2024/10/01「略奪される企業価値」☆
    Predatory Value Extraction 略奪する 価値 抽出
    ウィリアム・ラゾニック ヤン・ソプ・シン
    株主価値最大化がInnovationを衰退させる
    株主還元「高配当」「自社株買い」が株主分配率を引き上げる
    賃金と投資は抑制され、成長エネルギーを喪失している
    これは私の最近の持論 まさにこの通り
    しかも新古典派経済学のインチキさと併せて糞味噌
    ただ既成の学問として新古典派経済学は君臨している恐ろしさ
    本書は大学院ゼミText並みのレベル ノートを取りながら熟読したい
    2024/10/11「略奪される企業価値」☆
    Predatory

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    2024年10月25日
  • MMT現代貨幣理論入門

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    たしかに今までの金融・財政理論とは異質だが、否定する内容ではないと思った。トリクルダウンが上手くいかなくなった時、就業保証プログラムで需要側を刺激するのは、まさにイマ使う手なのかもしれない。

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    2020年05月23日
  • 略奪される企業価値―「株主価値最大化」がイノベーションを衰退させる

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    この本は、現代アメリカ資本主義の変質を解剖している。
    著者は、1980年代以降に広がった「株主価値最大化(MSV)」というイデオロギーが、企業経営・資本市場・投資家行動を同じ方向に収束させ、企業の内部留保を再投資から自社株買い・配当に振り向ける構造を作ったと指摘。
    経営者はストックオプション利益のために株価を上げ、機関投資家は短期リターンを求め、アクティビストは還元圧力を強める。
    →このように三者が結託した「協調的略奪」が米国経済を短期志向に変えてしまった。結果、研究開発や設備投資は停滞し、賃金も上がらず、格差が拡大し、経済の成長エンジンが痩せ細ったと警告している。

    著者は最後に、自社株買い

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    2025年09月23日
  • 略奪される企業価値―「株主価値最大化」がイノベーションを衰退させる

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    ネタバレ

    内部留保と再投資、から、削減と分配、へ変化したことがイノベーションが起きないことの原因である。
    完全競争状態の矛盾=どうやって独占が出現するのかを説明していない。企業の生産性の違いを考慮していない。

    シュンペーターは、完全競争は劣った者であり、理想的な効率性のモデルではない=イノベーションの道筋がない。
    イノベーションは不確実、集団的、累積的、なもの。

    特許は幼稚産業保護論の関税と同じ。イノベーションの理論を前提にしている。
    過去には、そのように保護して生まれた巨大産業がたくさんあった。パシフィック鉄道、AT&T、航空路線、高速道路、インターネット、など。インフラ投資として、大学(

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    2024年12月24日
  • ミンスキーと〈不安定性〉の経済学:MMTの源流へ

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    実は今までよく知らなかったミンスキーなる経済学者の考えをまとめたもの。MMTの源流とも言われているよう。
    ミンスキーはアカデミックな世界と実際の金融市場の両方に深い知見を持っていた。貨幣は誰でも創造できる。金融機関は景気循環を増幅し、不安定性へと押しやる力を強めるとする金融不安定性仮説。最低賃金で望む労働者を全て雇用すべしという最後の雇い手。異端の経済学者であった。

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    2022年02月12日
  • ミンスキーと〈不安定性〉の経済学:MMTの源流へ

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    難解なミンスキーの思想を弟子のランダル・レイがまとめた書物。数式は使われておらず、平易に書かれている。
    ・安定性が不安定性を生み出す
    ・貨幣とは借用書である
    ・貨幣にはヒエラルキーがある
    ・失業は労働者の欠点のせいではなく、経済システムの問題
    等々、示唆に富む内容が満載である。MMTに興味のある方には特にお勧めしたい。

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    2021年08月20日
  • MMT現代貨幣理論入門

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    「自国通貨を発行できる国は、財政赤字を膨らませても問題ない」という衝撃的な主張をしている現代貨幣理論(MMT)の入門書。アメリカの経済学者による著作であるが、日本では中野剛志氏などが同様の主張をしている。財務諸表については勉強したばかりであるので、ある程度は理解できたが、難解で理解できない部分もある。お金はいくら刷っても問題ないとはいえ、インフレへの警戒も強調しており、要は程度の問題なのかもしれない。確かに巨額の財政赤字を抱えながら更なる国債発行を行っている日本も、一向にインフレに向かう気配はなく、MMTは正しいようにも思える。貨幣についての考え方も納税の所要からその価値を説いているが、ビット

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    2020年10月05日
  • MMT現代貨幣理論入門

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    理論として現実味を除けば、就業保証プログラムなど、画期的であり面白いと感じた。
    しかし、あまり現実味はないような気もする。また、キーストロークの部分であったり、恒等式に関しては、わざわざMMTという学派を打ち立ててまで取り上げるものでもないような気がする。ただ、やはり画期的であるという点で評価できる。
    あと、文体が非常に読みづらい。カギカッコが多すぎる。そこをどうにかして欲しかった。

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    2020年06月28日
  • MMT現代貨幣理論入門

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    ネタバレ

    MMTとは「主権を有し、不換通貨を発行する政府は、その通貨において支払い不能になることはない」と『説明』してるのであって、「無尽蔵に支出してもよい」とは主張していません。本書を通じ、マクロ会計の仕組みと実際のオペレーションがよく分かりました。

    よってMMTのことを「ハイパーインフレを発生させる」「財政の不健全化をまねく」と主張する人は、年金を「払ったって貰えない」と言ってる人と同じレベルだということです。

    何事もよく学び・理解してから主張する大切さを実感しました

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    2019年09月29日
  • 略奪される企業価値―「株主価値最大化」がイノベーションを衰退させる

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    ウィリアム・ラゾニックは革新的企業の理論を構築した企業組織論の研究者。
    2010年にシュンペーター賞
    2014年にマッキンゼー賞

    「株主価値最大化」がイノベーションを衰退させる

    1980年代に登場した
    株主価値最大化 maximizing shareholder value MSV
    企業の資源配分のイデオロギーが、持続的繁栄の社会的基盤を弱体化させた
    雇用の不安定
    所得の不平等
    生産性の伸び悩み
    を生じさせた

    価値創造とは、生産性向上の本質である


    内部留保と再投資 終身雇用

    削減と分配

    株主価値の最大化によって

    この基盤にあったものが新自由主義

    株主価値最大化がもたらし

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    2025年04月13日
  • ミンスキーと〈不安定性〉の経済学:MMTの源流へ

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    ネタバレ

    世の著名なノーベル経済学者が提唱する経済学は中央銀行や金融機関の存在をおまけ程度な位置づけにする『非現実的』な学問なのに対して、ミンスキーの考える経済学は、古くから中央銀行や記入機関の存在を中心においていた。まさにMMTの源流である。リーマンショック以降、ミンスキーの経済学が見直されたのが事実であり、それが現在の米国における経済学の転換点となっているでしょう。この流れが米国の積極的な財政政策などに繋がっているという、歴史的な事実が知れました。

    んがしかし、現状の経済情勢を読み解く新たなレンズは転がってませんでした。
    なもんで、途中で読むのは止めました。面白い本ですけど、翻訳が難しいですね

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    2021年08月24日
  • MMT現代貨幣理論入門

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    貨幣の本質=債務証書と、GDPの恒等式をシステム思考的に突き詰めた、みたいな感じ?
    そんな簡単なことでいいの?とも思うし複雑だなとも思う。

    本質的な役割で見たら、貨幣は債務証書。政府が発行する通貨は、まず政府が負債として支出し、後に税金や罰金などで受け取って償還される。政府は、中央銀行の負債に数字を追加する…「キーストローク」で支出する。
    なるほど。

    政府の赤字は民間の黒字。貿易の黒字は政府か民間どちらかが赤字。
    ゼロ金利は投資を刺激しない。
    政府は完全雇用を目的に赤字支出せよ、失業者を直接に雇用せよ、そこまでがMMTだ、と。

    純粋に、経済の仕組みに関わるところと、熱く語る思想的主張が混

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    2020年07月18日
  • MMT現代貨幣理論入門

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    ネタバレ

    中野剛志さんの本で概要を聞いていたので、かなり長く感じたが、いろんな批判に対して丁寧に説明しようとしている内容。
    このレベルで基本書と言われると、専門書はどのレベル??と困ってしまう。
    最後の解説がシンプルにまとまってるので、先に読んでから読んでみても良いかもしれない。

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    2020年01月18日
  • MMT現代貨幣理論入門

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    主権と中央銀行を持つ国の政府は、まず貨幣を創造し、次にその貨幣で納税義務を課す。均衡不要で予算制約なしに支出できる。課税プロセスで、公共・民間に有益な活動を促進する。政府は最低給での就業保証プログラムを実施することで、再分配に代わる不平等是正を行える。

    残り物のオマケ程度の位置づけだった税が、まず最初に来るとは。税制の在り方が、社会の活動の方向性を決めるとは。不換・電子情報時代の理論とのことですが、いつまで有効なのだろう。

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    2019年12月18日
  • MMT現代貨幣理論入門

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    MMTが主張するところによると、「通貨発行権のある政府にデフォルトリスクはまったくない」。通貨が作れる以上、財源の制約はなく、インフレが悪化しすぎないようにしさえすれば、財政赤字を気にする必要はないという。

    さてここで気をつけたいのは、本書にも指摘があるように、政府がデフォルトを選択することはありうるということだ。特に対外債務に頼っている場合は、自らデフォルトすることで借金をチャラにするという誘いが常に存在し、実際にそのような事例は歴史上たくさんある(『国家は破綻する』参照)。したがって、国債所有者から見たデフォルトリスクは存在するわけで、そのリスクを踏まえた金利設定がされるはずだ。政府はこ

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    2019年12月02日
  • MMT現代貨幣理論入門

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    主流の理論が間違っている
    キーストロークだから大丈夫
    ...の2点しか頭に残らない。
    ところどこと面白い議論もあるので、無駄だったというわけではないが、知りたいところに手が届かないモヤモヤが残る本でした。

    理論の骨格とかロジックを知りたかったのだが、主流派批判に邪魔されてピントがぼけてしまっている印象を受けました。
    既存の理論との違いはを知りたいのですが、何が争点なのかよくわからない。(もちろん結論はちがっているのですがそこに至る何処に違いがあるのか)

    最初はすごく丁寧に説明しているくせに、後半、もっと丁寧に説明がいるのでは、というところが、主流派批判の勢い優先でかかれていて論理展開につい

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    2019年09月15日