長谷川政美のレビュー一覧

  • 進化生物学者、身近な生きものの起源をたどる

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    2021-22年、ウェブマガジン「Web科学バー」の連載をまとめたもの。中心にあるのは、最新の遺伝子解析をもとにした「系統樹マンダラ」。そのカラーパネル12枚が口絵を飾る。
    冒頭はdomesticated animalsの起源。まずはイヌ。最新の古代DNA解析によれば、イヌはハイイロオオカミの亜種で、東アジア起源らしい、そしてニホンオオカミは遺伝子的にはハイイロオオカミよりイヌに近かったなど、興味深い知見が並ぶ。このあとネコ、ウマとロバ……へと続いてゆく。昆虫もある。個人的には、ミツバチの起源をもう少し詳しく解説してほしかったかな。
    中半では、植物と動物の共進化、後半では、退化と「中立進化」な

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    2025年05月04日
  • 系統樹をさかのぼって見えてくる進化の歴史

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    ヒトから始まる系統樹を辿る。生命の歴史を、平易な言葉で解説した本。【進化と生命の長い旅】である。系統樹はどのように繋がっていっているのか、一見するとわかりにくいが一つ一つ丁寧に説明してある。特に系統樹マンダラの図と写真が素晴らしい。系統樹は収斂進化と切っても切り離せないが、その部分の解説もわかりやすくてとても良い。残念ながら現在では重版予定がない書籍だが、一読の価値あり。まるで自分の祖先を辿っていくような、なんとも言えない面白さと生命のしくみの奥深さ。狙って生まれるものではない偶然の繰り返しで命が繋がってきたのだと思うと、今こうしてヒトとして生きていることも奇跡的だ。今まで読んだ本の中でも群を

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    2022年01月22日
  • 系統樹をさかのぼって見えてくる進化の歴史

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    ヒトの祖先を巡って、現代から過去へ進化の系譜を遡る。ヒトとニホンザル、ヒトとクジラ、ヒトとカエル、果てはヒトとシャクナゲの共通祖先まで。
    これは良い。動物の分類に詳しく、まさにこういう本が読みたかった。
    『系統樹マンダラ』という響きにまず惹かれる。ただ、見開きのため真ん中がノドでつぶれてしまっているのが玉に瑕。

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    2016年04月21日
  • 系統樹をさかのぼって見えてくる進化の歴史

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    良本。
    意外とないのが系統樹付きの図鑑。それも、90年代以降分子系統学に基づく分類学上の大きな変化がいくつかあり、僕が図鑑を読んでいた20年前とは様変わりした最新の分類が反映されている。
    本書は2014年出版ながら、気付いた中では2013年の情報まで盛り込まれていた。
    また、ブックデザインも非常に丁寧で見やすい構成。紙質、色、系統樹、写真、字体や文字間隔、余白まで、軽快に読み進められるよう工夫されている。
    そして最後のあとがきにも簡潔で明快な見解が示されている。それは、我々のいう地球環境を守るということは人類の子孫にとって良い環境を残そう、ということである。ここまで本書を読み進めればこそ、それ

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    2015年08月31日
  • ウイルスとは何か 生物か無生物か、進化から捉える本当の姿

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    ウイルスはそれ自身で増殖することはできないが、生物の細胞をとおして増殖する。私などはウイルスというと生命にとつて良くないヤツと思いがちであるが、ただ疾患をもたらすだけでなく、宿主と実に様々な共生を展開していることを教えてくれる。

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    2025年06月22日
  • ウイルスとは何か 生物か無生物か、進化から捉える本当の姿

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    「生物か無生物か、進化から捉える本当の姿」という副題にあるように、進化生物学の視点からウイルスを解き明かしている。
    ウイルスの配列が生物のゲノムに入り込んでるとは知らなかった。
    ヒトに感染症をもたらすものというウイルスの印象が少し変わった。

    COVID-19もそうだが、コウモリ由来の感染症が多い理由の説明が面白かった。

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    2023年02月19日
  • ウイルスとは何か 生物か無生物か、進化から捉える本当の姿

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    ウイルスと聞くと、人間にとって危険な存在で排除すべきものという先入観があるが、人間を含む生物にとって、持ちつ持たれつ共生しあう関係。
    しかし、人間の居住地や田畑の拡大、グローバル化によって、その地で共生し合っていたウイルスが突然、人間に牙を向く存在になる、科学者の警鐘を聞いた。

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    2023年02月11日
  • 系統樹をさかのぼって見えてくる進化の歴史

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    人類からスタートし、他の生物とはどこで分岐したのかを視覚的に見せる本。自分の中で何となくあった分類と、実際の分類の差を見て楽しめる。個人的には「魚類」と大雑把に分類していた集団が、一つのまとまった進化グループではなかったことに驚いた。

    系統樹曼荼羅はなかなかいいが、紙に表現することの限界を感じる。こういったどんどん細分化していくものを一つにまとめるならば、デジタル化したほうがいい。その方がどこまで拡大しつつも全体に対する位置を確認することができる。

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    2017年02月22日
  • 進化生物学者、身近な生きものの起源をたどる

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    今生きている様々な生き物がなぜ今の様な形をしているのか、植物・動物・菌類のそれぞれが生き残るために何をどのように進化させ、退化させたのか?の歴史をこの本から感じ取れた。
    それぞれに役割がある訳で、生態系の新陳代謝は本当に良くできてるなと思った。

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    2025年03月25日
  • 進化38億年の偶然と必然

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    進化論の歴史、大陸移動説を踏まえた生物の地理的分部、全ての生物の共通祖先(LUCA:the Last Universal Common Ancestor)について、地球の歴史における酸素濃度は気候の変化に伴う絶滅と進化、恐竜の絶滅と哺乳類の繁栄などのトピックを提供。気の遠くなるような時間軸の中で育まれた生物の多様性についてわかりやすく理解することができる。

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    2023年11月18日