長谷川政美のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2021-22年、ウェブマガジン「Web科学バー」の連載をまとめたもの。中心にあるのは、最新の遺伝子解析をもとにした「系統樹マンダラ」。そのカラーパネル12枚が口絵を飾る。
冒頭はdomesticated animalsの起源。まずはイヌ。最新の古代DNA解析によれば、イヌはハイイロオオカミの亜種で、東アジア起源らしい、そしてニホンオオカミは遺伝子的にはハイイロオオカミよりイヌに近かったなど、興味深い知見が並ぶ。このあとネコ、ウマとロバ……へと続いてゆく。昆虫もある。個人的には、ミツバチの起源をもう少し詳しく解説してほしかったかな。
中半では、植物と動物の共進化、後半では、退化と「中立進化」な -
Posted by ブクログ
ヒトから始まる系統樹を辿る。生命の歴史を、平易な言葉で解説した本。【進化と生命の長い旅】である。系統樹はどのように繋がっていっているのか、一見するとわかりにくいが一つ一つ丁寧に説明してある。特に系統樹マンダラの図と写真が素晴らしい。系統樹は収斂進化と切っても切り離せないが、その部分の解説もわかりやすくてとても良い。残念ながら現在では重版予定がない書籍だが、一読の価値あり。まるで自分の祖先を辿っていくような、なんとも言えない面白さと生命のしくみの奥深さ。狙って生まれるものではない偶然の繰り返しで命が繋がってきたのだと思うと、今こうしてヒトとして生きていることも奇跡的だ。今まで読んだ本の中でも群を
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Posted by ブクログ
良本。
意外とないのが系統樹付きの図鑑。それも、90年代以降分子系統学に基づく分類学上の大きな変化がいくつかあり、僕が図鑑を読んでいた20年前とは様変わりした最新の分類が反映されている。
本書は2014年出版ながら、気付いた中では2013年の情報まで盛り込まれていた。
また、ブックデザインも非常に丁寧で見やすい構成。紙質、色、系統樹、写真、字体や文字間隔、余白まで、軽快に読み進められるよう工夫されている。
そして最後のあとがきにも簡潔で明快な見解が示されている。それは、我々のいう地球環境を守るということは人類の子孫にとって良い環境を残そう、ということである。ここまで本書を読み進めればこそ、それ