あらすじ
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この十数年で急速に明らかになってきている、生命がたどってきた進化の歴史。地球上にいるあらゆる生物は、ひとつの共通祖先から進化して、300万種以上に分かれたと考えられています。ヒトにいちばん近いチンパンジーはもちろん、カエル、クラゲ、キノコ、そして高い山に人知れず咲くシャクナゲも、ヒトとの共通祖先から分かれてそれぞれ進化してきたのです。本書は、系統樹を用いてヒトの祖先を15億年さかのぼり、進化や種分化の歴史、生物の多様性などを“体験”する科学ビジュアル読み物です。
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Posted by ブクログ
ヒトから始まる系統樹を辿る。生命の歴史を、平易な言葉で解説した本。【進化と生命の長い旅】である。系統樹はどのように繋がっていっているのか、一見するとわかりにくいが一つ一つ丁寧に説明してある。特に系統樹マンダラの図と写真が素晴らしい。系統樹は収斂進化と切っても切り離せないが、その部分の解説もわかりやすくてとても良い。残念ながら現在では重版予定がない書籍だが、一読の価値あり。まるで自分の祖先を辿っていくような、なんとも言えない面白さと生命のしくみの奥深さ。狙って生まれるものではない偶然の繰り返しで命が繋がってきたのだと思うと、今こうしてヒトとして生きていることも奇跡的だ。今まで読んだ本の中でも群を抜いて素晴らしかった。
(追記)電子書籍で再販されました。おすすめなので是非どうぞ。
Posted by ブクログ
ヒトの祖先を巡って、現代から過去へ進化の系譜を遡る。ヒトとニホンザル、ヒトとクジラ、ヒトとカエル、果てはヒトとシャクナゲの共通祖先まで。
これは良い。動物の分類に詳しく、まさにこういう本が読みたかった。
『系統樹マンダラ』という響きにまず惹かれる。ただ、見開きのため真ん中がノドでつぶれてしまっているのが玉に瑕。
Posted by ブクログ
良本。
意外とないのが系統樹付きの図鑑。それも、90年代以降分子系統学に基づく分類学上の大きな変化がいくつかあり、僕が図鑑を読んでいた20年前とは様変わりした最新の分類が反映されている。
本書は2014年出版ながら、気付いた中では2013年の情報まで盛り込まれていた。
また、ブックデザインも非常に丁寧で見やすい構成。紙質、色、系統樹、写真、字体や文字間隔、余白まで、軽快に読み進められるよう工夫されている。
そして最後のあとがきにも簡潔で明快な見解が示されている。それは、我々のいう地球環境を守るということは人類の子孫にとって良い環境を残そう、ということである。ここまで本書を読み進めればこそ、それが単なる利己的な発想ではなく、いかに多種多様な生命環境が必要か、現実に即した責任ある認識であるかということがわかってくる。