村中直人のレビュー一覧
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ネタバレ■■「叱れば人は育つ」は幻想 ー 読書メモ■■
◆気づきの核心:「叱る」は麻薬のようなもの
著者が指摘する「叱る依存」のメカニズムに衝撃を受けました。私たちが「正しいから叱る」と思い込んでいた行為が、実は脳の報酬系(線条体)を刺激する快楽行為だったとは。特に「叱った後に相手が従うとドーパミンが分泌される」という研究データは、自分自身の指導経験を振り返りゾッとしました。教育熱心な人ほどハマりやすい罠だと痛感します。
◆重要な脳科学知識:3つの危険信号
扁桃体の暴走:叱られると30分以上「戦うか逃げるか」モードが持続
前頭前野の麻痺:理性的思考が37%低下する実験データ
海馬の萎縮:長期 -
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個人的な評価ともいえるが、とても良い本。
いわゆるアスペルガーから触れていき、障害やマイノリティーなどの『ニューロダイバーシティ』をわかりやすく解説している良書。
脳の神経の違いにすぎない、などの科学的根拠に基づく多様性の考え方が身につく。
ところで、僕はADHDだが、日本では悪のレッテルが貼られ差別されることも多い。非ADHD者が多数派、というだけなのだが「数のチカラ」は厄介といわざるをえない。
これまでは、精神医学や心理学によるアピールではなく、遺伝学や人類学、論理学、歴史などの知識を使って、「なぜADHDという名称なのか」からはじめ、その妥当性、科学的根拠がないことなどを他人にがんば -
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■叱られた子供はなぜ同じことを繰り返すのか。
その答えは「防御システム」とも呼ばれる脳の危機対応メカニズムにある。脳の奥底の扁桃体は人間の感情、特にネガティブ感情について重要な役割を果たしている。今扁桃体を中心とするネットワークが活性化するとき、人は「闘争・逃走反応」(Fight or Flight Response)と呼ばれる状態になる。
この防御システムは人の学びや成長とは真逆のシステムである。具体的にはこの防御システムが活性化しているとき、脳の前頭前野の活動が押し下げられることが分かっている。危機的な状況においては、時間をかけて考えることが逆に命の危険を高めてしまう。だから防御システ -
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著者の「叱る依存」を悪とした主張に完全な同意はできないが、色々な気づきを与えてくれる内容だった。対談のどれもが趣深いが、最後の佐渡島庸平氏が印象的だった。前さばき、後さばきの概念があり、前さばきの上手い人つまり「予測力」の能力がある人は叱る原因を前もって回避しているという。これには納得した。事が起こってしまった後のさばきが上手い人は、仕事上では誰もが「できる人」認定してしまう節があるが、前さばきが上手い人は、そもそも問題が発生することがないのでその能力に周りは気づかなく、能力を軽視されてしまう。「叱る」の趣旨とは外れるが、この部分のやり取りは大変、会社員として働くうえでは貴重は知見であった。
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元女子バレーボール日本代表の大山加奈さんとの対談が印象的だった。
小さいときから才能を発揮し、第一線で戦い続けプロになった。厳しい練習や指導にも、それがレベルの高い証拠と疑わずに食らいついた。成長期に無理をして体を痛め、それが原因で選手生命は長くはなかった。
私が子どもに小さいうちからスポーツをやらせたくないと思ったのは、これが理由だな。
大人の厳しい指導で子どもに力はつくかもしれない。でも、叱られたくないから自分で考えることは放棄しちゃうし、頑張るエネルギーを、人にいわれたことを実現することに使ってしまう。成長期で不安定なのに、真面目な子ほど頑張りすぎて、運が悪ければ体を壊してしまう。
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ネタバレ人の成長に携わる全ての人にお勧めしたい名著
教員だけではなく,部下を持つ人や子どもたちと接する人たちが必要とする知識が得られる。
◯「叱る」とは相手にネガティブな感情を持たせて相手を支配しようとすること
◯「こうあるべき」からはみ出た人に対して「処罰欲求」を満たすための手段として「叱る」が選択されている。つまり,その行為は他者の成長ではなく自分の満足
◯「叱る依存」は,苦痛からの逃避によって引き起こされる
◯人を成長させる人は「前さばき」が上手い人。つまり,問題が起こらないようにするために,物事がうまくいくよう事前に準備をしたり働きかけたりすること
◯前さばきをするための「予測力」。そしてそ -
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少しずつ世界が変わってきているなと感じる。
叱る(&褒める)ことで望ましい方向にコントロールしようとせず、主体性を出せるようにどう対話していくか。
人は、今やっていることに納得していないと本当の学びはない。
理不尽な大変さを乗り越えたからといって、それは自分のためになっていない。
防御モードのときに学ぶ余裕はない。
この視点を持っていると、子育てや仕事を振り返った時に問題整理がしやすくなりそう。
前さばきと過保護の違いや、勝利至上主義の指導者が過剰に評価されない仕組みについて、なるほどなと思うことが多かった。
学びが多く、読んでよかった。
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叱ることの弊害について理解できた。害しかない。次に気になるのは「では、叱る以外の方法は何か?」ということです。この本は、叱る以外のアプローチを模索し、それを実践している人々の経験が語られています。特に、叱ることから卒業し、別の方法で人を導いてきた方々の知見が詰まった内容です。さらには、叱られた立場からの語りもされている。
私が仕事や家庭の指導する立場としてなら、この本を読んで感じたこととしては、部下を楽しませながら成長を促すことの重要性です。そのためには、楽しみをどう提供し、どのように巻き込んでいくかを工夫し、試行錯誤する姿勢が求められるということが、この本からの大きな学びとなりました。 -
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ネタバレ「スポーツの現場から怒声をなくす」は分かる。スポーツの現場に怒声はいらない。全く必要ない。
問題は教育の現場。
叱って場が落ち着くのは短時間。それは理解しているから、叱って落ち着かせて、そのあとネガティブフィードバックに持ち込む方法は割とよく取る。
間違った行動に出る子供は、大体において興奮状態、パニック状態にあり、それを「短時間で」落ち着かせる方法が、叱る以外にあるならいくらでも試したい。学びたい。
叱るなんてネガティブな感情を使わずに済むならそうしたい。
「叱らない=ネガティブなことを言わない」と考える人も多い。それはちがうでしょ。自分が間違っていることに自分で気付かなければ、人は行動を -
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叱ると言う行動をロジカルに、具体的に4人の体験談から解説してもらっている。
「叱る」とは、叱る人が支配&コントロールする一部の行為であり、叱られ側は防御する為にその場はその指示に従う。その行動が連鎖した結果、「依存」して続けた行動になる、と認識した。
私も感情に流されて「叱る」?怒る?
でも叱る側も、叱って気持ちが良いものでは無い、またあと味も悪いし、寝つきも悪い。叱るって、相手の成長を願うもので、一方的な罵倒ではない。やはり、お互いが話し合い理解して納得しないと、、、
イイ、悪いでは無いし、
企業経営ですと、勝ち残るため、お客様に満足していただく為かなぁ? もちろんわたしは、会社もスキップし