島村恭則のレビュー一覧
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ネタバレ民俗学、と聞くと難しいが要は、内輪のちょっとした伝統とか慣習。
例えば親の叱り方。
我が家では「怖い人」に、家まで来て言う事を聞かない子供を連れて行ってと電話することがあった。
勿論「怖い人」は架空の人物だ。
こういう、架空の人物を使った叱り方をする家庭は案外多いらしい。
筆者はこれも民俗学と言える、と書いていて面白かった。
他にも、消防士やトラックドライバーさんたちの慣習などいろんな視点から、様々なちょっとした伝統をとりあげて、民俗学について面白く書かれていた。
なるほど、身近なちょっとした内輪の伝統=民俗学か。
私の一族が集まったときも、輪になって歌うなど、決まってやる事があるがあれ -
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民俗学と聞くと、たいていは柳田國男氏に
代表される農村漁村に古くから伝わる民間
伝承(妖怪、昔話、伝説、祭り、など)を
思い浮かべる人が多いと思います。
この本では最初に民俗学を定義しています。
それは「俗」というものの定義でもありま
す。
①支配的権力になじまないもの
②啓蒙主義的な合理性では必ずしも割り切
れないもの
③「普遍」「主流」「中心」とされる立場
にはなじまないもの
④公式的な制度から距離があるもの
そうしますと多くの物事が民俗学に当ては
まります。
例えば「学校の七不思議」です。
どの学校にも口伝で続くオカルト的な話が
あると思います。誰もいない深夜の教室か
らピアノ -
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NHKラジオ深夜便
「あなたの身近な民俗学」
民俗学って「田舎に古くから伝えられている」感じだけど 座敷わらしみたいな
でも現代の身近な風習を探ることも民俗学らしい
この研究室すごそう笑
学生たちのレポートが面白い 根気強い調査が必要だろうけど
「家庭の中のヴァナキュラー」
お母さんが創り出した化け物/気仙沼の海神様/わが家だけのルール/靴のおまじない
最近生み出されたようなものでも定着していく事がある 気仙沼や金沢の例
現在あるお祭りも始まりはこんな風だったのかも
中央と反するもの
地方の懐かしいものではない
宗教的な
過去にある伝承を組み合わせて新しいヴァナキュラーが作られ -
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民俗学って聞くと、「古い伝統の残ってる地域に行って、その地に伝わっている伝承とか儀式とかお祭りとかを聞き取る」っていうイメージがあったんだけど、現代の都市とかネット社会で起きていることも調査の対象となるんだと知った。
現代の民俗学が扱う対象は「ヴァナキュラー」と呼ばれていて、これは①支配的権力になじまないもの、②啓蒙主義的な合理性では必ずしも割り切れないもの、③「普遍」「主流」「中心」とされる立場にはなじまないもの、④公式的な制度からは距離があるもの、のいずれか、もしくは其の組み合わせのことを指す、とのこと。
特定の学校内だけで使われるキャンパス用語や独特の挨拶、業界内だけの風習、アニメの -
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民俗学にめちゃくちゃ興味出てきました。実話怪談とフォークロア、ネットロアに興味があるんですが、フォークロアが今はヴァナキュラーという名前になっているのもなるほどでした。自分の家やまわり近所とかだけにあるヴァナキュラー探すのも楽しそうです。うちは危険を先に越えていくというので出掛けるときに包丁を玄関扉に立てかけて跨ぎます。これもヴァナキュラーでしょう。霊柩車が通るときに親指を隠すとかもですよね。そう考えたら色々ありそうで、この本を入り口にしてもっと知りたいと思いました。あとがきに書かれていた本を読んでみたいと思います。ありがとうございました。
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『エチュード春一番 第一曲子犬のプレリュード』(萩原規子)がキッカケで読む事になった『みんなの民俗学』(島村恭則)。
というのも、主人公が日本民俗学研究会に所属してる設定を読んで、
私も大学で学んでいたし、初心に戻ろうと思ったためです。
私は在学時、民俗学を「過去の口頭伝承を探る学問」として捉えていたけど…
本書を読んで〈俗〉の定義をまるでわかってなかった事を知りました。ハズカシ。
以下抜粋です。
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❶民俗学は、18世紀のフランスを中心とする啓蒙主義や、19世紀初頭にヨーロッパ支配をめざしたナポレオンの覇権主義に対抗するかたちで、ドイツの -
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<民俗学>
民族学の入門書は、地方の伝統をカタログ的に並べた本が多い印象がある。「で、民俗学って何なの?」というモヤモヤが解消されないままだったが、おぼろげながら本書の説明で輪郭を掴めたような気がする。
啓蒙主義に対するカウンターであり、合理性に対する非合理的な営みとして民間に伝承された伝統を再評価する試みのようだ。たしかに合理性だけの社会は味気ないと思う。
一方で、自分が苦しめられてきた「地域の暗黙の了解」を解明するヒントとして有益な一冊であった。空気を読めない人間にとって、非合理的なものは気づきづらい。
また、ヴァナキュラーって何なの?という疑問もあったが、従来のフォークロアという言葉が -
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わかりやすい表現で書かれており、民俗学に興味はあるけれど基礎がない人や専門書に抵抗のある人にも読みやすい。
以前日本民俗学の課題を読んだ時、本の内容そのものは面白く読めたが、同時に基礎的な知識をある程度持ってないと充分にその内容を吸収できないと感じた。
本書はそんな自分に丁度良い、取っ掛かりとなる本だった。最後の方に次に読むべき本や、柳田國男はじめ民俗学の大家ー沢山あってどの本から手をつければ良いかわからなくなるーの最初に取る本を選ぶのをたすけてくれる。
さらに前に読んだ宮本常一がその大家に数えられてて、わからないながらも良い本を選んで良かったと思った。 -
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民俗学とは、なんだか古めかしい田舎の風習を深堀りしているものというイメージがある。しかし実は現代社会の都市においても、家庭や学校、職場といった人が集まる場では新たな民俗≒ヴァナキュラーが発生しているのだ。そんな人類に普遍的なコミュニティで生まれる風習や略語など、多様な実例を挙げながら解説する入門書となっている。
たとえばモーニングという、喫茶店で朝に提供されるコーヒーにトーストとゆで卵がセットになったサービスは、中京圏以西で一般的となっている。もともとは都市部の労働者を中心に、朝に新聞を読みながらコーヒーを飲むついでに軽食も摂りたいといった要望に応えて、一部の喫茶店から始まった習慣が広まった -
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なんか、あるところでだけ通じる言葉とか
あるところでだけ行われている風習とか
そういうものも民俗学には大切な要素らしい。
最小例で言えば、家族だけに通じるやつとかね。
たまにあるよね…自分の家でしかやってないのか!
って大人になってから気がつくやつ。
新しい靴をおろすときの儀式の話がおもしろい。
大学で学生たちから採取した
「私のパワースポット」の話題も興味深かったし
鉄子としては「鉄道民俗学」に
一章さかれているのも嬉しいかぎり。
特急「はと」と療養所の物語が
昭和55年の小学5年生の教科書に
『鉄路の友情』として掲載されたのだそうですが
どこの出版社のだろう〜。
気になります。