島村恭則のレビュー一覧
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ネタバレ読み終わって心に残るようなものは正直あまりなかったのだけど、最後のデマと陰謀論を民俗学と結びつけるところは面白かった。
最近排他的な運動をSNS中心によく見るようになったり、これまで無自覚に信じてきたものが揺らぐような感覚に不安を感じていたのだけど、最後の章でもっと広い視野で見ると、面白い現象として捉えられる心のゆとりの持ち方を教わった感覚になった。それは今の私に必要な考え方だったので、読んでよかった。
「ネット上のデマを見た場合、それらは単なる「誤情報」ではなく、現代における「民間伝承」や「口承文芸」の1つとして捉えることができる」
「かつて柳田國男が各地の伝承から当時の人々の生活を読み解いたように、現代のデマもまた現代の民話として読み解くことができる」 -
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民俗学とは、なんだか古めかしい田舎の風習を深堀りしているものというイメージがある。しかし実は現代社会の都市においても、家庭や学校、職場といった人が集まる場では新たな民俗≒ヴァナキュラーが発生しているのだ。そんな人類に普遍的なコミュニティで生まれる風習や略語など、多様な実例を挙げながら解説する入門書となっている。
たとえばモーニングという、喫茶店で朝に提供されるコーヒーにトーストとゆで卵がセットになったサービスは、中京圏以西で一般的となっている。もともとは都市部の労働者を中心に、朝に新聞を読みながらコーヒーを飲むついでに軽食も摂りたいといった要望に応えて、一部の喫茶店から始まった習慣が広まったものだ。
あるいは口裂け女やトイレの花子さんなど、昭和期の都市部を中心に広まった都市伝説もヴァナキュラーと呼べるだろう。子育ての上での教訓や注意事項を怪談にして伝えるといったやり方は、妖怪たちが語られた過去の時代からフォーマットとしては変わらない。現代でも女子高生がスマホで略語を入力するといった形で、日々新たなヴァナキュラーが生まれている。
主に大学教養課程向けの噛み砕いたコラムとして、民俗学が実は身近で親しみやすいものだと理解できる実例を伴った新書らしい内容が集まっている。もちろん、専門家である著者にはまだオープンしていない引き出しがたくさんあるのだろうし、柳田國男や宮本常一、折口信夫などその道の大家を深堀りしていくととんでもないことになる。そういった沼の入口としては分かりやすいだろう。 -
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なんか、あるところでだけ通じる言葉とか
あるところでだけ行われている風習とか
そういうものも民俗学には大切な要素らしい。
最小例で言えば、家族だけに通じるやつとかね。
たまにあるよね…自分の家でしかやってないのか!
って大人になってから気がつくやつ。
新しい靴をおろすときの儀式の話がおもしろい。
大学で学生たちから採取した
「私のパワースポット」の話題も興味深かったし
鉄子としては「鉄道民俗学」に
一章さかれているのも嬉しいかぎり。
特急「はと」と療養所の物語が
昭和55年の小学5年生の教科書に
『鉄路の友情』として掲載されたのだそうですが
どこの出版社のだろう〜。
気になります。 -
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民俗学の雑学本という感じ
柳田國男と折口信夫の名前はチェックした
なぜ【勤労感謝】は11月なのか?
の項目では
勤労感謝の日が昭和23年に制定されたこと(割と新しい!)
その前進は新嘗祭で、皇室の祭りと分けるために新嘗祭から
【新穀感謝の日】案、
か〜ら〜の〜、
米だけではなく海や山の幸も重要、作物そのものではなく生産者にこそ感謝すべき、といった意見から【生産感謝の日】案
か〜ら〜の〜
【勤労】を尊ぶべきであるという観点から【勤労感謝の日】になった、
らしい
勤労感謝の日は自分が働けることに感謝!でもこれまで働いてくれた人に感謝!
でもなく新嘗祭からの
あ、なんか、色々な都合があったんだね…ということがわかったのが良かった -
Posted by ブクログ
文字通り入門編であり、深い知識を身につけることは難しいが、普段考えない日常のあれこれについて民俗学的な観点から考えることができる書籍だった。
【学び】
おかわりする時は一口分のお米を残すことがマナー、月賦販売が江戸時代末期に愛媛県今治市桜井の漆器行商から始まったこと、柳田國男が東大法科大学を出て高級官僚として働いてから45歳で退官後に民俗学に没頭したこと、日没で日が変わる概念があること(イブが夕刻という意味であること)、ケ(日常)とハレ(祭、非日常)、出会い系アプリをいち早く使っていたのはゲイの人々であること、年祝の起源(古希、喜寿、傘寿、米寿、卒寿、白寿、百寿)などを学んだ。 -
Posted by ブクログ
全体的には教科書の副教材のような雰囲気。一人の著者が書き上げたものではなく、複数人の民俗学者が見開き完結で書いているので統一感はあまりなく、「へぇ〜」とダイジェストで終わってしまう。そんな中、わが家の習慣でもある大晦日におせちを食べ出すことについて「むしろ31日の夕方に食べるのが、本来のおせちだった。昔は日没で1日が終わり翌日が始まっていた。だから日没を過ぎたらもう元日だったのだ」に納得。同様のことが「クリスマス・イブをクリスマスの前夜祭だと思っている人がいるかもしれない。クリスマス・イブのイブは、夕刻を意味するが、この夕刻はクリスマスの日の夕刻のこと。1日の境目は日没とされているので、24日の日没を過ぎれば、もうクリスマス当日なのである」にもあり、電気のない時代の毎日のありようにも思いを馳せられた。
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Posted by ブクログ
特別カバーとして、好きなイラストレーター、zinbeiさんが表紙を書いていたので購入。見開き1ページに、イラスト付きで我々の日常の中にある様々な慣習を、民俗学的に解説している本。
イラスト付きで文章量も少なく非常に読みやすい。まさに、「入門」として最適だと思う。そして、しっかりとその出来事やジャンルに深入りできるような「参考書」を明記しているのも素晴らしい。参考書は全ページに簡単な本の解説と共に記載されており、そこから各々好きなように自習ができる。
個人的に面白かった箇所のメモ
・北海道がおせちを大晦日に食べる理由
・クリスマス・イブはいつなのか。なぜイブを祝うのか(当日ではなく)。
・職場方言も民俗学の対象となっていること
・「遠慮のかたまり」も地域によって色々と呼ばれていること。