島村恭則のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「民俗学」とは人々(=民)について〈俗〉の視点で研究する学問
で、〈俗〉とは①支配的権力になじまないもの②近代的な合理主義では必ずしも割り切れないもの③「普遍」「主流」「中心」とされる立場にはなじまないもの④公式的な制度からは距離があるもの、などを指すそう
なるほど、土瓶さんは〈俗〉に分類されるわけやな
はい「身近な風習の秘密を解き明かす」本書、入門と題するだけあってかなーりサラッとしてます
サラサラすぎて物足りない
民俗学者としての(いつから?)わいのステージはもちょっと上だったようです
中でも気になったのは、60歳のお祝いを還暦、70歳のお祝いを古希って言いますよね
喜寿、米寿と続く -
Posted by ブクログ
序章の概説でしっかり眺め渡した上で、第1部以降、知識を現代にアップデートしていく。
確かに「俗」=ヴァナキュラーと置き換えて理解することで、ぐっと裾野が広がる。
田舎の昔話だけが対象ではなくなるのだ。
西日本の事例が多いのも嬉しい。
岸政彦・編「東京の生活史」も隣接しているのではないか。
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《目次》
序章 ヴァナキュラーとは〈俗〉である
1 私と民俗学
お祈り癖/ごみ収集車の調査/死が怖い/民俗学と出会う/沖縄に行く/韓国で暮らす/日本での研究
2 民俗学とはどのような学問か?
民俗学はドイツで生まれた/対覇権主義の学問/日本の民俗学
3 ヴァナキュラー
ヴァナキュラーとは?/フォークロ -
Posted by ブクログ
民俗学を古くさいイメージから解き放つ、という著者の試みは成功しているだろうと思う。ただその試みに終始した感は否めない。
構成としても、民俗学を取り巻く現状を述べた序章を除く1〜7章すべてが身の回りの民俗学的事例(=「ヴァナキュラー」)のエピソード的紹介に割かれ、そこから導かれる考察や分析は簡潔なものにとどまる。
一つ一つの事例が興味深くはあるため読み進める苦労は少ないが、読み終えたところで雑学がいくつか増えたかな、と思えるだけというのが正直な感想である。
と、読み進める間はここまで述べたような批判的な見方をしていたが、「おわりに」の著者の記述にハッとさせられた。曰く、民俗学は『在野の学問』 -
Posted by ブクログ
民俗学というと、農山漁村に古くから伝わる民間伝承や口頭伝承を研究する学問だと思われていることが多い。
だが、本書では、現在の民俗学はそのようなものでなく、もっと広くて現実的な世界があると論じる。
著者によると民俗学の概念は①支配権力になじまない②啓蒙主義的な合理性では割りきれない③「普遍」、「主流」、「中心」とされる立場にはなじまない等の要素を持つ。
柳田國男の「遠野物語」の冒頭に「願わくはこれを語りて平地人を戦慄せしめよ」という言葉が出てくる。著者は、この言葉で「普遍」、「覇権」、「主流」といった立場から啓蒙主義的に「非合理的なもの」として切り捨てられる世界(遠野地方)の存在を「平地人(啓蒙