『エチュード春一番 第一曲子犬のプレリュード』(萩原規子)がキッカケで読む事になった『みんなの民俗学』(島村恭則)。
というのも、主人公が日本民俗学研究会に所属してる設定を読んで、
私も大学で学んでいたし、初心に戻ろうと思ったためです。
私は在学時、民俗学を「過去の口頭伝承を探る学問」として捉
...続きを読むえていたけど…
本書を読んで〈俗〉の定義をまるでわかってなかった事を知りました。ハズカシ。
以下抜粋です。
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❶民俗学は、18世紀のフランスを中心とする啓蒙主義や、19世紀初頭にヨーロッパ支配をめざしたナポレオンの覇権主義に対抗するかたちで、ドイツのヘルダー、グリム兄弟によって土台がつくられた。そしてその後、世界各地に拡散し、それぞれの地域において独自に発展した学問である。
❷〈俗〉とは、
①支配的権力になじまないもの
②啓蒙主義的な合理性では必ずしも割り切れないもの
③「普遍」「主流」「中心」とされる立場にはなじまないもの
④(支配的権力、啓蒙主義的合理性、普遍主義、主流・中心意識を成立基盤として構築される)公式的な制度からは距離があるもの
のいずれか、もしくはその組み合わせのことである。
さて、この〈俗〉を、現代のアメリカ民俗学では、ヴァナキュラー(vernacular)と呼んでいる。
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〈普通〉を押し付けてくる輩はどこでもいらっしゃいますが、
「私にはこれが〈普通〉なのだ」という事はいくらでもあるもの。
それを証明するための学問のように思えてきたな。
まぁ、そんなシビアな内容だけではなく、
「えっ、〇〇ってこう思ってたけど、こんな一面もあってこんなルーツなんだ」という事を知れる面を、
本書は興味深く知れるものでもあるので、
肩の力を抜いて読める一冊でありました。
それまでは「昔話の神秘的な感じを知れて面白い」っていう事ぐらいしか捉えてなかったなぁー。
面白かった。
今回はいろんな物事の過去から今に至るまでにどんな事があったのかを知るものだったので、
次は【今】そして【これから】に関する事を読もうかな。