島村恭則のレビュー一覧

  • みんなの民俗学
    「ヴァナキュラー」をキーワードにして、民俗学の現在を紹介したたいへんにおもしろい本である。
    わたしたちがふだん何気なくしているいかにも身近なところにも、ヴァナキュラーな事象は見出すことができるのである。
  • みんなの民俗学
    民俗学と聞くと、たいていは柳田國男氏に
    代表される農村漁村に古くから伝わる民間
    伝承(妖怪、昔話、伝説、祭り、など)を
    思い浮かべる人が多いと思います。

    この本では最初に民俗学を定義しています。
    それは「俗」というものの定義でもありま
    す。

    ①支配的権力になじまないもの
    ②啓蒙主義的な合理性では...続きを読む
  • みんなの民俗学
    NHKラジオ深夜便
    「あなたの身近な民俗学」

    民俗学って「田舎に古くから伝えられている」感じだけど 座敷わらしみたいな
    でも現代の身近な風習を探ることも民俗学らしい
    この研究室すごそう笑
    学生たちのレポートが面白い 根気強い調査が必要だろうけど

    「家庭の中のヴァナキュラー」
    お母さんが創り出し...続きを読む
  • みんなの民俗学
    民俗学って聞くと、「古い伝統の残ってる地域に行って、その地に伝わっている伝承とか儀式とかお祭りとかを聞き取る」っていうイメージがあったんだけど、現代の都市とかネット社会で起きていることも調査の対象となるんだと知った。

    現代の民俗学が扱う対象は「ヴァナキュラー」と呼ばれていて、これは①支配的権力にな...続きを読む
  • みんなの民俗学
    民俗学にめちゃくちゃ興味出てきました。実話怪談とフォークロア、ネットロアに興味があるんですが、フォークロアが今はヴァナキュラーという名前になっているのもなるほどでした。自分の家やまわり近所とかだけにあるヴァナキュラー探すのも楽しそうです。うちは危険を先に越えていくというので出掛けるときに包丁を玄関扉...続きを読む
  • 創元ビジュアル教養+α 現代民俗学入門 身近な風習の秘密を解き明かす
    民俗学と聞くと「妖怪のこと?」というイメージがあるかもしれない。この本はそんなイメージを持った人にこそ読んで欲しい。日常の様々な慣習に民俗学のスタート地点がある。イラスト付きでとても分かりやすくブックガイドとしても秀逸です。特に『会社じんるい学』は気になる。
  • みんなの民俗学
    『エチュード春一番 第一曲子犬のプレリュード』(萩原規子)がキッカケで読む事になった『みんなの民俗学』(島村恭則)。

    というのも、主人公が日本民俗学研究会に所属してる設定を読んで、

    私も大学で学んでいたし、初心に戻ろうと思ったためです。

    私は在学時、民俗学を「過去の口頭伝承を探る学問」として捉...続きを読む
  • みんなの民俗学
    <民俗学>
    民族学の入門書は、地方の伝統をカタログ的に並べた本が多い印象がある。「で、民俗学って何なの?」というモヤモヤが解消されないままだったが、おぼろげながら本書の説明で輪郭を掴めたような気がする。
    啓蒙主義に対するカウンターであり、合理性に対する非合理的な営みとして民間に伝承された伝統を再評価...続きを読む
  • みんなの民俗学
    わかりやすい表現で書かれており、民俗学に興味はあるけれど基礎がない人や専門書に抵抗のある人にも読みやすい。
    以前日本民俗学の課題を読んだ時、本の内容そのものは面白く読めたが、同時に基礎的な知識をある程度持ってないと充分にその内容を吸収できないと感じた。
    本書はそんな自分に丁度良い、取っ掛かりとなる本...続きを読む
  • 創元ビジュアル教養+α 現代民俗学入門 身近な風習の秘密を解き明かす
    「民俗学」とは人々(=民)について〈俗〉の視点で研究する学問
    で、〈俗〉とは①支配的権力になじまないもの②近代的な合理主義では必ずしも割り切れないもの③「普遍」「主流」「中心」とされる立場にはなじまないもの④公式的な制度からは距離があるもの、などを指すそう

    なるほど、土瓶さんは〈俗〉に分類されるわ...続きを読む
  • 創元ビジュアル教養+α 現代民俗学入門 身近な風習の秘密を解き明かす
    イラスト多めで分かりやすく、トピックごとに関連書籍が紹介されてるのもありがたい

    東日本と西日本で骨壷のサイズが違うのは知らなかった
  • みんなの民俗学
    民俗学とは何かをやさしく解説した本。古い習慣や伝説だけでなく、新しいものや都会的なものでも、色々な「俗=ヴァナキュラー」が研究対象になる。家庭や学校、職場での身近なヴァナキュラー、喫茶店のモーニングやB級グルメ、パワースポットまで、事例が豊富で分かりやすい。あと遠野物語の「願はくは之を語りて平地人を...続きを読む
  • みんなの民俗学
    序章の概説でしっかり眺め渡した上で、第1部以降、知識を現代にアップデートしていく。
    確かに「俗」=ヴァナキュラーと置き換えて理解することで、ぐっと裾野が広がる。
    田舎の昔話だけが対象ではなくなるのだ。
    西日本の事例が多いのも嬉しい。
    岸政彦・編「東京の生活史」も隣接しているのではないか。



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  • みんなの民俗学
    民俗学の俗に焦点を当て、ヴァナキュラーという。とても分かりやすい入門書。
    関学キャンパスやモーニング、B級グルメなどあらゆるところにヴァナキュラーがある。身近な例で興味深く面白かった。
    支配権力になじまないもの、啓蒙主義的な合理性でないもの、普遍主流でないもの、公式的な制度から距離があるもの、そうい...続きを読む
  • みんなの民俗学
    民俗の定義のところ、面白く読ませていただきました。
    民俗とは何か、民俗学が何を明らかにしようとする研究領域なのか、民俗学に関する書籍を読めば読むほどつかみどころがなくなる、という感じは読後もやはり払拭できませんでしたが。
  • みんなの民俗学
    民俗学を古くさいイメージから解き放つ、という著者の試みは成功しているだろうと思う。ただその試みに終始した感は否めない。

    構成としても、民俗学を取り巻く現状を述べた序章を除く1〜7章すべてが身の回りの民俗学的事例(=「ヴァナキュラー」)のエピソード的紹介に割かれ、そこから導かれる考察や分析は簡潔なも...続きを読む
  • みんなの民俗学
    民俗学というと、農山漁村に古くから伝わる民間伝承や口頭伝承を研究する学問だと思われていることが多い。
    だが、本書では、現在の民俗学はそのようなものでなく、もっと広くて現実的な世界があると論じる。
    著者によると民俗学の概念は①支配権力になじまない②啓蒙主義的な合理性では割りきれない③「普遍」、「主流」...続きを読む