レベッカ・ヘンダーソンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
これまで日本企業は欧米発の経営思想や主義を盲目的に輸入して消化・導入しようとしてきました。その最たる例が、株主価値最大化を目的にした経営であり、日本の経営学者やコンサルタントは、ステークホルダー経営ではなくROE(株主資本)最大化をいかにして実践するかについてここ20年間ほど喧伝してきたわけです。その背後には、欧米発の思想を無批判に優れていると考える「知識層」の風潮があったのかもしれません。
翻って米国では、2019年にビジネス界の重要団体であるビジネス・ラウンドテーブルが、企業は「株主価値最大化」ではなく「ステークホルダー重視経営」に舵を切るべきだと述べて大きなニュースになりました。本書の -
ジャレド・ダイアモンド / ブランコ・ミラノヴィッチ / ケイト・レイワース / トーマス・セドラチェク / レベッカ・ヘンダーソン / ミノーシュ・シャフィク / アンドリュー・マカフィー / ジェイソン・W・ムーア / 大野和基3.5 (4)
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ジャレド・ダイアモンド / ブランコ・ミラノヴィッチ / ケイト・レイワース / トーマス・セドラチェク / レベッカ・ヘンダーソン / ミノーシュ・シャフィク / アンドリュー・マカフィー / ジェイソン・W・ムーア / 大野和基3.5 (4)
Posted by ブクログ
資本主義に対して各識者が色々な主張をしているが、中には反対するような論説もありそれぞれが論理だっているので難しい問題なのだと再認識。脱物質化で環境問題にも対応できると言っているアンドリューマカフィー氏の章だけハテナがたくさんあった。人類が利用している資源量は近年になって減ってきているという主張だが、そもそもが採りすぎですでに環境破壊が相当進んでいるのに、どれほど利用資源量が減ってるからOKと言えるのだろうか?さすがに今までと同じ経済活動で良いとは言えないと思ったが、本を読んでみたい。
原発問題は「化石燃料に比べればマシ」という一方、「長期的なリスクあるからダメ」というところで、やはり政治的な決 -
Posted by ブクログ
■資本主義は効率的な経済を創造し、人類に豊かさをもたらした。
■今、その資本主義の行き過ぎが指摘されている。気候変動も、患者の足元を見て薬の価格をべらぼうに値上げをする輩の存在も、その帰結だ。
■その主因は、ミルトン・フリードマンの「企業の唯一の社会的責任は、その資源を活用して、利益を増やす活動に従事することである」という考え方である。
■本の題名は、資本主義の行き過ぎをどう修正、再構築するか、という意味である。
■内容としては理想的だ。でも、共有価値の創造、目的・存在意義(パーパス)主導型の組織など、今流行のキーワードが出てくる。しかも、その事例も記載している。これに興味のある人は一読の価値 -
Posted by ブクログ
株式会社に属する中で、株主利益の最大化を命題とする働き方に違和感を覚え、担当レベルの一社員として何ができるのか勉強したいと手にとった本。日本の大企業はすでに重要性はわかっていつつも実践に落とせてないことが書かれているなあという印象。主張には同意。
目的主導型事業が利益を生み生産性をあげる、企業だけの頑張りでは不足だが民間セクタへの期待値は大きい等の主張がふんだんな事例をもって約300ページ説明されている。
急いで要点だけ把握したい私にとっては、途中で何の話がしたいのかわからないほど事例紹介が多かったので星4だが、経営者にとっては事例から学ぶものが多いと思う。 -
ジャレド・ダイアモンド / ブランコ・ミラノヴィッチ / ケイト・レイワース / トーマス・セドラチェク / レベッカ・ヘンダーソン / ミノーシュ・シャフィク / アンドリュー・マカフィー / ジェイソン・W・ムーア / 大野和基3.5 (4)
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知者が未来を語る本。新型コロナに関しては、後知恵でコメントを見てしまうので役に立たないが、パンデミックは新型コロナだけではなく、今後も起こり得るだろうなと思い起こしたり。それと、基本的には、各識者の著書をベースとした主張概論のためダイアモンドやセドラチェクなどは既に慣れた内容。ケイト・レイワースのドーナツ経済学は初見ながら、既存の概念を上手く例えただけ、という気がする。
ー 私が感じるフラストレーションの一つは、我々は自分の直感に決断を導かせることがあまりにも多いということです。ここで明言しますが、直感的なレベルで言うと私は原子力発電を怖いと思います。確かに一九七九年にスリーマイル島原子力発 -
ジャレド・ダイアモンド / ブランコ・ミラノヴィッチ / ケイト・レイワース / トーマス・セドラチェク / レベッカ・ヘンダーソン / ミノーシュ・シャフィク / アンドリュー・マカフィー / ジェイソン・W・ムーア / 大野和基3.5 (4)
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに
第1章ジャレド・ダイアモンドいま人類が直面する危機
第2章ブランコ・ミラノビッチ2つの資本主義が世界を覆う
第3章ケイト・レオワース世界中の人をドーナツの中に入れる
第4章トーマス・セドラチェック倫理と経済、どちらが先か
第5章レバッカ・ヘンダーソン資本主義を再構築する
第6章ミノーシュ・シャフィク社会契約をつくり出す
第7章アンドリュー・マカフィー資本主義は脱炭素化する
第8章ジェイソン・ムーア生命の網のなかの資本主義
あとがき
機関紙”kotoba”(集英社)の2021冬~2022秋まで8回
のインタビュー記事の完全版。大野氏のインタビュー。