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〇資本主義は歴史上、最も成功した経済システムです。だが、いまやそれが、資本主義そのもの、そして世界を破壊する危機に直面しています。大規模な環境破壊、経済格差、信頼できる社会的な仕組みの崩壊という現代社会の大問題の解決のために、企業や個人はどのような役割を果たせるのか。
〇著者は、株主価値最大化のみを追求することそのものが問題を生み出していると指摘、共有価値の創造、共通の価値観に根差した目的・存在意義(パーパス)主導によるマネジメント、会計・金融・投資の仕組みの変革、個々の企業の枠を越えた業界横断的な自主規制、政府や国との協力が必要不可欠であることを説き、こうした行動には企業に利益をもたらす経済合理性があることを明らかにします。また、政府と市場は互いを必要とし、企業は民主的で自由な社会を支える包摂的な仕組みを強化するために積極的な役割を果たすべきだと提唱します。
〇15年にわたり強い危機感をもって問題解決に取り組んできた著者が、資本主義を創り直すための体系的な枠組みを提示します。
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Posted by ブクログ
これまで日本企業は欧米発の経営思想や主義を盲目的に輸入して消化・導入しようとしてきました。その最たる例が、株主価値最大化を目的にした経営であり、日本の経営学者やコンサルタントは、ステークホルダー経営ではなくROE(株主資本)最大化をいかにして実践するかについてここ20年間ほど喧伝してきたわけです。その背後には、欧米発の思想を無批判に優れていると考える「知識層」の風潮があったのかもしれません。
翻って米国では、2019年にビジネス界の重要団体であるビジネス・ラウンドテーブルが、企業は「株主価値最大化」ではなく「ステークホルダー重視経営」に舵を切るべきだと述べて大きなニュースになりました。本書の著者であるヘンダーソン氏も同様の主張をずいぶん前から展開してきた方で、最初はあまり見向きもされていなかったのかもしれませんが、ようやく彼女の主張が大きく世界で取り上げられるようになったのだと思います。著者は資本主義自体を終わらせようとは考えていません。本書を読むとわかるように、きわめてバランスの取れた主張が多く、悪く言えば中途半端という印象もありますが、黄金律(アリストテレス)としての中庸を重視されていると感じました。そして本書のなかには日本企業の事例もいくつか登場するように、彼女は「資本主義の再構築」にあたって日本的な価値観を重視しています。従業員を価値創造の重要なプレイヤーとしてみなすこと、社会にとって良いことをしなければ両親、祖父母に顔向けできない、あるいは次世代の人類(子孫)によりよい社会を提供する義務がある、というような感覚です。本書の最後に、著者は仏教徒であることが書かれていましたが、このあたりも著者の主張内容に影響を及ぼしているのかもしれません。
人口が70億人を超えて、地球の資源制約に直面している人類にとっては、GDP(あるいは財務指標のルールで計算される利益)を最大化することが社会の目標であってはなりません。そしてもう1つ重要なのは、資本主義自体が問題なのではなく、資本主義が向かっている方向を変えよということなのです。もう少し言えば、異なる経済社会指標(そこには社会価値や地球環境などへの影響も考慮されている)が近いうちに導入されるであろうこと、それに準拠できない企業は淘汰されるわけですが、実は日本企業にとってはチャンスでもあり、世界に範を示すチャンスではないかとも本書を読んで感じました。
Posted by ブクログ
■資本主義は効率的な経済を創造し、人類に豊かさをもたらした。
■今、その資本主義の行き過ぎが指摘されている。気候変動も、患者の足元を見て薬の価格をべらぼうに値上げをする輩の存在も、その帰結だ。
■その主因は、ミルトン・フリードマンの「企業の唯一の社会的責任は、その資源を活用して、利益を増やす活動に従事することである」という考え方である。
■本の題名は、資本主義の行き過ぎをどう修正、再構築するか、という意味である。
■内容としては理想的だ。でも、共有価値の創造、目的・存在意義(パーパス)主導型の組織など、今流行のキーワードが出てくる。しかも、その事例も記載している。これに興味のある人は一読の価値があるだろう。
■全般に読みにくいと感じた。最後の最後で、とても読みやすいところがあって星4つ。
Posted by ブクログ
株式会社に属する中で、株主利益の最大化を命題とする働き方に違和感を覚え、担当レベルの一社員として何ができるのか勉強したいと手にとった本。日本の大企業はすでに重要性はわかっていつつも実践に落とせてないことが書かれているなあという印象。主張には同意。
目的主導型事業が利益を生み生産性をあげる、企業だけの頑張りでは不足だが民間セクタへの期待値は大きい等の主張がふんだんな事例をもって約300ページ説明されている。
急いで要点だけ把握したい私にとっては、途中で何の話がしたいのかわからないほど事例紹介が多かったので星4だが、経営者にとっては事例から学ぶものが多いと思う。
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ビジネス・実用
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