千正康裕のレビュー一覧

  • ブラック霞が関(新潮新書)

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    元厚労官僚による著者による、ブラックな霞が関の現状について書いた本。霞が関で働いた経験のある人にとっては特に真新しいことは書かれていないが、2019年9月まで20年弱厚労省で働いた筆者の主張には説得力があり、こういった霞が関の状況について書かれた本が少ない現状において非常に画期的。厚労省ならではのやりがいや困難も記されており興味深かった。

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    2021年01月01日
  • ブラック霞が関(新潮新書)

    購入済み

    意外にポジティブ

    タイトルからもっとネガティブな告発系の内容を想像していたが、著者の前向きな姿勢に惹かれるものがあった。
    もともと実名でブログも書いていたようだが、やはりこういう形で出版するのは退官した後でないと厳しいものがあるだろう。
    役所が時代遅れの古い体質ということはわかっていたが、あらためてどのような働き方をしているかを文字で読むと驚きを通り越してあきれてしまう内容。
    背景には、新しいものを受け入れられない上位層、政治家や幹部職があるようだが、これは変われないダメな組織の典型例と感じた。
    当然、離職も増えるし、就職者も減少する。
    サービス残業とハラスメントが横行する昭和職場に好んでくる若者などごく少数。

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    2020年12月27日
  • ブラック霞が関(新潮新書)

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    ◯色々な本やネットを見ても、国家公務員は大変だ大変だとしか書かれていない中、具体的に何をやっているのかを示しながら、大変さの本質を開示していこうという姿勢が見られる一冊。とても面白かった。
    ◯どう面白いのかと言えば、おそらく霞が関でしか使われないであろう専門用語や、一般には不可解ですらある形式主義を事細かに紹介している点。改善しようにも大企業病よろしく、直せないのだろうなと感じさせる。
    ◯解決策の具体性、とりわけ国会議員にも提言している点も特徴的。議員と公務員の関係性が一般には見えにくいため、どのように扱われているのかが大変わかりやすく、議員という性質上根深い問題が抉り出されている。国ごとの政

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    2020年12月22日
  • ブラック霞が関(新潮新書)

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    面白かったけど、24時間土日なく働ける人を、「エリート」と評価しちゃダメで、むしろ弊害だよね。平日の夜も土日も、子どもの面倒見たり家事したり、仕事したくてもできません。

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    2020年11月29日
  • ブラック霞が関(新潮新書)

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    慶應(同じ!)出身の元厚労省、現在は起業した異色官僚の方が書いた本です
    この本にも書いてありますが、彼は現役官僚の時から自分の仕事をブログなどで発信したり、積極的に現場を見に行くなど、いい意味でステレオタイプの"官僚的"な人とは一線を画した方です。

    肝心の中身についてですが、彼のTwitterなどのSNSをより濃くしたって感じです。
    彼が今もSNSで発信している、"官僚の働き方改革"、たしかに現在の官僚の働き方は非人道的ですし働き方改革をすべきだとは思います(民間の働き方改革の旗振り役である厚労省が不夜城状態ですし)。
    ただし、そもそも官僚は東大法学部

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    2020年11月18日
  • ブラック霞が関(新潮新書)

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    このテーマの本として、今まで読んできた中で、一番まとまっていて、問題の構造化や対策の方向性についての提言などが、最もクリアだと感じた。特に、女性、高齢者も等しく働くことのできる社会を追求する上で、今のままでは、組織として体をなさず、期待される役割や使命を果たすこともできなくなる、というのが重い。短時間勤務も、本人にやる気があるのなら(ある程度の)長時間勤務もあってもいいが、無定量無制限の呪いをなかなか拭うことのできない官僚の仕事では、独身・男・中堅に超過度の負担がかかるだけだ。ダイバーシティの議論では、この組織としてのマネジメント困難が論じられることが少ないので気になっていたところである。きち

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    2020年11月18日
  • ブラック霞が関(新潮新書)

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    国の機関である厚生労働省がブラックであるとどのようなことが起きるのだろうか?若手が減り、仕事が回らなくなり、政策が行き渡らないなど多くの支障が生まれてしまう。みんなにも考えてほしい。もし自分たちが病気になった時に救急車がすぐに来なかったりだとか適切な治療ができなかったらどうだろうか?救える命が救えなくなってしまいさらに社会が混乱に陥る。だから、まず国を変えていく前に国の機関の労働環境を整えていく必要が大いにあると感じた。

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    2025年04月24日
  • 官邸は今日も間違える(新潮新書)

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    小泉政権以降、日本の政治・政策決定は、「政治主導」「官邸主導」の方向に変化したと言われているが、それには一長一短がある。筆者は、2001年から2019年まで厚生労働省に勤務していたキャリア官僚であり、その一長一短を、自身の経験を踏まえて本書で記している。
    一長一短の「一短」の方で言えば、まずは内閣の支持率至上主義ということがあげられる。これにより、人気取りのための政策が、根回しや実現可能性の詰めなしに行われる。例えば「アベノマスク」がこれにあたるだろうが、実際には、「人気取りにもならず」「迅速には実行できず」「高コストの形で」1人2枚の使いにくいマスクが配布されてしまい、配布された時点ではマス

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    2025年02月18日
  • 官邸は今日も間違える(新潮新書)

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    官僚の人たちは高学歴が多く、難しい長文が苦にならないし、理解できる。
    しかも怒られることを嫌うから完璧な文章を作る。
    だから彼らが作る書類は難解になる。

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    2022年12月10日
  • 官邸は今日も間違える(新潮新書)

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    日経書評で「日本のコロナ対策を検証」した3冊のうちの1冊として紹介されていた本。

    タイトルが、そのとおりだよね、と。
    オビの「バラマキ給付、アベノマスク、接触アプリ、GoToトラベル、欲しかったのは、これじゃない!」ってフレーズ、まさしくそのとおり!
    じゃあ、なんでそうなっちゃったの?ということを論じた本。

    政策の意思決定は、小泉劇場型政治などを経て、官僚主導から官邸主導へと変わってきている。政策は大きく早く動くようなった。
    特に国民の注目度の高い政策は、①権力の集中した官邸が、②国民の人気を気にして、③少数の人間で急いで決めるようになった。

    政治は、小選挙区制導入などで「支持率至上主義

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    2022年03月27日
  • ブラック霞が関(新潮新書)

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    官僚に人が減り、辞める人が増えているという。国のために働きたいと高い志で入ったが実情は真っ黒。まずは自分達の「働き方改革」からだろう。

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    2022年03月11日
  • ブラック霞が関(新潮新書)

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    ●タイトル負けしている。もっとどぎつい中身を期待していた。前にあった霞ヶ関残酷物語みたいな…
    ●せっかく中にいたのだから、もうちょっとぶっちゃけて欲しかった…
    ●全体的に役人らしく長ったらしいし、やけに優等生的内容も気になった。この内容ならばタイトルはやりすぎだし、もっと削れる部分が多い。
    ●まあ著者のアピールもしないとだから仕方がないのは理解するが…

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    2022年03月06日
  • ブラック霞が関(新潮新書)

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    霞ヶ関がこんなにもブラックだったとは。
    著者の写真に胡散臭さを感じたが、読んでみると、政治と行政の有り様についてよく考えているなと感心する。

    ・「年金ほど将来の少子高齢化の見通しを先取りした上で財政的な裏付けを含め設計しているのはない。医療や介護の方が危ない。」という指摘には正直びっくりした。

    ・「役所の広報が分かりにくいのは徴税権に甘えているせい、片手間に考えているせい」という指摘にはうなずける。

    ・政策の中身とともに税金で飯を食っている国会議員と官僚に「くだらない仕事に時間を使うな」と声を上げて。
    ・官僚たちの日々も「与野党のケンカを支える」から「国民のための政策を考える」に変わって

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    2021年05月05日
  • ブラック霞が関(新潮新書)

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    業務改革・定員増要求の一本足打法でがんがんバットを振り回し、自打球骨折になるのではないか、どのような出口戦略を見据えているのか、いつも懸念。
    いずれにせよ、たとえば、最後の提言案の中の「民間とのパートナーシップ」について、問題意識は共通したものを持っていた。
    今後も深く考えていきたい。

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    2020年12月14日