千葉ともこのレビュー一覧

  • 火輪の翼
    これは面白かったと言っていいのか…とても考えさせられることが多く環境や境遇…時代が人を変えていくというのをまざまざと思い知らされたような気がした。
    個人的には笑星と朝義が笑って暮らしているエンディングだと嬉しいなぁ〜と思っていたけど…。
    最初は嫌なキャラだと思っていた登場人物も読み終わった時には嫌じ...続きを読む
  • 震雷の人
    舞台は中国唐の時代、政治の中心は楊貴妃の一族が台頭するなか、節度使の安禄山の勢力が対立し叛乱を起こす、世に言う【安史の乱】が物語の背景にある。

    ・安禄山は平家物語の冒頭にも遠い国で叛乱を起こした人の一人として挙げられている。
    ・安史の乱は安禄山とその部下の史思明が起こした叛乱とされている。

    その...続きを読む
  • 火輪の翼
    安禄山の変と呼ばれる安史の乱。

    巻き込まれてしまった民の姿を描いた作品もこちらで終わりなのです。(もちろん、一冊ずつ読んで問題なし)

    今回は乱を起こした安禄山の息子たちの物語。そして、史朝義と彼の幼馴染であり力者(力士)の呉笑星の物語です。

    私たちが知る歴史は本当にわずかで楊貴妃、長恨歌くらい...続きを読む
  • 戴天
    読み進めるのに、これ程つらい作品は久しぶりだった。感情移入していた登場人物は、次々に死んでいくし、主人公と周りの人々には、これでもか、というくらいに過酷な運命が降りかかるし、この作者は鬼か?と思った。何度、途中で読むのを止めようかと思ったけど、壮絶に面白いので止められず、その葛藤に悶絶しながら読み続...続きを読む
  • 震雷の人
    大河歴史小説。安禄山の乱は全く知らない身でしたがとても面白かった!
    敵も味方も一筋縄ではいかない人間臭さがあります。

    ページをめくったとき、采春、の2文字が目に飛び込んできたときのワクワク感といったら!
  • 震雷の人
    時間潰しに、たまたま入った本屋で手に取ったものだったのに、こんな凄い物語に行き当たるなんて、まさに、宝くじに当たったような気分だ。それも、僕より20歳以上も若い女性が書いたとは、驚きだ!
  • 震雷の人
    松本清張賞受賞。唐の時代に起きた安史の乱を題材に、兄妹と妹の婚約者の文官との出会いが大いなるうねりを生むことに。歴史大河ドラマとしても骨太で、争いの凄惨さに心が痛い。今も世界で起きる戦争、内紛、その他大なり小なりの争いで多くの人が死んでいる。新型コロナからの戦争、嫌な流れを止めることは、この世界で生...続きを読む
  • 震雷の人
     実は文庫化する前の単行本が積読になってまして。

     しかし文庫版を読み始めたら止まらなくて一気読み。

     この時代に生きている人々の切ない苦しい戦火の中で生き様は胸を打つ物語でした。
  • 火輪の翼
    デビュー作の『震雷の人』、2作目の『戴天』と、安史の乱を背景にした“戦国時代を生きる人々”を描いてきた千葉さんの3作目。本作も前2作の流れを受け、燕の建国から安史の乱の終結までが描かれる。
    主人公となるのは、角抵(すもう)の英雄を父に持つ呉笑星。女性でありながら父の率いる朱鳥団に席を置く力者(力士)...続きを読む
  • 震雷の人
    予想通り、面白かった。多少展開に疑問な点がないわけでもないが(特に中盤辺り)、デビュー作にしてここまで書けるのは凄い。『戴天』も楽しみ。

    「永」の字や顔真卿など、千葉さんは書道にも造詣が深いのかな。「祭姪文稿」、感情を込めて書いてみたくなった。
  • 火輪の翼
    戦争を始めるのは簡単でも終わらせるのはそうはいかないって、わかっていても理解できない
    人々が殲滅して建物を破壊尽くすまで終わらない?
    落としどころを探して、遺恨を残さない引き際を考える
    人の上に立つものとして力量というか、それでこそついて行ける君主であるのだろう
    3作目になるが、装画がイマジネーショ...続きを読む