千葉ともこのレビュー一覧

  • 火輪の翼

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    ネタバレ

    良かった。
    笑星と星羅が再会するところでまだまだ幼子の「母上」の言葉は切なかった。
    親子の絆 夫婦愛が感じられ、後半はウルッとくるところも多かった。
    史朝義の笑星を真っすぐに想うところも良かった。史朝義格好良かった。

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    2025年05月23日
  • 震雷の人

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    面白い。文章もいい。スピード感が心地よい。ストーリーも半分以上知っているはずが、それでも引き込まれる。
    震雷の人とは、文字によって人を動かす人のこと。この本でその筆頭は顔季明だ。顔真卿の甥。そうあの「祭姪文稿」の宛先ではないか。最後の最後を読むまで気づいていなかった。不覚。あの人の魂を揺さぶる書はこういう場面で、こういう人に対して書かれたものであった。それにしても季明は、作者の想像の人物造形だろう。素晴らしい。でも惜しい。本書の半分で死んでしまうとは。
    ただこの本にはあと何人も面白い人物が続くのだ。最後まで一気読み。

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    2024年11月27日
  • 震雷の人

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    中国唐代の安史の乱を舞台にした武侠小説。
    地方の軍隊長の兄と武芸に秀でた妹、文官を目指す青年、三人の怒涛の物語。運命という濁流に飲み込まれるも流されず、悪い流れに抗い、己が道を見つけ出し進んでいく。
    とてつもない面白さ。采春(妹)のカッコ良さに痺れる!

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    2024年09月09日
  • 火輪の翼

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    今回も緻密に練られた、とても素晴らしい作品。伏線回収もとても良い。

    己を犠牲にしてまで他者を守ろうとする姿には、涙を禁じ得ない。しかし、きちんと救いもある。
    千葉さん、素敵っ!

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    2024年08月12日
  • 火輪の翼

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    安史の乱をベースにした千葉ともこさんの3部作をついに読み切ってしまいました。
    今回は安将軍側のストーリーでした。

    女性の力士ってこの時代にもいたんですね。
    主人公の笑星は最初は戦の過酷さ、ひどい環境でも生き抜く強さを全く知らない守られた存在でした。
    そこから福との出会いやその先に起こる出来事を通して成長していく姿に思わず応援したくなりました。
    朝儀の過去、そして笑星と出会ってからの日々、黒蛇への思いを考えてとても切なくなりました。
    そして安慶緒の理想とそれを引き継ぐ朝儀の関係にも涙…。

    戦争ってすべてを壊しますね。
    3部作ともシリアスな展開の中に暖かい人同士のやり取りがあってとても読み応え

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    2024年05月20日
  • 火輪の翼

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     震雷の人、戴天に続く、安史の乱3部作。燕国側からの視点で、安禄山や史思明の子どもたちが乱を終わらせて平和を取り戻そうともがく。そして、例によって意外な展開が次々に。

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    2025年12月07日
  • 震雷の人

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     「たたいていい」と思った相手を意地悪く叩き、「殺していい」と思った相手は残虐に虐殺する。秩序が乱れると、人の嫌な面が露わになる。しかし、そんな「嫌な流れ」に抗い、正しいと信じた道を進む、または何を信じるべきかを模索する人々に救われたように思う。

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    2025年12月07日
  • 戴天

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     中国史が好きな人にはお勧め。安史の乱を題材にした連作のうち2作目。1作目の存在すら知らずに読んだが、時代背景を共通にするだけのようで、十分に楽しめた。良い意味でも悪い意味でも、次々に裏切られる。テーマとしては、「個人の尊厳」と「社会の秩序」との矛盾、責任を取ろうとしない「責任者」という矛盾を描いている。

    0
    2025年12月07日
  • 火輪の翼

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    ネタバレ

    これは面白かったと言っていいのか…とても考えさせられることが多く環境や境遇…時代が人を変えていくというのをまざまざと思い知らされたような気がした。
    個人的には笑星と朝義が笑って暮らしているエンディングだと嬉しいなぁ〜と思っていたけど…。
    最初は嫌なキャラだと思っていた登場人物も読み終わった時には嫌じゃなくなっていたりして…。
    今の世でも言えることは気持ちのすれ違いがないように相手に大事な気持ちを伝えるのは大切だと改めて思いました。

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    2024年04月12日
  • 震雷の人

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    舞台は中国唐の時代、政治の中心は楊貴妃の一族が台頭するなか、節度使の安禄山の勢力が対立し叛乱を起こす、世に言う【安史の乱】が物語の背景にある。

    ・安禄山は平家物語の冒頭にも遠い国で叛乱を起こした人の一人として挙げられている。
    ・安史の乱は安禄山とその部下の史思明が起こした叛乱とされている。

    その程度の知識しかありませんが本書を手にしました。


    物語の主人公達は【安史の乱】の中心にいた人達ではなく【安史の乱】の影響を受ける地方の人々の話です。

    主人公の張永は平原の武官、妹の張采春は危なっかしいけど そこそこの武術の達人、張采春の許嫁の顔季明は名家の御坊ちゃまではあるが芯があり文官を目指す

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    2024年03月31日
  • 火輪の翼

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    ネタバレ

    安禄山の変と呼ばれる安史の乱。

    巻き込まれてしまった民の姿を描いた作品もこちらで終わりなのです。(もちろん、一冊ずつ読んで問題なし)

    今回は乱を起こした安禄山の息子たちの物語。そして、史朝義と彼の幼馴染であり力者(力士)の呉笑星の物語です。

    私たちが知る歴史は本当にわずかで楊貴妃、長恨歌くらいでしょうか。
    ですが、戦が起きれば人々はかり出されて、戦へ行かなくてはならない。残された者たちに残るのは理不尽な飢えや死。

    阿倍仲麻呂が遣唐使として、唐に行っていた時期でもありますね。

    戦を始めるのは簡単、でも終わらせるのは苦難の道。
    それをしっかりと読ませていただきました。

    本当に、人間の歴

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    2024年03月22日
  • 戴天

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    読み進めるのに、これ程つらい作品は久しぶりだった。感情移入していた登場人物は、次々に死んでいくし、主人公と周りの人々には、これでもか、というくらいに過酷な運命が降りかかるし、この作者は鬼か?と思った。何度、途中で読むのを止めようかと思ったけど、壮絶に面白いので止められず、その葛藤に悶絶しながら読み続けてしまった。この作者は、どSだと思う。

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    2024年03月17日
  • 震雷の人

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    大河歴史小説。安禄山の乱は全く知らない身でしたがとても面白かった!
    敵も味方も一筋縄ではいかない人間臭さがあります。

    ページをめくったとき、采春、の2文字が目に飛び込んできたときのワクワク感といったら!女の子が魅力的!

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    2023年08月08日
  • 震雷の人

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    時間潰しに、たまたま入った本屋で手に取ったものだったのに、こんな凄い物語に行き当たるなんて、まさに、宝くじに当たったような気分だ。それも、僕より20歳以上も若い女性が書いたとは、驚きだ!

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    2023年02月21日
  • 震雷の人

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    めちゃくちゃ面白かった。久しぶりに読んだ中国歴史もの。唐の時代、安史の乱の庶民サイドから見た物語で先の展開が見えないのとたまに出てくる有名人におお~となりながらの一気読みでした。
    まず釆春がとにかくすごいです。あの時代で、女性で、規格外。女性でも己にまっすぐに生きていいんだと周囲にも勇気を与えてる気がする。
    そして全体を通してのテーマは、戦乱の時代において、書や言葉は意味がないように見えて実は一番力をもつ。「一字、震雷のごとし」
    感動しました。

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    2022年11月26日
  • 震雷の人

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    松本清張賞受賞。唐の時代に起きた安史の乱を題材に、兄妹と妹の婚約者の文官との出会いが大いなるうねりを生むことに。歴史大河ドラマとしても骨太で、争いの凄惨さに心が痛い。今も世界で起きる戦争、内紛、その他大なり小なりの争いで多くの人が死んでいる。新型コロナからの戦争、嫌な流れを止めることは、この世界で生きる者として何ができるのか考えていかなくてはならない。

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    2022年06月30日
  • 震雷の人

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    ネタバレ

     実は文庫化する前の単行本が積読になってまして。

     しかし文庫版を読み始めたら止まらなくて一気読み。

     この時代に生きている人々の切ない苦しい戦火の中で生き様は胸を打つ物語でした。

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    2022年06月21日
  • 戴天

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    正義とは何か、英雄とは何かを考えさせられる物語だった。皆それぞれの苦しみと憎しみを抱える中で、何が正しいか分からなくなって、読んでいて苦しかった。読めてよかった。

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    2025年11月22日
  • 震雷の人

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    教科書では1行で終わる反乱も、実際には沢山の犠牲があって、それぞれの人生があったんだと考えさせられた。
    この本を読むまでは安禄山、史思明、顔真卿の3人しか知らなかったけど、あえて最後まで史実に基づくのは誰か調べず読んだから、最後の1ページでへええ、となったし、そこに書かれてた作品もすぐ調べた。

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    2025年11月08日
  • 震雷の人

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    いやぁ〜!おもしろかった!
    安史の乱に巻き込まれた兄妹を描く、まるで大河ドラマをみているかのような作品…
    松本清張賞受賞作にしてこれがデビュー作
    私は中国の歴史には疎い
    安史の乱についても、巨漢のコスプレおやじの安禄山が部下の史思明と共に反乱を起こしというくらいの知識しかない…(変な知識だけはある…
    まぁとにかくそれでも十分に楽しめる作品!
    もちろん何言ってんのよ!中国史なら任せておいて〜っていう人なら100倍は楽しめるのは間違いない…
    しかしすごいよね!
    史実のなかに架空の人物があたかもそこに実在したかのように生き生きと描かれる
    歴史のしっかりした知識の上に人間ドラマがある!
    読者はそこから

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    2025年01月20日