あらすじ
期待の若手が描く圧巻、感動の中国歴史長編!
玄宗皇帝が政治を疎かにし国が乱れていた唐の時代、民を救うため安禄山と史思明が挙兵し、安史の乱が勃発する。だが戦は泥沼化し、国は疲弊する。絶大な人気を誇った力者の娘・呉笑星、史家の長男・史朝義、安家の次男・安慶緒は、命を賭して戦を終わらせようと誓うが――。胸熱の歴史エンターテインメント。
感情タグBEST3
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良かった。
笑星と星羅が再会するところでまだまだ幼子の「母上」の言葉は切なかった。
親子の絆 夫婦愛が感じられ、後半はウルッとくるところも多かった。
史朝義の笑星を真っすぐに想うところも良かった。史朝義格好良かった。
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今回も緻密に練られた、とても素晴らしい作品。伏線回収もとても良い。
己を犠牲にしてまで他者を守ろうとする姿には、涙を禁じ得ない。しかし、きちんと救いもある。
千葉さん、素敵っ!
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安史の乱をベースにした千葉ともこさんの3部作をついに読み切ってしまいました。
今回は安将軍側のストーリーでした。
女性の力士ってこの時代にもいたんですね。
主人公の笑星は最初は戦の過酷さ、ひどい環境でも生き抜く強さを全く知らない守られた存在でした。
そこから福との出会いやその先に起こる出来事を通して成長していく姿に思わず応援したくなりました。
朝儀の過去、そして笑星と出会ってからの日々、黒蛇への思いを考えてとても切なくなりました。
そして安慶緒の理想とそれを引き継ぐ朝儀の関係にも涙…。
戦争ってすべてを壊しますね。
3部作ともシリアスな展開の中に暖かい人同士のやり取りがあってとても読み応えがありました。
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震雷の人、戴天に続く、安史の乱3部作。燕国側からの視点で、安禄山や史思明の子どもたちが乱を終わらせて平和を取り戻そうともがく。そして、例によって意外な展開が次々に。
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これは面白かったと言っていいのか…とても考えさせられることが多く環境や境遇…時代が人を変えていくというのをまざまざと思い知らされたような気がした。
個人的には笑星と朝義が笑って暮らしているエンディングだと嬉しいなぁ〜と思っていたけど…。
最初は嫌なキャラだと思っていた登場人物も読み終わった時には嫌じゃなくなっていたりして…。
今の世でも言えることは気持ちのすれ違いがないように相手に大事な気持ちを伝えるのは大切だと改めて思いました。
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安禄山の変と呼ばれる安史の乱。
巻き込まれてしまった民の姿を描いた作品もこちらで終わりなのです。(もちろん、一冊ずつ読んで問題なし)
今回は乱を起こした安禄山の息子たちの物語。そして、史朝義と彼の幼馴染であり力者(力士)の呉笑星の物語です。
私たちが知る歴史は本当にわずかで楊貴妃、長恨歌くらいでしょうか。
ですが、戦が起きれば人々はかり出されて、戦へ行かなくてはならない。残された者たちに残るのは理不尽な飢えや死。
阿倍仲麻呂が遣唐使として、唐に行っていた時期でもありますね。
戦を始めるのは簡単、でも終わらせるのは苦難の道。
それをしっかりと読ませていただきました。
本当に、人間の歴史って戦争の歴史なんだなぁ(´;ω;`)
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久しぶりの千葉作品。中国舞台にした大河小説。読み応えある。安史の乱は教科書では安禄山は悪のイメージだったが…親殺し、子殺し。乱世とはいえ。日本に比べ、より残虐と感じるのは…。人の醜さ、優しさ、やりきれない。
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デビュー作の『震雷の人』、2作目の『戴天』と、安史の乱を背景にした“戦国時代を生きる人々”を描いてきた千葉さんの3作目。本作も前2作の流れを受け、燕の建国から安史の乱の終結までが描かれる。
主人公となるのは、角抵(すもう)の英雄を父に持つ呉笑星。女性でありながら父の率いる朱鳥団に席を置く力者(力士)だ。幼馴染みの史朝義と共に、唐を倒すための戦いに翻弄される。
この笑星のキャラが絶妙である。角抵の猛者たちに鍛えられた高度な戦闘技術と、男勝りの肉体を持ちながら、女性としての繊細さを併せ持つ。敵役である黒蛇もよかった。
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戦乱の世の中にありながら、戦争を終わらせるために命をかけた者の物語でした。最後に不遇であった弟が兄の思いを受け継いで戦争を終わらせた場面が良かったです。
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史実と歴史上の有名人の中に、虚構を巧妙に埋め込む。その手法は変わらない。安史の乱の3冊目。さすがに徐々にパワーが落ちてきた。
結局は史朝義とのその妻が主人公なのだということで話はすすんでいく。しかし表題が示しているのは実は別の人物。途中ではこの人物は余計ではないかと感じたのだが最後の最後に重要な役を演じる。そうきましたか。