千葉ともこのレビュー一覧

  • 火輪の翼

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    久しぶりの千葉作品。中国舞台にした大河小説。読み応えある。安史の乱は教科書では安禄山は悪のイメージだったが…親殺し、子殺し。乱世とはいえ。日本に比べ、より残虐と感じるのは…。人の醜さ、優しさ、やりきれない。

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    2024年07月27日
  • 火輪の翼

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    デビュー作の『震雷の人』、2作目の『戴天』と、安史の乱を背景にした“戦国時代を生きる人々”を描いてきた千葉さんの3作目。本作も前2作の流れを受け、燕の建国から安史の乱の終結までが描かれる。
    主人公となるのは、角抵(すもう)の英雄を父に持つ呉笑星。女性でありながら父の率いる朱鳥団に席を置く力者(力士)だ。幼馴染みの史朝義と共に、唐を倒すための戦いに翻弄される。
    この笑星のキャラが絶妙である。角抵の猛者たちに鍛えられた高度な戦闘技術と、男勝りの肉体を持ちながら、女性としての繊細さを併せ持つ。敵役である黒蛇もよかった。

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    2024年04月20日
  • 震雷の人

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    ☆4.0

    文庫化で大量に加筆修正しているらしいので、単行本より文庫で読むのがおすすめ。
    一つの石を投げ入れた波紋はただ消えるのみにあらず。
    その波紋に触れたものの中に何かを生み出し何かを変えることだってできるのだ。
    安史の乱のこともう少し勉強してまた読みたいな。

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    2025年06月13日
  • 震雷の人

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    予想通り、面白かった。多少展開に疑問な点がないわけでもないが(特に中盤辺り)、デビュー作にしてここまで書けるのは凄い。『戴天』も楽しみ。

    「永」の字や顔真卿など、千葉さんは書道にも造詣が深いのかな。「祭姪文稿」、感情を込めて書いてみたくなった。

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    2022年08月21日
  • 火輪の翼

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    戦乱の世の中にありながら、戦争を終わらせるために命をかけた者の物語でした。最後に不遇であった弟が兄の思いを受け継いで戦争を終わらせた場面が良かったです。

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    2025年09月04日
  • 震雷の人

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    世の中を動かすものは暴力でなく、言葉の力。
    一時的には暴力で動かされてしまうけども、普遍で不変の力を持って世界を動かし変えてゆくのが、言葉の力。
    それを信じ行動した顔季明の生き様に共鳴し、激動の安史の乱を戦い抜いた張兄妹の物語。

    顔季明は戦乱の中で命を落としますが、彼の目指したものを張兄妹がそれぞれの生き方でつなぎ残すことで、少しずつ変わっていこうとします。
    その歩みは遅く劇的な変化が見えないために、軽んじられがちな言葉の力ですが、多くの人々の中に確実に残り変えてゆく。それを信じて己の信念として戦い続ける二人の兄妹の生き方は美しく誇り高い。
    武侠の生き様とはこうであるもの、という心地よさをラ

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    2025年04月14日
  • 火輪の翼

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    史実と歴史上の有名人の中に、虚構を巧妙に埋め込む。その手法は変わらない。安史の乱の3冊目。さすがに徐々にパワーが落ちてきた。
    結局は史朝義とのその妻が主人公なのだということで話はすすんでいく。しかし表題が示しているのは実は別の人物。途中ではこの人物は余計ではないかと感じたのだが最後の最後に重要な役を演じる。そうきましたか。

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    2025年02月26日
  • 火輪の翼

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    ネタバレ

    戦争を始めるのは簡単でも終わらせるのはそうはいかないって、わかっていても理解できない
    人々が殲滅して建物を破壊尽くすまで終わらない?
    落としどころを探して、遺恨を残さない引き際を考える
    人の上に立つものとして力量というか、それでこそついて行ける君主であるのだろう
    3作目になるが、装画がイマジネーションを乱すことはあってほしくないな

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    2024年04月23日