秋田茂のレビュー一覧

  • イギリス帝国盛衰史 グローバルヒストリーから読み解く

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    アメリカ独立戦争で大英帝国の隆盛に陰りが見え始める。
    そんなストーリーを真っ二つに叩き折るのがグローバルヒストリーの考え方。
    むしろ、独立してくれて統治コストが下がったから英国としては得だった・・・!!
    大英帝国とい巨大なネットワークを中心に据えて、これまでの常識をグローバルヒストリーの考え方で覆す。
    これまで蓄えていた各国史の出来事が読み直され、気持ちよく繋がる快感は素晴らしい。

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    2024年05月28日
  • イギリス帝国盛衰史 グローバルヒストリーから読み解く

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    仕事でイギリスに視察研修に行くとこもあって
    イギリスの文化や歴史を知りたいなと思ってたところ、本屋でたまたま見つけた。

    これが単なる教科書的なイギリスの歴史の本でなくて面白く引き込まれた。イギリス一国の縦の歴史でなく、ヨーロッパやアメリカ、そしてアフリカやインドやアジアなど横の関係から近代世界の歴史をダイナミックに勉強できた。
    世界や歴史の見方について新たな気づきやいろいろな視点を与えてもらった一冊。

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    2024年02月18日
  • イギリス帝国盛衰史 グローバルヒストリーから読み解く

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     この本は、新書ですが400頁以上あるので読み応えありますが、プロ執筆者に語って作成されているのでとても読み易い本でした。
     イギリスという国はとても不思議な国で、どうしてこんな小さな国がこれほど大きな影響力を世界史に長い間及ぼし続けてこれたのでしょうか?16世紀にはヨーロッパの片田舎でしかなかった小さな島国が17世紀にはピューリタン革命やら名誉革命によって立憲君主制に脱皮し、スペインの無敵艦隊を破り、オランダの覇権を打倒し、フランスやスペインの新大陸の植民地を奪って、世界帝国となるのだから凄い。日本はかつて豊臣秀吉が「唐入り」をしてみたり、「大東亜文化圏」なんて戯言をほざいたりしましたが、瞬

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    2024年02月16日
  • イギリス帝国盛衰史 グローバルヒストリーから読み解く

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    歴史に残る名著! 国家戦略の苦手な日本人には必読の書。
    日本は受け身で追い詰められたときは「土俵際の危機意識」で「戦略的」に動ける。
    若いリーダーが存分に活躍できる。
    ただ平時が続くと「老人が跋扈し」、体制の硬直化が進み、国は滅びに向かう。
    世界史の中で、同じ島国で2流国から世界帝国に飛躍し、世界システムを革新しつつ堅持した英国の歴史は大いに勉強すべきテーマ。
    日本人の学者がこれだけの書を組み立てられたのは素晴らしい!
    2023/12/21 「イギリス帝国盛衰史」秋田茂☆「グローバルヒストリー」
    各国史→世界史は一体 各国はもっとつながり
    日本史も中国・朝鮮・東南アジアなどとの相互交流・影響受

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    2023年12月27日
  • 駒形丸事件 ──インド太平洋世界とイギリス帝国

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    イギリス帝国史が専門の秋田茂氏とカナダ史が専門の細川道久氏の共著である本書は、第1次世界大戦勃発当時に起きた「駒形丸事件」を通してインド太平洋世界の創出とイギリス帝国の変容を描き出そうとするものである。「駒形丸事件」とは日本の海運会社が保有する駒形丸(船籍は関東州:日本の非公式帝国)がインド人移民をカナダのバンクーバーまで乗せて行ったものの上陸を拒否され、さらに帰路コルカタで20人近くが虐殺されるという悲劇(バッジ・バッジの騒乱)を引き起こした事件である。どうしてそのような悲劇が起きるに至ったかについての詳細は本書をお読みいただくしかないが、本書はこの忘れられた事件を通じてグローバル・ヒストリ

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    2021年03月04日
  • 駒形丸事件 ──インド太平洋世界とイギリス帝国

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     「駒形丸事件」──第一次世界大戦勃発時、カナダ・バンクーバーでインド人移民が上陸を拒否され、さらに送還先のコルコタで虐殺されたという事件があった。本書は、一般には殆ど知られていないこの事件をノードとして、グローバル/ローカル、ナショナル/リージョナルとして理解されてきた多層な歴史観を相互に関連づけ、立ち現れる新しい視点から世界を照射しようとする試み。これが学術書などでなく、新書という親しみやすいメディアで世に問われることを何よりも評価したいと思う。地味ではあるけども、それを知ることによって視界がグッと開けるようなワン・イシュー。これを手軽に紹介できるというのが新書の醍醐味であり、本書のテーマ

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    2022年05月18日
  • イギリス帝国の歴史 アジアから考える

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    イギリスの植民地経営、近現代のイギリスと植民地間貿易の仕組み、ロンドン・シティの金融街がイギリス外交政策に与えた影響、コモンウェルスの歴史、インドが果たした役割などが勉強になった。

    もともと、香港と他のイギリス植民地の経営方針の違いが知りたくて読んだが、イギリスと植民地の関係は物凄く奥が深くて面白い事がわかった。

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    2020年06月07日
  • イギリス帝国の歴史 アジアから考える

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    17世紀にはじまる大英帝国の衰亡を、とくにインドを中心としたアジア方面の経済を軸に論じている。世界の四分の一を支配した大帝国も、時の移ろいとともにヘゲモニー(覇権)を米国に譲り渡すととなったが、本書は、そこまでの帝国の確立、膨張、運営、破たん、衰亡に、公式帝国、非公式帝国の観念を織り交ぜながら、いかに経済が大きなウェイトを占めていたか、ということを理解させてくれる。当時のヨーロッパ情勢はほぼ出てこないが、それは、世界最強の軍事力を持った大英帝国が、政戦両略をもってヨーロッパ各国の思惑をはねのけてきたためともいえる。唯一フランスに付け込まれて誕生した米国が、ヘゲモニーを受け継ぐことになるのは、皮

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    2016年04月29日
  • イギリス帝国の歴史 アジアから考える

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    [唯一無二のヘゲモニー]かつて世界の陸地の約四分の一と海洋を支配したイギリス帝国。帝国から植民地という垂直関係だけではなく、両者の相互関係の中でイギリス帝国がどのような影響力を与え、そして与えられたかを、特にアジア地域との関係性の中で幅広く考察していく作品です。著者は、イギリス関係の著作を幅広く世に送り続けている秋田茂。


    イギリス帝国の幅広い顔が見えてくる一冊。単なる歴史の「強者」としてのイギリスではなく、ヘゲモニー国家として世界史的役割を果たした存在として捉える視線が非常に興味深い。特に、自由貿易体制や通信網の整備など、誰にとってもプラスになる国際公共財を提供しながら自国の影響力を高めて

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    2014年08月26日
  • イギリス帝国の歴史 アジアから考える

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    秋田茂氏によるイギリス帝国の構造とその盛衰についての著作です。

    本書では「長い18世紀」から現代に至るまでのイギリス帝国について、主に経済面から歴史学の研究成果に触れながら考察を行っていきます。
    さらに副題にもあるようにイギリス帝国の経済ネットワークとアジア各国との関わりについても検討を加えていきます。

    本書のイギリス帝国についての語りにおいて特徴的なのは、ヨーロッパ中心的な検討から脱した現在の歴史学研究を参照することによって、イギリス帝国の内部について「イギリス本国」と「植民地」といった形骸的な見方の中では隠されていた多様な経済的関係が紹介されていることでしょう。
    例えばイギリス本国にお

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    2013年08月29日
  • イギリス帝国盛衰史 グローバルヒストリーから読み解く

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    オーディブルにて。
    イギリス旅行前にテンションを上げるべく読んでみた。グローバルヒストリーという高い視座からの解説は今までとはちがった視点でとても面白かった。

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    2025年08月14日
  • イギリス帝国の歴史 アジアから考える

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     大英帝国(後のコモンウェルス)とアジア(インド、中国、日本など)の関係を解説。複雑な貿易の流れなどを、図を用いて分かりやすく説明している。
     「大英帝国の解体〜コモンウェルスの成立」は、高校世界史で躓いた分野だったが、今回やっと納得・理解できた。

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    2024年08月20日
  • 市民のための世界史

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    本書は日本独自の「日本史・東洋史・世界史」という三分体制の弊害で特に近代以降の世界全体を見渡した歴史の教科書がないという問題意識を起点とした大阪大学の「挑戦」によって編集されたものである。マクニールの「世界史」も同様に世界各地域は相互に影響を受けて歴史を紡いでることが本書を読めば、理解できる。特に日中戦争・太平洋戦争にいたった経緯は単に帝国軍部が悪いとったものではなく、複眼的な視座が不可欠で、本書が広く読まれることが極端な意見がSNSで氾濫する現在にこそ、必要だと感じた。

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    2021年07月03日
  • イギリス帝国の歴史 アジアから考える

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    イギリス帝国の歴史についてインドをはじめとしたアジア諸国との関係を中心に描いた書籍。近年、どの学問領域においても個々の事象ではなく、その関係性に焦点が当てられてきているが、本書もその潮流に乗ったものである。日本とイギリスの関係についても語られており、経済や貿易、金融などの視点からも近現代を雑観できる良書である。

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    2020年09月10日
  • 市民のための世界史

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    歴史の教科書的な本としては,今までで最高の本だと思います.ことさらに年号や固有名詞を強調することもなく,「流れ」を中心とした解説になっています.

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    2020年08月07日
  • 市民のための世界史

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    約300ページに古今東西の人類史がよくまとまっている。一般的な教科書のように無味乾燥の年号と出来事、人名を列挙するのではなく、その時代の注目地域を深堀したうえで周辺諸国や派生事象が述べられる。ひとつの歴史がどこからの歴史のきっかけになっており、歴史のダイナミズムと世界は繋がっていることを実感できる。

    難点は本文組みがイマイチで、参考資料が変な位置にあったりそもそも分かりにくかったり、改ページの仕方も読者ファーストではなかったので、その点は教科書っぽくてややマイナス。

    内容は面白い。

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    2019年12月04日
  • イギリス帝国の歴史 アジアから考える

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    これまでの通説を紹介しながら、それを覆してグローバルヒストリーの面白さ、視点の豊かさを提示していく著作。アジア、特にインドの存在が、イギリス帝国の「帝国性」を支えていた。(カナダはどうなの?)

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    2018年11月23日
  • イギリス帝国の歴史 アジアから考える

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    ネタバレ

    P.59-62 七年戦争による財政赤字と負債の増大があまりに急激であったために、その負担の一部を北米植民地に転嫁せざるを得ない状況に追い込まれたのである。
    こうして本国政府は1765年に、法律・商業関連の文書だけでなく、新聞や書籍など印刷物全てに本国発行の印紙を貼ることを義務付けた印紙法を導入した。植民地側が「代表なくして課税なし」の論理で同法に激しく反対したことはよく知られている。印紙法は現地植民地の反対で、翌66年に撤廃に追い込まれた。
    しかし本国政府は67年に、蔵相タウンゼンドが別の形の増税策として、茶、ガラス、紙、ペンキ、鉛に輸入関税を課した(タウンゼンド諸法)
    (中略)
    イギリス商品

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    2017年12月07日
  • イギリス帝国の歴史 アジアから考える

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    ネタバレ

     かなり読むのに時間がかかってしまった。中世の終わりから現代までのイギリスを中心とした世界史を駆け足で辿っていく感じ。何年に何が合って…と形式的な記述が多いため世界史の年表がざっくりにでも頭に入っていないと読みにくいし、内容の理解もいまいちになってしまう。
     植民地時代のイギリスは圧倒的な権力で支配していたのかと思っていたが実際には軍事力では解決できないことも多く、外交の駆け引きなど複雑なやりとりがあった。現在はアメリカにヘゲモニー国家の地位をとって代わられたが、イギリス帝国の遺産は現在も世界に大きな影響力を持っていることにも注目したい。
     教科書で教わるような歴史認識が近年見直されているよう

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    2014年03月07日
  • イギリス帝国の歴史 アジアから考える

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    イギリス帝国歴史を、18世紀から現代まで通説する。東インド会社、北米植民地、ジェントルマン資本主義、コモンウェルス、脱植民地化、そして第2次世界大戦後に。
    興隆を極めた帝国支配だが、決定的打撃はスエズ戦争の敗退によりもたらされた。そしてアメリカという新たなヘゲモニー国家のジュニアパートナーたる道を選ぶ。
    現代は、世界経済の中心がアジア太平洋経済圏に移行しつつある。そのシステムの基盤を作り上げたのがイギリス帝国であるというのが本書の立場で、グローバルヒストリーという視点を大切にしている。

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    2013年10月05日