安藤昭子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本著は「問い」と「編集力」を哲学的な視点で俯瞰し、かつ明らかにした良書であるといえる。
さて、問いという言葉は、数千年前から様々な哲学者や賢人らが続く永遠の問いである。現代では、AIが私たちの生活に併走し、日常の問いや相談に乗ってくれる存在となってきている。そして、本著が指摘している「問い」に対して私たちを疎くなって自力で問うことをしない自動思考に陥っていると示唆している。
日常や仕事、社会で生きる上で、多くの人は「問い」という言葉や概念すら思い浮かばない場面は多い。一部の人だけの特別な能力と無意識で洗脳されていると懸念している。
問いという概念と哲学は、日常、仕事、社会でも充分に発揮すること -
Posted by ブクログ
いい問いを生み出すには、どうしたらいいのだろう。そもそも著者曰く、問いとは「自分が把握している私の中にはない私が出合う、未知との遭遇」。いい問い、すなわちいい驚きに出合うためには豊かな感受性を持ち、常にアンテナを立てておかなければならない、ということだった。
ただ、深淵な問いというのは普段は雲隠れしていて見えないもの。つまり、一冊の本で理解するのは不可能に近い。よって、普遍的な問いがある質の高い本や映画、展示を大量に見たほうが近道かもしれない。
たとえば本書の中で紹介された時間泥棒を描いた「モモ」、真実が何かわからなくなる「マトリックス」、あるいはヒッチコック作品などは問うための余白が自分 -
Posted by ブクログ
編集力というタイトルが馴染めないが、要は「問いが生まれるメカニズムを分析し、大人になっても多くの問いを出せるようになる」ための本。無知と未知の違いなど認知学も含んでおり、「問いを問う」という科学的な内容。
問いの発現を科学的に考察すると本書のようになるのだろう。だが最も重要なのは「強烈な好奇心」だと私は思う。子供は問いの天才だ。多くの時間を使い、膨大な問いを生み出せる。大人になるにつれて責任が増えると好奇心が萎み、知りたいことの視野が狭くなる。
今日から出来ることとして、
・普段行かない道を歩く
・少しだけ気になったイベントに参加してみる
・興味がなさそうな本をチラ読みしてみる
など簡単に