安藤昭子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
・編集の基本は「情報は多面的である」ということ。
・イノベーションには5つのタイプがある。
1 新しい生産物の創出
2 新しい生産方法の導入
3 新しい市場の開拓
4 新しい資源の獲得
5 新しい組織の実現
・フレームからフレームに思考を飛び移らせるのは「アナロジー」の働き以外にない。
・連想と要約。
・連想と要約は同時にはできない。
・アナロジーは「あなた」が問われる。
自分自身が問われることへの抵抗感を外す。
・質のいい仮説は、明るい胸騒ぎや波紋を呼ぶ。
・アブダクションはもっと強力な飛躍を行う。直接観察することが不可能な、超越的な何かを導き出すこともできる。たとえばリンゴが落ちるのを見て「すべての物体は(地球に向けて)落ちる」と推論するのは帰納。「すべての物体同士には互いに引きつけ合う力(引力)が働く」と推論するのがアブダクション。
・アブダクションの例
天王星の異常な運動という変則性(驚くべき事実)に対し、天王星の外側に未知の天体が存在するのではないかと仮説を立てた
その仮説が真ならば、未知の天体の軌道はどうなるかを計算し、その位置を予測した
ベルリン天文台のガレが、予測に基づいて実際に観測を行った結果、海王星が発見された
・アブダクションは
1 「驚くべき事実C」が観察される。
2 しかし「説明仮説H」が真であれば「C」は当然の事柄だろう。
3 よって、「H」が真であると考えるべき理由がある。
例えば、
ある内陸地で魚の化石がたくさん発見されました...
1 おや?なんでこんな所に魚の化石が?
2 この一帯の陸地はかつて海だったと考えれば、魚の化石があるのも頷ける。
3 そうか、このあたりは昔は海だったのか。
・出来のいい仮説の条件。
1 もっともらしさ
2 検証可能性
3 取り扱い単純性
4 思考の経済性
・さらに、一度に複数の突破口を空けうる可能性を持っているもの。
・自分好みの情報を大量に摂取できる現代は、擬似的な環世界が強固になりすぎてしまう時代。
・アナロジー、アブダクション、アフォーダンス。これらは3Aと呼ばれ、編集工学では重宝されている。
・そもそもに立ち返るアプローチは、「目線を上げる」「足元を掘り下げる」がある。
・略図的原型には3タイプある。
ステレオタイプ→特定の何かや誰かに代表されるもの
プロトタイプ→一般的な概念によって示されるもの
アーキタイプ→文化や文脈のおくに秘められたもの
・まず、
世界の側にある意味「アフォーダンス」と、
誰の中にもある連想力「アナロジー」と、
何かにピンとくるあの感じ「アブダクション」に目を向けること。
その上で、ステレオタイプをかき分けて、さまざまなアーキタイプに出会い直し、大いなる時の流れの一点にすぎない「自分」という不確かな存在を感じ直す。
そうして緩んだ隙間から、まだ見ぬ力がきっと新芽のように顔を出す。
・らしさを抽出する装置としてのミメロギア。
・ないことで何かを出現させる、「引き算」の方法論は、日本の強力なイノベーション。
・物語の情報フォーマット
1 ワールドモデル
2 ストーリー
3 シーン
4 キャラクター
5 ナレーター
・物語母型「英雄伝説」
セパレーション→イニシエーション→リターン
例 スター・ウォーズ、桃太郎
・助詞を変えてみることで、情報の引き出しを増やせる。
・情報の地と図
マグカップの例
店にあると商品
倉庫にあると在庫
地を切り替えることで図の情報を増やせる。
「〜にとっての」「〜における」
・連想は地の転換。要約は図を絞り込む。
・イメージやアイデアは、無意識のうちに何かによって引き出されているものがほとんど。
「引き出される状態」を意図的につくる。それが「型」によって可能になる。
「型」が思考をアフォードする。
・であれば、三点思考という思考法が思考をアフォードする。
・アーキタイプ連想法
1 あるテーマのアーキタイプを考える
2 アーキタイプから連想を広げる
3 アーキタイプの連想とテーマを照合する
4 テーマの不足や可能性を発見する
・見立ての技法
→遠くから持って行く。
・開け伏せ具合
→好奇心を触発する
人の記憶領域の、ウチソトが混ざり合う踊り場を利用する。
・ヒーローズジャーニー
「物語」というほうほうはか、自分と世界をどう見るかという、時間軸を伴った情報編集に大変有効。
何より、心情や感情など、言葉を超えた情報を人と共有することができるのも、物語の大きな効能だ。
・「物語という方法」は、編集力を総動員して取り組む情報様式。
・ひとは「物語回路」を持っている。
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Posted by ブクログ
Why思考をアイドリングさせておくにはどうしたらよいか、という問いから始まって本書に手を伸ばした。
「編集力」というキーワードと現時点でのイシス編集学校の代表ということから、セイゴオ氏の後継であることは想定していたが、期待を上回る、良い影響を受けた。将来の自分を想像して、その時点から顧みたときに「自分の人生を大きく揺り動かした一冊だった」と思う本になるかもしれない。
『知の編集工学』と比較してみると、記述された時代性もあってか、あちらがワイルドなのに対してこちらはマイルドな印象。刺激の強さが軽減されている一方で、『知の編集工学』では咀嚼しきれなかった部分もスッと飲み込めた。そして独自の視点としては、屋台骨である「問い」である。
さて私の元々の目的であった「Why思考のスイッチを常にオンにして活動するためにはどうしたらよいか」。その答えは、思うに本書の「総体」に散りばめられている。本書全体から丁寧に受け取る必要がある。
Why思考を常時オン化したい理由は複数ある。
人との対話において「話がつまらない」と言われてしまう。
仕事で詰めが甘くケアレスミスが発生する。
興味の幅が広く、あれこれに手を出してしまいどれも中途半端。
やるべき小さなタスクを無意識に見て見ぬふりしてしまう。
こういった日常の欠点を改善するためには、「常に」「全方向に」Why思考を持つ必要があると私は考えた。
視点の抽象度を単に上げるにしても、それを常時オンにするのは非常に難しい。仕事をするとき、料理をするとき、本を読むときなど、何かに集中するときには、やはり全体が見えなくなる。
対話であれば、相手の返答における言葉選びから、声のトーンや目線といった非言語コミュニケーション的反応を「読み」、その機微を捉えて、無意識な疑問をスルーせずに細かく軌道修正してこそ、相手を尊重した応対が出来ると言えよう。無視して自分の主張を押し通すことは相手への敬意に欠ける。
ケアレスミス防止のためには念入りに確認をするのが定石だが、その時点ではまだ解像度が荒く、根性論が隙間に入り込む。タスクの目的まで一度抽象度を上げて、そのタスクを満たすために必要な条件を因数分解し、その素因数の条件を自分のアウトプットが満たせているかどうかをMECEに評価する。この具体抽象の往還と評価には、やはり疑う心、問う心が欠かせない。これを中長期のスパンに敷衍すれば時間術や仕事選び、人生の舵取りに適用されうる。
そして次、これが喉奥の魚の骨なのだが、やるべきことを無意識に見て見ぬふりしてしまう悪癖の対処。
このためには、微かであれ認識によぎった違和感をすばやく捕まえて「問い」としてまな板に乗せ、丁寧にさばく習慣が必要で、この違和感を逃さない術こそ、道端のスミレに気付く察知力に他ならない。
これらを総括する「問いの編集力」をわがものとするには、どことなく後回しにしてしまいそうな、本書で挙げられている練習問題を何周かこなして身に沁み込ませる必要がありそうだ。
実際に練習問題に取り組んでみて、やはりまだ自分のインターフェイス(IF)の表面が固く、自分と世界の間の輪郭がはっきりしすぎていることに気付いた。このIFを水彩画の絵の具が水に溶けるようにボヤっとさせることが、自分を取り巻く人、環境、空間、時間、世界を取り込む手段となるように思う。
著者安藤氏の、なめらかで暖かな言の葉の紡ぎ方から、そのIFの柔軟さが本当によく読み取れる。こんな文章を書きたい。というかこんな人になりたい。そう思わせてくれる一冊だ。
あと最近読む本あちらこちらで登場するベイトソン。彼の学習階型論の件は非常に考えさせてくれた。これはこれでやはり原著を当たらねばなるまい。 -
Posted by ブクログ
博覧強記の著述家にして、空前絶後の読書ナビゲーションサイト「千夜千冊」を運営する松岡正剛さん。本書は松岡さんが提唱する編集工学のノウハウを紹介するものである。著者は松岡さんの弟子であり、編集工学研究所の専務取締役の安藤昭子さん。
「編集」というと書籍や映像制作が思い浮かぶが、編集工学ではそれを「情報に関わるあらゆる営み」と定義する。そう考えると世の中は複雑な情報の総体であり、編集力は、仕事はもちろん、日々の暮らしのあらゆる側面で求められる能力である。それら相互作用する複雑さを扱う技術として「工学」を編集と掛け合わせた造語が「編集工学」である。
まず、印象的なフレーズとして、松岡さんの「情報の海に句読点を打つ」という言葉が紹介される。それは後に紹介されるアナロジーにもつながる例えである。本書で語られるのは、本来は多面的な情報を、世に蔓延するステレオタイプに捉われず、いかに区切るか、どう編集し直すか、である。
そして、そのための武器として、アナロジー、アブダクション、アフォーダンスの視点が紹介され、物事のアーキタイプにまで潜り込むことの大切さが説かれる。実践的なワークもある。
ビジネスよりの書き方がされているが、非常にわかりやすく、デザインも秀逸である。編集工学の一旦を見た気がした。より深く知るにはイシス編集学校に入学するしかないのだろう。
かつて松岡さんが企画した丸の内のブックストア、松丸本舗で受けた衝撃を思い出した。今なお更新され続ける「松岡正剛の千夜千冊」は巨大な知の存在に圧倒される。はるかに高い頂きである。 -
Posted by ブクログ
ネタバレまず編集という言葉について、自分が持っていた概念とは随分異なっていた。もともと持っていたイメージは、書籍や映像を切り取りまとめる様な編集であったが、ここでの編集はもっと広く、情報全般を包含している。それは生命活動や世界のあらゆる関係も含んでいるという理解。
そういうと、あまりにも壮大な話になるのであるが、本書ではより具体的に編集工学の方法が紹介されており、凝り固まった考え方を解き放って、いかに新しく世界を見るか、その見方について知ることができる。
とにかく知識を頭に入れていかなければ、と思いながら入れても今ひとつ自分自身の身になっていなかったり、そもそもの好奇心が薄れてきていると感じている状況にあって、非常に惹かれる内容であった。
おそらくここで紹介されている10のメソッドは編集工学の入り口であり、超基礎なのだろうが、それだけでもこれまでの視点を変えてくれた気がする。
それ以上は、編集工学研究所と関わりを持つことで得られるのだろうが、まずはここで紹介されている内容をもっと噛み砕いて体感として身につけたい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレひとはいかにして問うのか、疑問は何から始まるのかについて。とても興味深い
メモ
•自ら問う力はたくさんの思考や記憶のかけらの複雑な繋がり合いの中から芽吹いてくる。目先の目的に気を取られていると内側の豊かな世界を忘れて単線的で合理的な思考が優先されてしまう。土を生かすことより即効性のある肥料ばかりが欲しくなり、芽吹く可能性を自ら摘んでしまう。
•たくさんの私を解き放とう
•問うということはつまり、いつもの私の中にはないものに出会うこと、未知との遭遇の驚きを自分に向けて表明すること
•やってくる偶然と迎えにいく偶然
•あたりまえではないものに人は驚く
•想像力の目を開かせる契機は無知から未知の状態に転がり込むところにある。キーワード検索は未知を既知にかえてしまう。
•探究型読書
1読前 目次読み 本の輪郭を掴む
表紙まわりを眺める、目を閉じて表紙の情報を思い出す。目を開けて表紙を確認する。あたかも読んだかのようにその本の共有をしてみる。
2読中 QAサイクル 仮説をもとにQAを追いかける。10-20分で一冊に目を通す。
3読後 アナロジカルシンキング アナロジーを働かせて自分と周囲との関係線をを発見していく。得た情報が何に似ているか、何と関係ありそうかを発見
•思い返せないのは読み手の想像力が動いていない時
•人はあらゆるものを略図的に捉えるようにできている
•なぜなに変換 日常の風景になんでを投げかけてみる
•自分の予定立つところが、誤っている可能性に意識が及ぶことのない人間は、ノウハウしか学ぶことができない。by グレゴリーベイトソン
•アブダクション 目の前の現象がいっぺんに腹落ちするような説明仮説、一っ飛びに推論を進めるもの
⭐︎アブダクションのプロセス
驚きの発見 着眼点、疑問、問い 驚くべき事実
仮説の仮組 驚きを説明する仮説 説明仮説
新たな確証 仮説による捉え直し 確証に向けた検証
推論の拡張へ 連想、展開、次の問い -
Posted by ブクログ
問いはどこからくるのか。この問いを出せるようにするプロセスが書いてあります。まずは多面的な見方で世界を見てみる。そして試行錯誤で仮説を試してみる。内容を全部理解することは難しく、うまく実践できるかわかりませんが、違和感を大切に日々過ごしてみようと思います。
「問い」の土壌をほぐす
「たくさんの私」が存在することに向き合う
つながり合う世界の一部としての自分を眺める
「問い」のタネを集める
見方が変われば世界が変わる
デノテーション(外示作用)、コノテーション(内示作用)
「地(分母・文脈)」「図(分子、意味)」のマジック
思考が柔らかい人は、往々にしてフィルターのかけ替えがうまい
偶然を呼び込む力「セレンディピティ」
「あたり前」の世界の奥に控える「他にもありえた世界」に常に思いを馳せる
「問い」を発芽させる
「問い」が結像する
アンラーンのコツ ①歴史の「はじまり」をたどる ②「おさなごころ」をたどる
自分だけの問いを「アブダクション(仮説推論)」で組み立てよう
ゼロ学習:ひとつの反応が決まり、修正させることがない。変化のない世界
学習Ⅰ:所定の選択肢群のなかから適切な解を選び取れ、その選び方が変化する
学習Ⅱ:選択肢群そのものを終止し、コンテクストのくくり方が変化する
学習Ⅲ:選択肢群が置かれている世界像そのものを問い直し、問題の枠組み自体が変化する