木村由莉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
古生代ペルム紀末の大量絶滅。
それ以前にはどのような古生物がいたのか。
大量絶滅で消えたもの、生き延びたもの。
そして回復期の中生代三畳紀からの生物についても
注目し、解説する。2000年以降の発見や研究も多い内容。
・はじめに ・序章 そのとき何があったのか?
第1部 前夜 第2部 世界をまたいで 第3部 新たな時代
・終章 そのとき何があったのか? ・おわりに
・もっと詳しく知りたい読者のための参考資料
索引、著者・監修者略歴有り。
まだパンゲア(超大陸)とパンサラッサ(超海洋)だけで
地球上が覆われていた頃、ペルム紀末に
大量絶滅があったという。
寒冷期から平均気温が15℃、18℃へと上昇し、
ペルム紀末には40℃以上達したという。
その中にいた単弓類、陸棲爬虫類(側爬虫類と真爬虫類)、
両性類、サカナ、軟体動物、植物類、昆虫類。
彼らの繁栄と衰退、そして大量絶滅の影響とその後に
ついてを2000年以降の発見や研究を織り込みながら、解説。
ペルム紀に2回あったらしい大量絶滅。
特にペルム紀末の大量絶滅は、大規模な火山活動での
オゾン層の破壊、急激な温暖化、酸性雨、乾燥化、
森林破壊などの複合的要因が発生したと、示唆される。
だが、確実な証拠があるわけではない。
また、中生代三畳紀になって、40℃の気温は徐々に下がり、
年月をかけて冷却化。その後冷却化と温暖化を繰り返し、
後期には約22℃まで下がる。生態系を回復させる何かが
あったのかもしれないが、その年月の中で、
生き延びたものでも衰退し絶滅するもの有り、
小型化するもの有り、進化するもの有りで、
哺乳類が誕生し、爬虫類は大型化して恐竜の登場へ向かう。
まだまだ分からないことが多い。
何といっても遥か彼方の過去のこと。
それでも日進月歩で発見や研究は進行している。
古生物学に更なる興味が湧く内容でした。 -
Posted by ブクログ
脊椎動物の進化系譜を現生人類に絞って時系列で追っていく。すると我々が何者かについての理解が深まり、分岐が激しくて分かりにくい進化史の理解も整理されるため良い企画だった。魚類→両生類→爬虫類→哺乳類で進化したという古い理解は、魚類→四足動物から様々な枝分かれに進化していった新たな常識にアップデートされる。我々が知っている現存する脊椎動物5種類で全てが分類されるわけはない。2020年代の論文や書籍も多数取り扱われる。
DNAの情報や化石から、いつから器官や組織を獲得したのかの推測が非常に知的好奇心をくすぐる。汗腺から乳腺が進化したと考えられていて、最初は殻の薄い卵を保護することからスタートしたという説がある。まさに哺乳類の起源に迫る謎だが、なぜ雌のみが授乳するのか?これは初期からすでに父母など家族間で連携があったためなのか?単孔類が現存するということは、胎盤獲得よりはるか昔に哺乳システムを開始していたことを思わせる。そして赤ちゃんは哺乳期間には歯が生えてこない工夫になっている。そもそも哺乳類の歯が何回も生え変わらないのは、多様な上に超高機能の仕様になっているためだという。芸能人でなくても歯は大切だ。
カンブリア爆発は有名だが、新生代に入ってからの哺乳類の多様化も同じくらいインパクトがあった。ネズミのような小型生物から、わずか数十万年でゾウやらウシやらイヌやらサルやらまで分岐しているのは驚きだ。
新生代が始まってすぐ大森林が形成された、長らく我々の祖先は樹上生活者だったようだ。虫や木ノ実を識別させるため視力を発達させた。やがて寒冷で乾燥を伴う氷河期が繰り返され森林面積は大きく減少することで生活環境が変化。類人猿には固い根茎類やナッツ類を主食にするグループ、肉を主食にするグループが分かれていき、前者は絶滅し後者はヒトの系譜に繋がる。サピエンス、デニソワ人、ネアンデルタール人はそれぞれ交配してきたことが分かっている。今はサピエンスだけが残っているが、この理由を暴力や排他性に求めるのが「サピエンス全史」など、よくある説明だが、「サピエンス前史」では別の説明が提案されている。ライガーしかりラバしかり、本来は交雑による子孫は繁殖能力が落ちる。しかしサピエンスは交雑でも繁殖能力が落ちにくい特性があったのではないか、というのが推測になる。どちらの説が検証可能で科学的といえるか。どちらの説がもっともらしい想像の産物といえるか。 -
Posted by ブクログ
2020年出版。恐竜と、その研究をする女性に憧れて道を進み続け、正にその道に達して活動し続けている筆者。何を見て何を感じ、考え、周囲とどのように関わって来たか。各ステップでの様々を書き記している。対象者は、機会を与えたい小学生から上、大人までを含んでいる。…と言うのは最初の部分だけで、グングンと学術的な事やら厳しい現実などもサラッと書かれており。まぁ、読める部分だけ読めば良いのだと思う。読む人の目的次第で。
好きな物を好きなままでいられる才能、行動し始められる才能、動き続ける才能って、あると改めて強く感じた次第。小説を読むような気持ちで読み進めさせて頂きました。