N・K・ジェミシンのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレSFを期待して読み始めたら、結構ファンタジー寄りでした。
作中世界独自の歴史や用語が多いので、補遺の解説が必須です。流れが削がれる感は否めませんが、作中世界の奥行き深さこそがこの作品の魅力だと思います。
第一部では、オベリスクやオロジェン、守護者などほぼ全てが謎のまま終わりますが、ダマヤ、サイアン、エッスンが人物としてリンクするところや語り手が明らかとなるところは、一人物の多様さが感じられます。
内容としては、まだテーマの提示にとどまっている感じで、風呂敷が広げられたばかりという印象です。これからどうなっていくのやら、、、そこは次回へ期待。 -
Posted by ブクログ
3部作の最終巻。
発売後すぐに読み始めたものの、前の巻を思い返しながらなのと、視点が色々変わるので最初の方は読み進めるのに苦戦しました。が、半分から終わりぐらいは一気でした。
読んでいて、父なる地球というフレーズが面白いな、と思いました。母と違い、大地がものを生み出さず、厳しいからなのかな、と思いましたが、作中、男性の方が子供の面倒見ていたりするので違うのかも。父と子は出てきましたが、母はエッスンを代表とした人類だったんですかねぇ?
この作品はフィクションですが、ここ最近は思いもつかなかった天災や厄災が起こっているので備えることと、助け合いは大事だよなぁとも思いながら読みました。
発達した -
Posted by ブクログ
ネタバレ〈第五の季節〉…文明が滅びるレベルの天変地異が数百年ごとに繰り返される世界は過酷。過去の季節に名前が付いているけれど、その名前の天変地異が起こったのかな…悲惨。。
オロジェン。ロギア系みたいなやつか?と思っていたけれど、様々な天変地異そのものというより、地殻変動とかの地球の活動を増幅するみたいな感じかな。
3つのお話が同時進行かと思いきや、どうも違うっぽい…少なくともエッスンとサイアナイトは同時ではない、と思っていたら。エッスンパート以外は回想シーン、しかもダマヤとサイアナイトとエッスンは同一人物とは。それ以上にビノフとトンキー。やられました。
文章が第三者視点だな、と思っていたのにもちゃんと -
Posted by ブクログ
店頭に並んでいる時は気づかず、新刊案内を読んで第五の季節の続きだったか!と慌てて本屋に行きました。久々に早く読み終えたいけど、読み終えてしまうのが勿体ない…と言う贅沢な感覚を味わいました。続巻も楽しみ~
それにしても娘は母親に対するあたりが厳しいもんだなぁと思いました。父親に対しては…なんだろう、諦め?みたいなものがあるのかな。同じことをしても父親なら責めないのに母親がしたら一生恨む、みたいな強い感情を母娘には感じます。これは父息子でも同じなんだろうか?それでも作中でナッスンが「彼等を受け入れてくれる人を父親にして生んでくれたら良かった」と言うような心境を語るので、やはり母とのつながりの方が -
Posted by ブクログ
この卷で世界の仕組みと状況は、ある程度は分かります…。が、この世界が抱える問題は全く解決しません。そして、暗いです。(※ですが、面白いです。色々謎のピースがはまったとき、また、この巻のラストは、えーっ!と声が出てしまいました。)
続きの翻訳も出るようなので楽しみにしています。
また、多くの方が書かれているように、初めの3分の
1くらいまではかなり読みすすめるのが大変です。
サイアナイトという女性が出てくるあたりからかなり世界の状況が分かるようになります。前半は読み流すような感じで読むのがオススメです。
また、LGBTQ+に対してかなり配慮された(というか、この世界ではそうした人たちが自然に -
Posted by ブクログ
ネタバレ出会ったかもしれない。
N・K・ジェミシン、覚えよう。
近所のセレクションセンスがいい本屋さんで発見。
「前人未到の三年連続ヒューゴー賞受賞」が気になり手に取った。
「では、世界の終わりの話からはじめようか。」
というダサいコピーは無視して(が、しかしこれは物語の一行目だ)ヒューゴー賞のセンスを信じ(今のところ割と信頼できる)。
こういう本との出会いはネットショップではできない。
なかなかの長編だけれど、一気に読んだ。
所要時間1.2日くらいかな。
こんな没入は久しぶり。
世界観がしっかりしており、エンターテイメント性もあり、最後に読者を驚かせるポイントもあり、つまりそのための構成の計算も -
Posted by ブクログ
この本の裏表紙に書かれていた「3部作が3年連続ヒューゴー賞受賞。世界の終わりの物語」という言葉に惹かれて手に取りました。正直、少々わかりづらい。けれど、世界の終わりをどう表現するのか、3年も連続して大きな賞を取るにはきっと理由があるはず、そう信じて諦めずに読み進めました。途中、繰り返し出てくる「錆び」「錆び地球」「地下火」というフレーズ‥会話の途中にも出てくるこのフレーズに疑問を持つが、きっと訳本でなく英語の原書で読めればその疑問は解決するのかもしれませんね。
読み終わって思うのは、なんとも形容のしがたいストーリー。意思や感情を持っている地球。その地球の地震事象を操ることができる特殊能力者オ -
Posted by ブクログ
ネタバレ『第五の季節』の続編ということで。
続編というか、上・中・下の中巻といった感じ。
三部作にしてすべてヒューゴー賞というのがすごいけど、ヒューゴー賞ってファン投票なので、まあ客観性が欠如する時もあるのかもしれない。
★3にしたのは、『第五の季節』ほどの衝撃はなかったから。
この作品では物語はエッスンとナッスンの二人を主軸として語られる。前作では3つの物語が交差していったが、今作は2つだ。
前作ではその3つの物語が終盤で収束していき最後驚きの伏線の回収があったが、今回はそういったことはない。前回ほどでは、と思わせる理由はそのあたりが要因かな。
一つは、ホアがなぜ語り手として居続けるのかがわから