近内悠太のレビュー一覧

  • 利他・ケア・傷の倫理学

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    他者の大切にしているものを、共に大切にする、をできるようになりたい。「こうあるべき」を振りかざし、それが「正しい」、「あなたのためになる」とすることは、他者の大切にしているものをないがしろ。この態度は、仕事では「甘い」と言われそうだが、自分は他者の大切にしているものを、共に大切にする劇を演じ踊り続けたい。

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    2024年06月02日
  • 利他・ケア・傷の倫理学

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    後半の『楢山節工』のエピソードで泣いた。
    未来の自分に対するセルフケア。

    著者ならではの切り口で、あたたかく、他者との関わりに対して少しだけ背中を押してくれるような本でした。

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    2024年04月30日
  • 世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学

    購入済み

    語りかけてくる文章が読みやすい

    倫理学本を読むのも初めてだし贈与論も初めて知りました。今は利他についての本を買ってます。
    資本主義の見直しは話題になりやすいですが、カネではない贈与を受け取ったと思える感覚がいかに観念的であり、このシステマティックな社会の中で見落としやすいかも感じさせられました。
    また、そうした現象を汲み取って形にする哲学は地味だけどちゃんと必要だなと感じてます。

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    2021年10月03日
  • 世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学

    購入済み

    オススメ( •̀∀•́ )✧

    今年のコロナ前に書かれ3月に出版された本。
    今だから、より突き刺さる著者のメッセージ。
    なんども唸ってしまった。
    この若い哲学者に多いに刺激をいただきました。

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    2020年09月27日
  • 世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学

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    難しくて理解できないところもあったけど、概ね楽しく読めました♪

    贈与は市場経済を否定しているのではなく、市場経済がベースであるからこそ、贈与が特別なものになりうる。

    贈与は受け取ったと気づいた時に初めて成立する。
    送る人は、将来誰かに届くといいなと思って何かを送るけど、届くかどうかはわからない。
    受け取る人は、気づかないうちに受け取っていて、あとから「自分は受け取っていたのか」と気付く。

    テルマエロマエのルシウスが、現代日本の文化に驚くのは、古代ローマにはそれがないからで、

    私たちは、受け取っていると意識してないものなんだよね。

    牛乳瓶とか、洗面器とか、シャワーとか…

    第7章で、小

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    2025年10月06日
  • 世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学

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    第4章の「16時の徘徊」のエピソードを読んで、母との出来事を思い出した。本書によれば、贈与は受け手が認識して初めて、贈与として成立する。この本を読んで、母からの贈り物に気付くことが出来て良かったなと思う。

    特に親との関係において、実はあれは贈り物だったんだなと思えるような出来事が数多くあることに気づかされた。いい親に育ててもらったことに対する感謝の気持ちと、その贈り物を次の世代に繋いでいきたい思いが芽生えた。

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    2025年09月30日
  • 利他・ケア・傷の倫理学

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    利他的行動。
    他者の傷に導かれて僕たちはケアを為す。そしてそのケアの中で、思いがけず自分が変わってしまう。利他が起こり、自己変容に至る。ここに於いて僕らは自由になり、生きている心地を得る。
    恋愛然り、子育て然り。叱るのはケアの対概念。叱るのはそうしてもらわないと私が困るからだと素直に伝えよう。
    所々の引用も私にとってはセレンディピティに満ちていた。苦しい時は新しい言語ゲームが始まることを待って、祈ろう。苦しむ人には今までやったことないspeilでも飛び込んで二人相撲を始めよう。

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    2025年09月10日
  • 利他・ケア・傷の倫理学

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    『世界は贈与でできている』の近内さんの二作目。前作も気になりつつ未読なんですが、「利他」「ケア」「傷」と関心のど真ん中にいるキーワードがこれだけ並ぶとどうしても気になってしまって先にこちらを。

    利他とは、自分の大切にしているものよりも、他者の大切にしているものの方を優先すること。
    傷とは、大切にしているものを大切にされなかったときに起こる心の動きおよびその記憶。そして大切にしているものを大切にできなかったときに起こる心の動きおよびその記憶。
    ケアとは、他者の大切にしているものを共に大切にする営為全体のこと。

    3つのキーワードを他者との関係において定義しながら、そのの考察をウィトゲンシュタイ

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    2025年08月18日
  • 世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学

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    新たに贈与ということの意味を知ることができた。興味深いことがたくさん書かれていた。書かれているエピソードや例がとてもわかりやすくて読みやすかった。
    心に留めておきたい言葉がたくさんあった。

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    2025年07月23日
  • 世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学

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    贈与はバトンをいつ受け取るかわからないリレーのようなもの。ある日自分もランナーということに気付きまた次に渡していく。ただし渡すことを悟られてはいけない。

    信頼関係が無ければつながらない贈与リレー。
    行き過ぎた資本主義にあって権利義務を主張するばかりか等価交換以上の見返りを期待する打算的なランナーはこのリレーが行われていることに気付かない。
    リレーは資本主義のすき間を行き交いながら唯一無二のモノへ昇華していく。

    このように贈与をメタ認知してみた。
    本書は終盤哲学的になり少し迷子になったが贈与が強欲資本主義に待ったをかける光明に見えた。

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    2025年07月21日
  • 利他・ケア・傷の倫理学

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    ネタバレ

    利他とは、自分の大切にしているものよりも、その他者の大切にしているものの方を優先すること。
    傷とは、大切にしているものを大切にされなかった時に起こる心の動きおよびその記憶。そして大切にしているものを大切にできなかった時に起こる心の動きおよびその記憶。
    ケアとは、その他者の大切にしているものを共に大切にする営為全体のことである。

    ホモサピエンスとしての性質。バンプの歌詞。ガイモンの宝箱を横取りするルフィ。沈黙のロドリゴの嘘。本当の利他とはなにか。あらゆる方面から考え、論理が展開される。
    相手のことを考えているようで自分のことしか考えていない。自分を捨てて相手のことだけを考える。利他が利他として

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    2025年05月18日
  • 世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学

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    自分の考えがギブアンドテイクやウィンウィンといった交換の論理に閉じてしまっていることに気付かせてくれた。
    人との関わり方において、自分が与える側や助ける側でいる時は関わり方が分かるのに、自分が交換できるものを持たなかったり交換するだけの能力を持たない時、「相手を道連れにしてはいけない」といった強迫観念から結果として繋がりを解消してしまう傾向にあると気付けた。
    そもそも繋がりを必要とするのは交換ができなくなった時なのに、そういう時に助けを求められない根っこにあるのはこの資本主義的な思考によるものだと思った。

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    2025年05月12日
  • 世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学

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    書籍の概要
    本書は、資本主義社会において「贈与」が果たす役割について考察しています。著者は、現代社会が「ギブ&テイク」の交換原理に偏りすぎていると指摘し、無償の贈与が人間関係や社会の基盤を形成していることを説いています。贈与は、見返りを求めない行為でありながら、深い信頼やつながりを生み出す力を持っていると述べられています。

    1. 贈与が信頼を築く基盤となる
    交換原理に基づく関係は、効率的である一方で、信頼や深いつながりを築くのが難しいとされています。無償の贈与は、相手に対する純粋な関心や思いやりを示す行為であり、これが信頼関係の構築につながります。ビジネスにおいても、顧客やパートナーに対する

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    2025年05月03日
  • 世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学

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    親が自分の子供へ愛をこめて育てるという贈与をし、その子供が大人になって子供をつくり愛せる人間になった、ということが祖父母にとって、贈与が返ってきたことを意味する、これが「孫の顔をみたい」という発言の真意だ、というような章が興味深かった

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    2025年04月04日
  • 世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学

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    自分が資本主義に染まっていることに気づかされた。
    世の中はギブ&テイクだと、大人になってからそう考えていた。
    でも、わたしが生きていることがすでに誰かには「贈与」しており、大切にしたい本になった。

    大切な人に大切な言葉を、不合理な愛を伝えたいと思った。

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    2025年03月24日
  • 世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学

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    事前に著者イベントに参加してから本を読んだので、より理解が深まった。
    贈与は受けることから始まる。偶然受け取ってしまった贈与を、僕たちは誰かにパスをする。
    そう考えると、介護の仕事をさせてもらえるのは、日常生活に介護が必要になった人がいてくださるから。もちろん、介護を受ける人は、“誰かのために”要介護状態になったわけではない。
    ただ、結果的に、要介護状態になったことで、僕たちに職業(人によっては天職)を与えてくれている。
    「受け取っている」という感覚を持つことは、自己犠牲や自己欺瞞に満ちた考えから、僕たちを解放するだろう。

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    2025年02月09日
  • 利他・ケア・傷の倫理学

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    他者から一般的に良いと言われる行いをされたときに、自分はそれをどのよに偽善と心からの善意に振り分けているのか気になっていた。

    断片的に見れば同じような状況でも、その文脈を俯瞰してみれば、それに対応するケアの方法は千差万別だ。

    それを、大雑把に切り出して、マニュアル通りの対応をされることに自分はうんざりしていたのだと思う。

    この本ではマニュアル化できるくらい、確立された善悪の基準を道徳と呼び

    困っている他者に対応して私個人が導き出した善き行いを倫理と定義している。

    ケアとは困っている他者が先にあり、それに引っ張られて起こす行為、という構図で発生する。

    決して他者にいいことをしたい自分

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    2025年01月05日
  • 世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学

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    初めて哲学的な本を読んだが、面白かった。
    資本主義社会において、以下に無償の善意である贈与を与えて受け取れるかが、人生の意味や使命感に繋がると思った。
    序盤は個人間での贈与について分かりやすく書かれていた。
    中盤から終盤にかけて、社会システム全体での贈与の役割や意義について書かれており、少し難しい内容であった。

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    2025年01月05日
  • 世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学

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    松任谷由実の
    「優しさに 包まれまたなら きっと
    すべてのことは メッセージ」
    を思い出した。

    「ただ存在するだけで他者に贈与することができる」

    この一文が、本書のいちばん大切なメッセージだと思う。

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    2024年12月19日
  • 世界は贈与でできている 資本主義の「すきま」を埋める倫理学

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    面白かった。交換で規定される市場経済があるからこそ、アノマリーとしてその隙間に贈与が現れる。想像力を働かせ、不当に受け取ってしまっている数多くの贈与に気づき、メッセンジャー/アンサング・ヒーローとしての使命を果たせればと思う。

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    2024年12月13日