近内悠太のレビュー一覧
-
購入済み
語りかけてくる文章が読みやすい
倫理学本を読むのも初めてだし贈与論も初めて知りました。今は利他についての本を買ってます。
資本主義の見直しは話題になりやすいですが、カネではない贈与を受け取ったと思える感覚がいかに観念的であり、このシステマティックな社会の中で見落としやすいかも感じさせられました。
また、そうした現象を汲み取って形にする哲学は地味だけどちゃんと必要だなと感じてます。
-
購入済み
オススメ( •̀∀•́ )✧
今年のコロナ前に書かれ3月に出版された本。
今だから、より突き刺さる著者のメッセージ。
なんども唸ってしまった。
この若い哲学者に多いに刺激をいただきました。 -
Posted by ブクログ
難しくて理解できないところもあったけど、概ね楽しく読めました♪
贈与は市場経済を否定しているのではなく、市場経済がベースであるからこそ、贈与が特別なものになりうる。
贈与は受け取ったと気づいた時に初めて成立する。
送る人は、将来誰かに届くといいなと思って何かを送るけど、届くかどうかはわからない。
受け取る人は、気づかないうちに受け取っていて、あとから「自分は受け取っていたのか」と気付く。
テルマエロマエのルシウスが、現代日本の文化に驚くのは、古代ローマにはそれがないからで、
私たちは、受け取っていると意識してないものなんだよね。
牛乳瓶とか、洗面器とか、シャワーとか…
第7章で、小 -
Posted by ブクログ
『世界は贈与でできている』の近内さんの二作目。前作も気になりつつ未読なんですが、「利他」「ケア」「傷」と関心のど真ん中にいるキーワードがこれだけ並ぶとどうしても気になってしまって先にこちらを。
利他とは、自分の大切にしているものよりも、他者の大切にしているものの方を優先すること。
傷とは、大切にしているものを大切にされなかったときに起こる心の動きおよびその記憶。そして大切にしているものを大切にできなかったときに起こる心の動きおよびその記憶。
ケアとは、他者の大切にしているものを共に大切にする営為全体のこと。
3つのキーワードを他者との関係において定義しながら、そのの考察をウィトゲンシュタイ -
Posted by ブクログ
ネタバレ利他とは、自分の大切にしているものよりも、その他者の大切にしているものの方を優先すること。
傷とは、大切にしているものを大切にされなかった時に起こる心の動きおよびその記憶。そして大切にしているものを大切にできなかった時に起こる心の動きおよびその記憶。
ケアとは、その他者の大切にしているものを共に大切にする営為全体のことである。
ホモサピエンスとしての性質。バンプの歌詞。ガイモンの宝箱を横取りするルフィ。沈黙のロドリゴの嘘。本当の利他とはなにか。あらゆる方面から考え、論理が展開される。
相手のことを考えているようで自分のことしか考えていない。自分を捨てて相手のことだけを考える。利他が利他として -
Posted by ブクログ
書籍の概要
本書は、資本主義社会において「贈与」が果たす役割について考察しています。著者は、現代社会が「ギブ&テイク」の交換原理に偏りすぎていると指摘し、無償の贈与が人間関係や社会の基盤を形成していることを説いています。贈与は、見返りを求めない行為でありながら、深い信頼やつながりを生み出す力を持っていると述べられています。
1. 贈与が信頼を築く基盤となる
交換原理に基づく関係は、効率的である一方で、信頼や深いつながりを築くのが難しいとされています。無償の贈与は、相手に対する純粋な関心や思いやりを示す行為であり、これが信頼関係の構築につながります。ビジネスにおいても、顧客やパートナーに対する -
Posted by ブクログ
他者から一般的に良いと言われる行いをされたときに、自分はそれをどのよに偽善と心からの善意に振り分けているのか気になっていた。
断片的に見れば同じような状況でも、その文脈を俯瞰してみれば、それに対応するケアの方法は千差万別だ。
それを、大雑把に切り出して、マニュアル通りの対応をされることに自分はうんざりしていたのだと思う。
この本ではマニュアル化できるくらい、確立された善悪の基準を道徳と呼び
困っている他者に対応して私個人が導き出した善き行いを倫理と定義している。
ケアとは困っている他者が先にあり、それに引っ張られて起こす行為、という構図で発生する。
決して他者にいいことをしたい自分