近内悠太のレビュー一覧
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書籍の概要
本書は、資本主義社会において「贈与」が果たす役割について考察しています。著者は、現代社会が「ギブ&テイク」の交換原理に偏りすぎていると指摘し、無償の贈与が人間関係や社会の基盤を形成していることを説いています。贈与は、見返りを求めない行為でありながら、深い信頼やつながりを生み出す力を持っていると述べられています。
1. 贈与が信頼を築く基盤となる
交換原理に基づく関係は、効率的である一方で、信頼や深いつながりを築くのが難しいとされています。無償の贈与は、相手に対する純粋な関心や思いやりを示す行為であり、これが信頼関係の構築につながります。ビジネスにおいても、顧客やパートナーに対する -
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他者から一般的に良いと言われる行いをされたときに、自分はそれをどのよに偽善と心からの善意に振り分けているのか気になっていた。
断片的に見れば同じような状況でも、その文脈を俯瞰してみれば、それに対応するケアの方法は千差万別だ。
それを、大雑把に切り出して、マニュアル通りの対応をされることに自分はうんざりしていたのだと思う。
この本ではマニュアル化できるくらい、確立された善悪の基準を道徳と呼び
困っている他者に対応して私個人が導き出した善き行いを倫理と定義している。
ケアとは困っている他者が先にあり、それに引っ張られて起こす行為、という構図で発生する。
決して他者にいいことをしたい自分 -
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ネタバレ前作との対として、「与える」ことに焦点を当てた1冊。哲学的な内容であり、完全に咀嚼し切れていない箇所も多々あるだろうが、現時点での認識を記しておく。
先ず興味を惹かれたのは、道徳と倫理の違いについて。端的に、道徳は規範やシステムにより強制されるものであり、一方倫理は「嫌だからしない」等、自由度を持つものだとのこと。この記述を通じて、道徳と異なり倫理は「実体感」を必要とするのではと感じた。仮に上記の定義が正しい場合、道徳を身に着けるために必要なことは規範やシステムを理解することであり、これは知性を有する人であればそう難しくないことと思う。一方、倫理には分かりやすい答えがなく、どうすれば倫理観を獲 -
Posted by ブクログ
前書「世界は贈与でできている」が「受け取る」の本であれば、この本は「与える」を考えた本である、と著者は言う。ケアや利他という言葉は聞き慣れてはいるが、深く考えたことはない。倫理的に考え、行動するとは何か?、この本を通して自身の中で構造化でき、アプローチしやすくなったと思う。
ケアは相手の大切なものを大切にすることで、利他は自分の大切なものよりも相手の大切を優先する。このように定義することで、言葉のしっぽを掴めるようなイメージがある。
個人的に腹落ちした部分が、「利他には葛藤がある」である。社会で決められた規範に対し、我々は道徳心でそれを維持しようとする。しかしながら、その規範に苦しむ人もい -
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与えること、受け取ること。その営みの中に、人間関係の本質がある。
お金で買えないもの、等価交換では説明できない「贈与」という行為に着目し、資本主義の「すきま」を埋める人間関係の倫理を哲学的に解き明かす一冊。ウィトゲンシュタインやモースの贈与論、映画『ペイ・フォワード』などを引きながら、贈与の本質を多角的に論じています。
一作前に読んだ『元彼の遺言状』に贈与論の話が出てきて気になっていました。いきなりモースの『贈与論』を読むのはハードルが高いと感じ、贈与に関する本で人気のある本書を手に取りました。内容的には少々難しいと感じる部分もありましたが、与えるという行為と受け取るという行為が人間関係の -
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ネタバレ単なる心温まるペイフォワードの話ではない。
贈与は与えられていることに気付くところから始まる。身近なコミュニケーションの話かと思えば、「贈与は差出人に倫理を要求し、受取人に知性を要求する。」知性がないと贈与に気付けない、知性を身につけるために歴史の勉強が必要だと説く。現代社会において先人が築いた贈与に気付き、いかに世界が贈与に満ちているかを悟った人を教養ある人と呼ぶそう。さらに、生きる意味を考えるとき、それば贈与先から偶然に返ってくるものだという。不当に受け取った贈与に気付き、次にパスをする。その先から偶然返ってくる(返ってこないかもしれない)もの、それが生きる意味だと。パスをつなごうとする使