冬馬倫のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ独特な書き方の文章だから、読むのにちょっと四苦八苦した。
前作もこんなだったかなあ(うろ覚え)
内容というか展開は非常に面白いのだけれど、キャラの内心も台詞口調ではなく文中で語ってしまうから、昭和時代の文章の書き方な気がする。
懐かしい雰囲気である。
今回はかつて人殺しをしていた人の贖罪の方法と、彼に復讐をすることを誓って生きてきた男について。
そして、弟子で宮廷医の娘の出生について。
医師という命に関わる現場にいる立場から見た人殺しについて、復讐について、そして血がつながらない家族について見ていくのは、なかなか興味深いものがあった。
特に復讐をしたかった男が出した決断とか。
彼の場合、尊敬した相手がその復讐したい相手だったというより複雑な状況だったので。
葛藤もさぞ複雑だったであろう。
ただ気になったのは、親子鑑定のために闇医者秘蔵のDNA鑑定キットが登場するが、これってサーマルサイクラーとシーケンサー(機械)が必要なんじゃという。
要はキットだけあっても、あの世界じゃ使い物にならないんじゃないかなと思ったのだが。
サンプルは毛髪だったようだが、どちらにしろ抽出したDNAをPCRで増やして分析かけないと鑑定できないだろうと思ったのだが、野暮なツッコミだろうか。
キットでDNAを抽出できたとしても、増幅以降は多分無理じゃないかなあ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ香蘭から漂うリケジョ臭。
女性らしい生活、お洒落、美醜は二の次で、医学のためならぼったくりな闇医者にも頭を下げて教えを乞う。
若さ故に突っ走る部分もあるが、彼女の行動はいつも一本筋が通っていてブレていないところに好感が持てた。
しかも、嫌がらせを受けても乗り越えられるスルー力と有能さよ。
女性らしさは後半に唯一舞や歌で見せたが、基本的には研究熱心で真面目に仕事と向き合う、自身に力が足りないとなれば、それをちゃんと認めた上で師匠に助けを求める。
あの年でここまでできるのはそういないと思う。
闇医者・白蓮の正体には正直驚いて、その後妙に納得した。
なるほど、Web小説によく見られるパターンの方だったか。
普通なら彼視点での主人公無双で話を進めそうだが、あくまで彼の弟子視点からの話だったのがユニークだった。
実際、彼は無双しまくってはいたが。
彼一人でいいんじゃないかなというほど万能キャラ。
まあ正体が正体だから。
東宮と顔馴染みなこと、これまで色々苦労してきたと公言しているのもあり、彼のこれまでの人生だけでも一本話を書けそうである。
番外編でもいいから、読んでみたい。
でもそうなるとありきたりのWeb小説になってしまうか。
でも気になる。
基本は町で「現代的な」治療をしつつ香蘭の成長を描き、後半は後宮で医者として事件を解決する話へ。
悪意に満ちた噂の主を突き止めても、完治しない病。
果たしてそれは。
悲しい結末と思わせておいてからの真相、それを用意したのは無論白蓮。
全ては彼の手の上か。
ただそんな彼すら翻弄するのは香蘭のようで。
最後の彼の言葉が気になるところ。
彼が得たものを想像すると、にやけてしまうのは自分だけだろうか。