ティム・インゴルドのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
家庭医です。今年読んだ書籍の中で最も刺激的な本の1つです。これまでに素朴に抱いていた教育という概念のイメージが、ガラッとかわりました。1ページ1ページの内容が濃密で、なかなか読み終わりませんでした。
知識の一方的な伝達である訓練とは違い、教育は相互性があり、そして相互の変化が伴う。それはある種の不安定さの上でおこるが、交感(コレスポンド)するなかで変化が生まれ、そして成長と発見に繋がる。かりそめの安定につながる理解(understanding)ではなく、終わりのないプロセスとして共有していく(undercommoning)。
ティム・インゴルドのいうように教育を捉えるのであれば、医療は多分 -
Posted by ブクログ
こういうガチ賢い系の本初めて読んだけど 理解できることとできないとこがあってすごく楽しかった。自分には良い難易度だった。
人類学とはっていう題名だけど「学問とは何か」についても新たな視点を得られた。科学をみんな信じてるけど、実験室でデータを集めて良い感じに解釈してるのをそれって真実として信じきってしまっていいのか、みたいな。(やばい語彙力無い)
筆者は元理系だけど、そういう科学で正しいと言われてることは全て正しいとも限らないという脆弱性を感じて、より真髄の当たり前から疑う人類学というものに入り込んでいったそう。人類学は哲学とも社会学とも似てるけど違って、(どう違うかの詳細はしっくりきたけどちょ -
Posted by ブクログ
150ページほどの短い文章ながら、読めば思索が深まる体験を得られる、そんな素晴らしい本に出会いました。
本書は、ティム・インゴルドの研究領域である「人類学」を改めて問うてみた内容となっています。
インゴルドの本は、アート・芸術・建築関係から邦訳された経緯がありますが、本書はそれらとはまた違った学問について語られています。
では、人類学とはなんなのか?そして、インゴルドのいう人類学とはどんなものなのか?
第一のポイントは、他者を真剣に受け取ること、です。そのことが本書の第一章で語られています。今までの人類学は、他者を研究の対象とすることでした。フィールドワークにおいてもそれはあり -
Posted by ブクログ
人類学を始め、人文科学、自然科学に一定の素養がないと、著者が、これまでの人類学の、どのような点に問題があると考えているのか、どうすべきと考えているのかについて、なかなか理解が難しいだろうと思う。
著者は言うー私の定義では、人類学とは、世界に入っていき、人々とともにする哲学である。
実に魅力的な言辞であり、著者は、それがどのようなものであるか、なぜそうした捉え方が必要とされるのかを、幅広く、深く考察していく。
訳文のおかげもあるのだろうが、著者の論旨自体は明晰であるし、論点も明確に示して叙述されているのであるが、いかんせん、当方の読みがついて行けないのが残念。是非再チャレンジしてみ