ジョーン・エイキンのレビュー一覧
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帯の売り文句は『ガーディアン賞、エドガー賞受賞の名手が贈る短編集』。読み終わったときフワッとした気持ちになった。不思議なお話が13切れ合わさって一つのケーキになった。小学生高学年から十分に読める内容。ファンタジー好きにはたまらない。三辺律子さんの軽やかな訳に、さかたきよこさんのカバーイラストが彩りをそえる。どれもこれも可愛く不思議。特に『オユをかけよう!』『銀のコップ』が好きかも。珠玉のベイカーズダズン。シリーズ『ルビーが詰まった脚』『お城の人々』も読みたい。
訳者あとがきで紹介されたエイキンの言葉『作家の任務とは、子どもたちにむかって、この世界は単純な場所ではないことを示すことだといえるで -
Posted by ブクログ
児童文学作家として有名で、本は必読書のように、どのブックリストでも目にはしていたエイキンの「しずくの首飾り」
一度手に取ったものの、読まなくてはーという義務感から以前は楽しめず読み切れずじまい。
今回、語りで「しずくの首飾り」を聞く機会があり、その色彩豊かで楽しい世界に魅了され、文庫版も出たということで手に取ると、不思議で日常から解放される楽しさを味わうことができた。
昔話のような繰り返しがあり、ストーリーはシンプルだけど、一粒増えるたびに水を操る力が増えるしずくの首飾りや、空のかけらを一緒に練り込んだ空飛ぶパイ、イースト入りのミルクを飲んで大きくなったネコ、卵から生まれた一本足の家…想 -
Posted by ブクログ
『月のケーキ』より大人向けの印象。子どもが楽しめそうなのは「ハンブルパピー」。あとは「キンバルス・グリーン」くらいか。「葉でいっぱいの部屋」もいいかもしれない。ちょっと怖いけど。
「上の階が怖い女の子」は救いはあるがかなり怖い。
しかし「希望(ホープ)」や「聴くこと」はちょっと子どもには無理じゃないかと思う。「変身の夜」もシェイクスピアのセリフしか喋らない狼憑きの紳士というのが、子どもにはイメージしにくいかも。
じゃあこの本はあまり良くないかというと、そんなことはなく、私は「希望」と「聴くこと」はかなり好きだ。特に「希望」。
辛辣で愛想が悪く、人から好かれないオールドミスのハープの先生、ミス・