ガストン・ルルーのレビュー一覧
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アーサー・コピットさん脚本の「ファントム」を以前観に行ったのでせっかくならとこの本を読んだ。けっこう内容が違うのね!
「ファントム」の良さを語るのは割愛するとして…この作品に登場するエリック、つまりファントムは前半かなり怖い。本当に人間なのかと疑うくらいだった。後半のペルシャ人の手記あたりからファントムの人間味が徐々に描写されていく感じだった。なので後半を読みすすめるとちょっと胸が苦しくなる。特にファントムがクリスティーヌに言った台詞「愛されさえすれば〜」は、幼少期から孤独に生きていたファントムの背景を想像すると涙なしでは読めない。
最期まで孤独な人だったなという印象だったけど、解説を読むこと -
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怪奇小説として有名で、映画にも舞台にもなった有名作品。
ダリオ・アルジェント版の映画版(怪人が美形で残酷描写が結構ある少女漫画みたいなアレンジ版)を初めて見て,その後に小説の方を読みました。
情熱的なのか、詩的なのか、感嘆的な表現を多用した文章なので何がなにやらよく分からないうちに、話が進んでいくように読めました。物語的にはラウル子爵の言動、クリスティーネ・ダーエの対応がどうにももやもやしたものを抱きました
。むしろこれらの人物よりも,怪人や終盤の主人公とも言うべきペルシャ人の方が印象に残りました。何ともいえない不可思議な雰囲気は、確かに一読の価値があると思っています。 -
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ネタバレ怪人の愛と悲劇。
劇団四季を観に行ったので。本当は観る前に読みたかったのですが、ちょっと取り掛かりが遅く。原作とミュージカルは割と印象が違った。原作の細かい部分をそぎ落とした感じ。
ラストで怪人の気持ちがわかってしまったような、一緒に震えたような、そんな自分に驚く。愛するということは、どういうことか。愛されたことのない怪人が、自分への愛を感じて、愛を知り、クリスティーヌを開放する。ラウルとクリスティーヌは身分としては結ばれない恋だった。この事件と共に二人は行方をくらます。世間に広まるのは、一連の悲劇。怪人を掘り下げたという宝塚の方も、機会があれば観たい。 -
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最近、こういうレビューが多いけど…
最初に期待したハードルを越えられなかった、それだけにとどまらず大残念作でした。
事件の謎は魅力的やったんやけど、探偵のキャラも今ひとつ、後出しと思わせぶりが必要以上に多過ぎ(と個人的には思え)て興ざめする、最後に語られる真相(の一部)が強引すぎて納得いかない、等々。
まあ、最後の部分はそれ自体はこの事件の本筋とは直接関係ないし、ただ作者としては最後のビックリを狙ったのかも知れんけど、「それはないやろ〜」って感じでした。
作中で探偵役のルールタビーユがやたらと気にする「黒衣夫人の香り」
「そんなタイトルの小説あったなぁ」と思ってたら、解説で戸川安宣さんが「 -
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オペラ座の怪人は、なんとなくあらすじを知っている程度。
音楽の天才で、でも顔が醜いゆえに素顔を見せずにオペラ座の地下で暮らすエリック。
ラストぎりぎりまでは無理矢理クリスティーヌを連れて行こうとしたり、全てエリックに操られているような感じ、不気味でいかにも怪人という風に思っていたのですが、最後にクリスティーヌは自分を愛してくれないと諦めようとするところがすごく人間くさいと思った。
金田一少年の事件簿でオペラ座の怪人をモチーフにした話の中の「地獄の業火に焼かれながら、それでも天国に憧れる」というような台詞が好きだったのですが、こちらにはないんだな〜。あるものだと思い込んでました。 -
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フランス有数の頭脳、スタンガースン博士が住む
グランディエ城の離れの一室で、惨劇は起きた。
内部から完全に密閉された《黄色い部屋》から響く悲鳴。
ドアを壊して駆けつけた一同が目にしたのは、
荒らされた室内と、血の海の中に倒れた博士の令嬢の姿のみ。
令嬢を襲った犯人はいったいどこへ消えたのか?
この不可解な事件と、続いて起こる怪事件の謎に挑むのは、
若干18歳の青年新聞記者ルールタビーユ。
密室ミステリの金字塔にして、
世界ベストテンの上位に選ばれる名作古典ミステリ。
原題「Le Mystere De La Chambre Jaune」。
「Mystere」のひとつめのe