大愚元勝のレビュー一覧
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私たちが、誰かを憎い、羨む、嫉妬、怒りなどの感情や意識を向けるとき、それは環境のせいやアイツのせいと、今私たちが辛いのは特定の誰かのせいだと感じるとき、その本質の原因は自分自身かも知れないと気付かせてくれる良書である。
さて、同族嫌悪という言葉がある。今の自分と認めたくない自分の部分が同じであれば不快感を示す。これは自分自身の未熟さを理解することで解消することができる。本著で言うところでは、気づきや手放すことで解消できるとする。
多くの場合に、その感情や動機は執着から来ているのではないか、または、その一方的な想いは偏執ではないか、本著を通して得られるのは、自分の無知を知り、今を生きる大切さ、執 -
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大愚和尚による悩みに対する仏教の考え方の教科書的な本。大愚和尚の本は色々読みましたが、一問一答とかトピックをただ本にしたようなものが多かった気がします。この本は心をどうコントロールするか悩みにどう向き合うかを体系的にまとめているので、大愚和尚の本では一番好きです。
心の中に発生するつらさ、苦しさは自分が生み出しているという導入から始まって、怒り、嫉妬、悲しみ、不安、焦り、恐怖といった感情に対してどう向き合えばいいのかが書いてあります。
どの感情も自分自身が作り出して、増幅させたりしてるなと思います。
自己肯定感は高めようと思って高められるものではないというところも印象的でした。他人に肯定されよ -
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焦りを防ぐために優先順位をつけることと、自分の正しさを棚に上げてしまうことで相手を軽蔑してしまうことについて強い関心を持ちました。
嫉妬や恨みつらみについて自身の見解や他者の見解についてよくギャップを持つことが多かったのですが、本書を読んでそのギャップの理由に気づけた気がします。
自分のあり方、他人との関わり方、ひいては社会の在り方について思いを巡らせることのできる内容でした。恋人などの対人関係にも当てはまる内容でした。
相手が悪いと決めつけないこと、自分が正しいと思い込まないこと、何故そう言えるのかをそれぞれ具体的な例を示してご教授頂けたので、これからの生活に生かせそうです。
今度 -
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マインドフルネスの講師として招かれた会社のセミナーの冒頭が「起立!礼!」と規律を重んじる学校のようだったため、それ以来、この手の依頼は受けないことにしているという。「DVをしている家族の感覚を麻痺させてくれ」と言わんばかりだ、と大愚元勝さんは記す。確かに上意下達の組織文化にマインドフルネスは危険なツールになりうる。痛み止めの麻酔だ。もし自分がマインドフルネスを駆使しないとやりすごせないのなら、その環境や職務は自分の自己犠牲の上に成り立っていると認識する必要があるだろう(ストレスがつきまとう改善活動は別ね)。
「仏教は宗教でなく、心の科学である」という考え方にも共感する。本来、ひとりひとりの内 -
Posted by ブクログ
まさか昔お世話になっていた先生が本を出されていたとは知らなかった。内容自体はある意味ありきたりかもしれないが、仏教が切り口になっていること、また本人をよく知っているからこそ、なんか新たな感覚で自分の中に入ってきた感じがする。
自分を見つめ直し、自分の考え方や心の持ちようをプラスに持っていくことが大切。他人と比べて妬ましいと思うことや、他人のことを嫌ったりイライラしたりすることは、全て自分の内側から発生しているんだと自覚する。他人を羨ましく思い妬ましいと思ってしまう対処法が、他人の成功を一緒になって喜ぶことというのは目から鱗だった。(もちろん対象から離れるというのもあるが。)
あと、安定した心の