岡崎暢子のレビュー一覧
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ロタ・ロマーナ(バチカン裁判所)の弁護士をしている著者が、自国の韓国の大学でおこなったラテン語の講義の記録をもとにした書。今の時代、教会の裁判所とはどんな役割を担っているのか、ちょっと想像できないがそれはさておき。ラテン語の文法の話も出てくるが、それ以上にラテン語のさまざまな言葉を通じて、歴史、宗教、哲学、そして人生について考える書と言った方がよいだろう。宗教者として学生たちに語りかけている言葉が、静かに心のうちに流れてゆく。日常の些細なことでざわついた心を落ち着かせるように静かに語りかけてくる。
歴史的なラテン語の格言なども多く引用され、ラテン語の入門書としても面白い。ただ、文法上の説明につ -
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教養本というか哲学書だった。
ラテン語とキリスト教は切り離せないからきっとそうなる。
ミッション系の母校でキリスト教の授業があり、当時は「イエス様、たとえ話またキターー!」とかおちょくっていたのだが、世界の教養を学んでいたと思うと有り難い時間だった。
言語にはその国の歴史や国民性が滲み出ている。それが学ぶ人にも意識的・無意識問わずゆるりと染み渡っていくのが面白い。
英語にはもう、その文化を煮詰めたような旨味はないかもしれないがその根底にもラテン語が潜んでいて、私たちは知らず知らずに古代ローマの滴を啜っている。
あぁカエサル!2000年も経った今、私が極東の地であなたの言葉を味わっています -
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スペイン語やフランス語をかじっているのですが、ラテン語系と漠然と一括りにしていて、活用の「格」が複雑…と思ってた、それらがラテン語から来ているらしい!と教えてもらいました。
そもそも惣領冬実先生の「チェーザレ」を読んでいる最中で、話の中に若いチェーザレがラテン語を理解し、きれいな発音で相手に返す、というようなシーンがあり、ラテン語って!?と思っていたところで読み始めました。
ラテン語の文法だけを学ぶ本ではないですが、ラテン語が、特にキリスト教に関わってきた歴史を、かすかに知ることができました。
かすったので、もっと知りたくなる…(笑)死ぬまでにもう少し知ることができますように…
実は、語 -
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ラテン語の名句が各章で取り上げられるのだが、その名句に含まれる一つ一つの単語が丁寧に解説されている。英語、スペイン語を学んでいる自分には、ラテン語が語源となっている英語、スペイン語の単語をいくつも知ることができて、言語の奥深さを感じることができた。
著者はキリスト教だけでなく仏教、儒教をはじめとした様々な宗教に造詣が深く、ヨーロッパの様々な言語、世界史や法学にも精通している。真に学問を追究してきた人が紡いだ言葉には、重みがあった。
その一方、韓国ではやはり日本人による征服の歴史が根を張っていることをこの本から感じた。歴史と、日本人に対して複雑な感情を抱く人も韓国には少なくないという事実を、 -
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借りたもの。
“語学として”のラテン語教本ではなく、ラテン語格言・名言などを通して、様々な価値観、生き方の教訓を学んでゆく本。「教養」とは、ラテン語格言に込められた欧州的価値観……否、そうした地域を限定するものを超えるものを紐解いていく感じの本だった。
そこから見えてくるのは、欧州の「古代ギリシャ・ローマの現文明こそ自分たちの根源である」というプライド。
ラテン語から紐解かれるルーツには、欧米の歴史やリベラル・アーツの話、さらにさかのぼってインド・ヨーロッパ語族に至る。
既にネイティブが存在しない言語なので、発音はどのようなものなのか、ローマ式発音(スコラ発音)、古典式発音(復元発音)がある -
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この著者の1冊目が結構売れてるのを知らず、こちらから読んでしまった。1冊目を読んでなくても(そして読まなくても)おそらく問題はないでしょう。
内容はタイトル通り。日常の些細なことに、あーでもないこーでもないとグダグダ…でもまあ、世の中にはいろいろな人がいるし、見方を変えれば悪いことばかりじゃないというような、今更目新しくもないエッセイですが、この著者ならではの物事への斬り込み方や、日常生活レベルの韓国事情が垣間見えるのは、日本人のものとは少々違ったおもしろいところかと思います。
また、外国人が書いた、このような脱力系エッセイで、翻訳されているものは他に記憶がありません。私が知らないだけでしょう