加藤秀治郎のレビュー一覧
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山本健太郎著の「政界再編」を読んで、1994年に小選挙区比例代表並立制が導入されたことで政党の戦略が多く変わったことを知りましたが、本書を読んで、選挙制度によって政治が大きく変わりうるという認識をより強く持つようになりました。
本書では、外国の選挙制度とも比較しており、日本の選挙制度がいかに稀有なもので、理念のないものだと述べています。
参議院に対する問題意識や、サラリーマンなどの被雇用者が選挙に立候補しづらい選挙制度に対する問題意識も述べられており、選挙制度について考えるいいきっかけとなりました。
初版は2003年ですが、2013年に補足解説が追加されており、また当時の選挙制度から大きく改革 -
購入済み
購入して正解。
これまで、関連書籍2種類を読みましたが、いずれも読了はしたものの、内容を理解できたとはとても思えませんでした。
しかし、本書は、少なくとも「自分としては理解できたように感じる」ことができました。
そうした意味で、(研究者の方は別として)一般向けの良書だと思います。
また、長らく色褪せず各国で教科書的に読まれるという意味で、やはり名著と呼ばれるにふさわしい内容だと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
とるに足りない些末な問題と見られがちな選挙制度だが、政治全般に及ぼす影響力は決して小さくない。
「選挙制度が適切なら何もかもうまくいく」という哲学者オルテガの言をまつまでもなく、選挙は民主主義をいかなる形態にも変えうる力を秘めている。
小選挙区制や比例代表制の思想的バックボーンをわかりやすく紹介し、「選挙制度のデパート」と揶揄される無原則な日本の現行システムを改善するための道筋を示す。
[ 目次 ]
第1章 日本的「選挙制度論」の虚妄―こんな議論では改革はできない
第2章 民主主義思想と選挙制度の類型―各選挙制度はどんな理念にもとづくのか
第3章 選挙制度の細目とその作用―細か -
Posted by ブクログ
19世紀に刊行されて以来、不朽の名著として読み継がれてきたクラウゼヴィッツの『戦争論』。難解で知られる、この大部の著作のエッセンスを、読みやすい新訳で伝える書籍。
戦争とは、「相手に自らの意志を強要するための、実力の行使」である。
敵に自らの意志を強要するには、敵が軍事行動を継続できないほど、不利な状況に追い込まねばならない。
戦争は、政治目的から始まるものであり、政治・政策が軍事行動に間断なく影響し続ける。つまり、戦争は、政治的交渉とは別の手段を用いて、政治的交渉を継続する行為といえる。
戦争は、次の3つの面からなる。これらは戦争の本質に深く根ざしており、その重要性はその時々に変化する