大瀬戸陸のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ何度か広告で見たことがあったので前からほんの少し関心があったんですが、とりあえず1巻触れてみようといざ読んでみたら想像以上に読み応えがあり6巻まで一気に読み終えました。
決めどころの構図がバチバチにキマってて迫力あるしかっこいい。演出も凝ってて面白い。
ねずみちゃんと碧くんの日常はとてもかわいらしく、残酷で退廃的な描写も強い緊張を感じさせます。どちらかの要素だけ味が濃いとかではなくどちらも十二分に魅力的に描けているのがすごい。
絶望的だからこそ2人の恋人としての初々しいやりとりが沁み入り、突如日常が壊される衝撃が高まり、その緩急が互いに互いを引き立たせていてすごく面白いです。 -
ネタバレ 購入済み
長くは続かない、穏やかな日常
藍原組との壮絶な戦いから数ヶ月。瀕死の重傷を負ったあお君も回復し、ねずみとふたりで静かな日々を取り戻していた。殺し屋という現実を抱えながらも、新しい家でささやかな幸せを築こうとしている二人の姿は、一瞬だけど確かに「普通の生活」を感じさせる。
だけど、その平穏はあまりにも脆かった。ある日訪れた、一人の少女。その存在が、再び二人を戦いの中へと引き戻していく。
今度こそ守りたかったはずの生活が崩れていく中で、ねずみとあお君は選択を迫られる。そして明かされる事実は、予想していたよりもはるかに不吉で、逃げ場のないものだった。
愛し合うほどに、深く沈んでいく二人の運命。読んでいて息が詰まるような、け -
ネタバレ 購入済み
少女は牙を剥く
あお君は試練を超え、ねずみと共に「殺し屋」としての生活を始めた。普通の幸せを諦め、それでも隣にいるために選んだ生き方だった。でも、その決意すら簡単に壊されてしまう。
仕事の途中で現れたひとりの少女、メシア。その出会いがきっかけとなり、あお君は敵対組織に奪われる。ねずみは、ただひとり彼を取り戻すため、相手の本拠地に向かう。どれだけの敵が待っていようとも、彼女は迷いなく歩を進める。その姿に、覚悟と狂気が滲んでいて背筋が冷えた。
ふたりが選んだのは、愛のために人を殺す道。だけど、その愛が純粋すぎるほど、何かが壊れていく音が静かに響く。メシアという存在も絡み始め、歪んだ関係はさらに深みにはまってい -
ネタバレ 購入済み
愛と狂気が交差する
『ねずみの初恋』2巻は、「普通の幸せ」を願った二人が、その手で人を殺す決意を固めるまでの過程が、息苦しいほど丁寧に描かれています。
ヤクザに育てられた少女・ねずみと、普通の青年だったあお君。最初は不器用ながらも穏やかだった二人の関係が、「生きるため」にどんどん歪んでいくのが痛々しくて、でも目が離せませんでした。ねずみの覚悟も、あお君の変化も、どこか美しくさえあって、それがまた残酷さを際立たせています。
「愛のために人を殺す」というテーマが、ここまで説得力を持って迫ってくるとは思わなかった…ラストの「その日」を迎える場面では、手に汗を握りながら読んでいました。胸がざわつくけど、続きが気になっ -
ネタバレ 購入済み
恋を夢見る少女は、暗殺者
暗殺者として生きる少女が、初めて抱く恋心を描いた物語。
誰かを想い、普通の女の子のように恋をしてみたいと願う彼女。しかし、その願いは決して叶わない。人を殺すことでしか生きられない自分と、穏やかな日常を求める気持ちの間には、越えられない境界がある。
ささやかな優しさや、甘く静かな時間の裏側に、彼女の「本当の自分」がじわじわと影を落としていく。淡い恋と冷酷な現実が並び立つ、不穏で切ない物語。 -
ネタバレ 無料版購入済み
ねずみちゃんというかわいい普通のJKに見える女の子が実は裏世界の住人だった…というところまでは時々ある設定かもしれませんがその女の子の、至って普通に見える男の子との恋、というのはなんだか新鮮味を感じました。なにより作品の台詞回しの間や、ねずみちゃんのキャラクターとしての雰囲気がすごくオリジナリティを持っている気がします。
-
Posted by ブクログ
第17話 水遊び
碧は水を抜いた深いプールで拷問を受けていた。
雨が降っている。
全裸でドラム缶に椅子ごと縛られている。
もう用済みになったから、
メシアがチェーンソーを持って殺しにきた。
千草が見守っている。
避けて肩を切られる。
だが、ドラム缶との縄も切れた。
碧は椅子を背負ったまま逃げる。
メシアに背中を切られた。
そして、首を切られそうになり、
「この前一回見逃したから一回見逃して」と頼んでみる。
聞かない。
ねずみのことを思い出し、
最後にカップラーメン用意していたことを思い出して
お腹が鳴った。
するとメシアが手を止め、舌打ちした。
メシアはハンバ