【感想・ネタバレ】ねずみの初恋(3)のレビュー

あらすじ

組織の試練を乗り越え、無事生き延びることができたあお君。殺し屋としての「新しい生活」をねずみと送っていたが、仕事中に遭遇した少女・メシアによって、敵対する組織に誘拐されてしまう。あお君を奪われたねずみは、単身、無数のヤクザが待ち受ける敵の事務所へと乗り込んでいく‥‥。

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ヤクザに殺し屋として育てられ、人の愛を知らずに生きてきた少女、ねずみ。
偶然出会った普通の青年、碧(あお)から一目惚れであると告白され、とまどいつつも恋に落ちるねずみ。
彼女は自分の仕事を隠し共に暮らし始めますが、碧はねずみの仕事現場を目撃していたのです。
そのことが組織にバレ、碧を殺すように命じられるねずみですが…。

プリクラ機の中での殺人シーンから、幼少期のねずみの肉体を弄ぶヤクザと、物語の冒頭から凄惨なシーンが続きます。
主人公ねずみの可愛らしさ、人殺しを生業としながらも失わない純粋さ。
それ故に彼女の壮絶な生い立ちが際立ちます。
闇の底に沈んだような、暗く鈍い光を湛えるねずみの瞳。
それが碧と出会ってから大きく変化します。

特殊な生い立ち・環境で過ごすねずみと比例し、あまりに “普通”の碧。
逆にこの物語の中では異様さを感じてしまいます。
碧が明るければ明るい程、物語の中に落とす影は濃く感じるのです。

ねずみの幸せを願いつつ、絶対このままハッピーエンドにはならない…という予感を感じながら読み進めると、やはり大きな障壁が訪れます。
ねずみの誕生日に碧が手配してくれたディナーデート当日、突然入った殺しの仕事。
そこにいたのは組織に捕らえられた碧。
ねずみが自身の手で彼を殺すか、二人とも殺されてしまうのか…!?
こんな絶望があって良いのか!?と思ってしまいますが、物語はそこで終わりません…。
さらなる衝撃の展開が待ち受けているのです…。

精神的にも、肉体的にもハードな展開が繰り広げられるノワールストーリーではありますが、そんな中で命をかけた二人の愛がどうなるのか…!?
注目の作品です!!

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ネタバレ 購入済み

少女は牙を剥く

あお君は試練を超え、ねずみと共に「殺し屋」としての生活を始めた。普通の幸せを諦め、それでも隣にいるために選んだ生き方だった。でも、その決意すら簡単に壊されてしまう。

仕事の途中で現れたひとりの少女、メシア。その出会いがきっかけとなり、あお君は敵対組織に奪われる。ねずみは、ただひとり彼を取り戻すため、相手の本拠地に向かう。どれだけの敵が待っていようとも、彼女は迷いなく歩を進める。その姿に、覚悟と狂気が滲んでいて背筋が冷えた。

ふたりが選んだのは、愛のために人を殺す道。だけど、その愛が純粋すぎるほど、何かが壊れていく音が静かに響く。メシアという存在も絡み始め、歪んだ関係はさらに深みにはまっていく。

ねずみの愛がどこへ向かうのか。あお君の心はどう変わるのか。不穏さがじわじわと染み込むように迫ってくる巻だった。

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2025年03月18日

Posted by ブクログ

第17話 水遊び
碧は水を抜いた深いプールで拷問を受けていた。

雨が降っている。

全裸でドラム缶に椅子ごと縛られている。

もう用済みになったから、

メシアがチェーンソーを持って殺しにきた。

千草が見守っている。

避けて肩を切られる。

だが、ドラム缶との縄も切れた。

碧は椅子を背負ったまま逃げる。

メシアに背中を切られた。

そして、首を切られそうになり、

「この前一回見逃したから一回見逃して」と頼んでみる。

聞かない。

ねずみのことを思い出し、

最後にカップラーメン用意していたことを思い出して

お腹が鳴った。

するとメシアが手を止め、舌打ちした。

メシアはハンバーガーを持ってきて、碧の口の前に差し出した。

「食べろ。その後殺す」

中庭で大森が殺されたのが発見されたと千草に知らせが入る。

第18話 奇跡
千草によるとメシアは腹が鳴る音に似ているから雷が嫌い。

碧はメシアの手からハンバーガーを食べる。

雨が降っている。

チェーンソーを手放させるために

「傘をさしてくれないかな?」と言った。

せっかくもらったのに雨と一緒に食べるのもあれだなぁ。

メシアはイラついたのか、碧の顔にハンバーガーを押し付けた。

碧が「雨がやんだら食べるからっ」と大きな声を出すと

一瞬だけ雨が止み光がさした。

雲の隙間だ。

タイミングに大笑いする碧とメシア。

大森が殺された場所には監視カメラがあった。

千草の命令で藍原組のひとりの新沼がデータを確認している。

映像でねずみを確認したときには、

背後にねずみが近づいていた。

第19話 遭遇
千草とメシアの出会い。

千草と大森は

組の金持って女と飛んだ相島という男の家に来ていた。

風呂場に監禁され餓死寸前だったのがメシア。

餓死寸前にも関わらず

メシアは中指を立て「かってにはいってくんな、ころすぞ」と言った。

新沼がデータをチェックしている部屋は吹き抜けの階段の先にあった。

上から山下(藍原組のひとり)の死体が落ちてきた。

ねずみが優雅に階段を降りてくる。

状況がのみこめない藍原組。

ねずみは一階にいる藍原組の人数を数える。

12人。

12人の男達は大きな声を出しながら、

刃物を持ってねずみに向かって階段を登ってきた。

第20話 神様
ねずみが次々と殺していく。

藍原組の下っ端からの視点。

そいつもねずみの顔をはっきり見た次の瞬間、空中を舞っていた。

刺されて落ちたのだ。

そして死んだ。

千草はメシアを呼んでくると言い残して、去った。

第21話 救済
ねずみはその場にいたものを全員殺した。

死体の数は40は超えているように見える。

返り血を浴びている。

マリア像、藍原組のひとりが身につけていた十字架が映し出される。

サッカーボールと男の子の幻覚。

雨は止んでいた。

千草ともう一人、メシアのところに着いた。

メシアは碧の首を絞めていた。

メシアは千草に

チェーンソーを使え

と言われるが

「こいつはアタシが直接救ってやることにした」と答えた。

アタシが救われるためには、

ただ導かれてるだけじゃだめだと最近わかってきた。

千草は「全部終わったら、なんでも食べたいもの食べに行こう。

メシアはわしが幸せにしたる」と言った。

それがメシアを働かせたいからなのか、

他の感情があるのかわからない。

(私にはわからない、読み取れないと言う意味です)

碧は呻いている。

上から千草は早く上がってこいと言う。

どいつもこいつもうるさいと、

メシアは碧に唇を付けた。

目が点になる千草。

同時に隣にいた人物がねずみに殺された。

ねずみはメシアと碧が唇をくっつけているのが見えた。

ねずみ「ふぇっ…?」

第22話 救世主
子どもの落書きのような世界。

魚が空を泳いでいる。幼いメシアがそこにいた。

そこは「尊い死を迎えたものだけが訪れることができる

死後の世界。楽園、エデン」だ

と空飛ぶクジラがメシアに言った。

メシアはそこに来れたことを喜んだ。

しかし、まだ早かったみたい。

と、千草たちに発見された場面に戻ってしまう。

くじらの声が聞こえてきた。

「大丈夫、君はまたこの場所に導かれる。

それまでは間違えちゃだめだよ」

『救世主』という表題にちょうどねずみの姿がかさなる。

ねずみがメシアの救世主なのか。

ねずみは碧とメシアのそばに降りた。

チェーンソーで向かってくるメシアを蹴り飛ばした。

メシアは建物の中までふっ飛ばされた。

10メートルは飛んだのではないか。

ねずみは着ていたワンピースを碧にわたし、

自分は下着姿になった。

碧にこれ(ワンピース)を着て安全なところにいるように言った。

腹を蹴られたメシアは

「いつか必ずそのときはやってくる」というくじらの声を思い出していた。

まじか…

と、とても嬉しそうな顔をする。

やはり、メシアの救いは『死』なのか。

ねずみとメシアの一騎打ちが始まる。

第23話 ねえ
ねずみが殺したたくさんの死体をみて佇む碧。

ワンピースを着た後ろ姿だから、表情は見えない。

メシアがチェーンソーでねずみに襲いかかる。

「おかえし」だと蹴りを入れた。

ふたりはガラスと突き破り戦いの場は再びプールになった。

ねずみがメシアに馬乗りになる。

メシアの目にはねずみの背後の空の遥か遠くにエデンの魚が見えた。

ねずみはメシアに「ねぇ…さっきちゅーして…た?」と聞いた。

メシアはチロチロと舌を動かし煽った。

ねずみが動揺したのか、メシアの反撃。

手首が折れるほどねずみを殴り、今度はメシアがねずみに馬乗りになった。

ナイフでねずみの喉元を狙う。

生死が関わっているのにねずみは「ちゅーしたことを許さない」と言って、

ナイフを持つ手を押さえ起き上がろうとする。

第24話 エンジェルベイビー
再びメシアが室内にふっ飛ばされた。

冷蔵庫にはメシアの名前が書かれたハンバーガーが

たくさん入っていてその中の一つを食べる。

隣に千種が体育座りをしてメシアを心配そうに見つめている。

メシアは笑顔でピースした。

千草に「じゃまするなよ」と言った。

碧はナイフを持って建物の外を歩いている。

傷がかなりひどいようだ。

途中ねずみに会い顔の傷の心配し、声をかける。

ねずみは目が合わせられない。

ねずみが建物に入るとメシアが上から襲ってきた。

死体を踏みつけながら激しく戦うふたり。

メシアは首をきられ、再び空の下に飛ばされたとき、

空の近いところにエデンのクジラたちが見えた。

笑うメシア。

ねずみはトドメを刺しにむかう。

しかし、碧を人質にした千草がねずみに声をかけた。

「メシアからはなれろ」

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2024年09月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

雑誌「ヤングマガジン」で連載中の大瀬戸陸による「ねずみの初恋」の第3巻。殺し屋として育てられた少女ねずみちゃんと普通の青年あお君の出会いから始まるお話です。本巻はねずみちゃんによる敵対組織に拉致監禁されているあお君の救出作戦です。非日常のみ。60人以上いる組織の人間を一人でほぼ壊滅させるねずみちゃんが強すぎる。ねずみ vs メシアは手に汗握る展開でした。武器が反則。そしてあお君が殺し屋として成長している。ねずみちゃん、メシアともに根本が壊れていて、あお君は急速に壊れていっている感じ。実写化して欲しいな。

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2025年07月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1個前に殺した男の子のサッカーボールでてきて泣けた。ねずみちゃんめちゃくちゃ純粋無垢で可愛すぎる…キスじゃなくてチューなのなんかいい。カバーの下の絵がまた辛い。

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2025年04月30日

Posted by ブクログ

字が少なくガンガンページをめくっていたら10分で読み終わってしまった。でも、面白かった!
アオ君を助けるための、ヤクザの一味を相手にしたねずみの圧倒的な虐殺。ねずみの導火線に火がついた。

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2024年09月06日

Posted by ブクログ

アオくんとねずみの愛の深さに涙無しでは読めなかった…

この2人がハッピーエンドを迎える想像がつかないw

アオくんと出会って心を持ち始めたねずみ。
子供を殺す事が簡単だと思っていたねずみに心境の変化を感じた巻だった。

アオくんお願いだから生きていて…!

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2025年03月22日

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