あらすじ
組織の試練を乗り越え、無事生き延びることができたあお君。殺し屋としての「新しい生活」をねずみと送っていたが、仕事中に遭遇した少女・メシアによって、敵対する組織に誘拐されてしまう。あお君を奪われたねずみは、単身、無数のヤクザが待ち受ける敵の事務所へと乗り込んでいく‥‥。
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ヤクザに殺し屋として育てられ、人の愛を知らずに生きてきた少女、ねずみ。
偶然出会った普通の青年、碧(あお)から一目惚れであると告白され、とまどいつつも恋に落ちるねずみ。
彼女は自分の仕事を隠し共に暮らし始めますが、碧はねずみの仕事現場を目撃していたのです。
そのことが組織にバレ、碧を殺すように命じられるねずみですが…。
プリクラ機の中での殺人シーンから、幼少期のねずみの肉体を弄ぶヤクザと、物語の冒頭から凄惨なシーンが続きます。
主人公ねずみの可愛らしさ、人殺しを生業としながらも失わない純粋さ。
それ故に彼女の壮絶な生い立ちが際立ちます。
闇の底に沈んだような、暗く鈍い光を湛えるねずみの瞳。
それが碧と出会ってから大きく変化します。
特殊な生い立ち・環境で過ごすねずみと比例し、あまりに “普通”の碧。
逆にこの物語の中では異様さを感じてしまいます。
碧が明るければ明るい程、物語の中に落とす影は濃く感じるのです。
ねずみの幸せを願いつつ、絶対このままハッピーエンドにはならない…という予感を感じながら読み進めると、やはり大きな障壁が訪れます。
ねずみの誕生日に碧が手配してくれたディナーデート当日、突然入った殺しの仕事。
そこにいたのは組織に捕らえられた碧。
ねずみが自身の手で彼を殺すか、二人とも殺されてしまうのか…!?
こんな絶望があって良いのか!?と思ってしまいますが、物語はそこで終わりません…。
さらなる衝撃の展開が待ち受けているのです…。
精神的にも、肉体的にもハードな展開が繰り広げられるノワールストーリーではありますが、そんな中で命をかけた二人の愛がどうなるのか…!?
注目の作品です!!
感情タグBEST3
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少女は牙を剥く
あお君は試練を超え、ねずみと共に「殺し屋」としての生活を始めた。普通の幸せを諦め、それでも隣にいるために選んだ生き方だった。でも、その決意すら簡単に壊されてしまう。
仕事の途中で現れたひとりの少女、メシア。その出会いがきっかけとなり、あお君は敵対組織に奪われる。ねずみは、ただひとり彼を取り戻すため、相手の本拠地に向かう。どれだけの敵が待っていようとも、彼女は迷いなく歩を進める。その姿に、覚悟と狂気が滲んでいて背筋が冷えた。
ふたりが選んだのは、愛のために人を殺す道。だけど、その愛が純粋すぎるほど、何かが壊れていく音が静かに響く。メシアという存在も絡み始め、歪んだ関係はさらに深みにはまっていく。
ねずみの愛がどこへ向かうのか。あお君の心はどう変わるのか。不穏さがじわじわと染み込むように迫ってくる巻だった。
Posted by ブクログ
雑誌「ヤングマガジン」で連載中の大瀬戸陸による「ねずみの初恋」の第3巻。殺し屋として育てられた少女ねずみちゃんと普通の青年あお君の出会いから始まるお話です。本巻はねずみちゃんによる敵対組織に拉致監禁されているあお君の救出作戦です。非日常のみ。60人以上いる組織の人間を一人でほぼ壊滅させるねずみちゃんが強すぎる。ねずみ vs メシアは手に汗握る展開でした。武器が反則。そしてあお君が殺し屋として成長している。ねずみちゃん、メシアともに根本が壊れていて、あお君は急速に壊れていっている感じ。実写化して欲しいな。