独特の味がある
ほんわかした少女が、実は殺し屋として仕立てられていたという話。
この手の話自体は、「ニキータ」以降いろいろ存在する。
主人公がほんわか系というものでも、最近では「バイオレンスアクション」などもこの手のもの。
一方、こちらはヤクザに雇われているという事で、日本においてはよりリアリティがあるかな。
なぜか登場人物のほとんどが広島弁(冒頭で殺されたチンピラも広島弁)というのは、ヤクザのステレオタイプのイメージなんだろうか?
ただし、よくある似非広島弁よりはかなりリアルな言葉使いとはなっている。
絵は、主人公絡みだけやたらとロリ絵で個性的ではあるが、それ以外の登場人物はなかなかリアリティがある。...続きを読む
背景の書き込みなどもしっかりしており、「個性的な顔」を除けばうまいと言える。
「ねずみの初恋」というタイトルからして、今後であった一般男性との恋を続け、殺し屋家業との葛藤を抱える事になるのだと思った。
が、分冊版で少し先を読んでビックリ。
この展開は他に無い、新鮮なもの。
そして、闇が深い。
これなら先ががぜん気になるようになった。
追伸
4巻まで一気に購入。
2巻の後半の新エピソードから4巻冒頭までの一連のエピソード、内容はいいんだけど展開が遅すぎる感。
そのせいで、1巻や4巻はかなりボリュームを感じたが、3巻はかなり短く感じてしまった。
丁寧に描くのは良いが、もう少しスピーディに展開して欲しい。
あと、4巻から急に舞台が「広島」であることを強調するようになっているが、何か気持ちの変化でもあったんだろうか?
宮島の遠景や広電宮島線の駅(電車自体は全く違うが)、広島カープっぽいものなど、急に描写が増えている。
でも、広島の規模であんなにヤクザが死んだら大変だけどね。
4巻ラストからの新展開がどうなるのか、また楽しみも出てきた。
ハガレンの「グラトニー」かと思ったけど。
追々伸
8巻まで読んでみた。
物語のスケール感が大きくなってきており、かなりいい感じに。
「バイオレンスアクション」よりリアリティとスケール感で勝るようになってきた感がある。
一方、舞台の「広島」感はここに来て急に薄れてきた感じ。
カープや電車、宮島の描写も7巻くらいからほとんど見られなくなり、方言以外は完全に架空の都市のように。
あと、6巻ラスト直前の展開が7巻では全く触れられておらず、これには頭が混乱した。
8巻でようやく触れ始めたが、未だに謎のまま残り続けている。