池上嘉彦のレビュー一覧
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1984年の文章がもとになっている本。いまの子どもにはなじみのない言葉や表現が若干みられる(子どもが親に頼まれて空き地でごみを燃やす例など、かなり驚くだろう)が、話している主題は今も古びていない。少し古い文章でも読める中学生ならば問題ないだろうが、本に親しみのない子ども向けであれば、現代的な内容にアレンジして紹介したほうがよい。なじみのない表現が例示されていると、内容がうまく伝わらない。
本書の出版は2022年なので、同テーマで書き直されたものになればよりよかったと思う。(スマホが登場するので加筆はされているだろうが、それにしてもなじみのない表現が多いので子どもたちには伝わりづらい) -
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日常、何気なく使っている言葉遣いから、よくよく考えてみると不思議な表現を見つけて紹介していく。著者は、言葉の不思議な使い方に注目することで、見聞きしたことを伝えるツールではなく、新しい現実を作り出すものとして、言葉を捉え直そうとする。言葉の不思議に対して、一般的な感覚に根差した楽しみ方が書かれているところが面白かった。
例えば、「なぜ『辞書』を『ひく』のか?」「どのうような想像力が働いて、あだ名はつけられているのか?」。普段、何気なく目にしている表現から、こうした疑問見つけ出して、その理由を説明していく。説明の仕方は、「引く」の典型的な意味から、意味が広がりを追っていったり、喩え方の違いから -
Posted by ブクログ
ずっと興味はあったんだけど、なんとなく大学のとき手を出しそびれていた記号論。
仕事として広告という分野に関わることになったことで改めて勉強し直します。
面白いのは広告を始めとして「メディア業界」と記号論など学術分野の関係性。
サービスとして行なっている事象が研究対象であり、批評されつつ、
その研究結果を一番に取り入れ利用していくのもまた同じ主体だったりするわけで。
言葉や表現というものの持つ意味には敏感でいたいなと思います。
すくなくとも態度として。
言葉や表現そのものだけじゃないか。
特にいまのトレンドからするとデバイスの変化やそれに伴うサービスの変化が持つ意味(とそれにともなって変化す -
Posted by ブクログ
人間はさまざまな「記号」、とりわけ「言語」をあやつる。人間の文化的な秩序を確認し、維持し、機能させ、「記号」そのものを操作して、現実を超えた「虚の世界」を創造していくのである。「記号論」を具体例を交えてわかりやすく解説した一冊。
「人間は「構造化を行なう動物」であると言われる。自らを取りまく「外界」を主体的に意味づけ、価値づけ、自らの住む世界として秩序化していく。これは「自然」を「文化」に変える営みであり、そのような営みを主体的に行なうという点で、人間は本能に縛られ「自然」の域にとどまらざるをえない他の動物と異なるというわけである。」
私たちが当たり前に使っていた「言語」は「記号」なのであ -
Posted by ブクログ
人間は、自分のまわりの事物に対して意味づけをしないではいられない存在である
コミュニケーションとは、自分が頭の中に抱いている抽象的な広義の思考内容のコピーを相手の頭の中にも創り出す行為
言語が有する固有の価値
実用的機能 すでに決まっている一定の意味内容を運ぶ手段
美的機能 言語そのものが新しい意味作用を生む ex. 詩的機能 既成の体制の枠を超え、新しいものを生み出す創造的な働き
コードとコンテクストの相補関係
ある人が本来慣習的に何らメッセージとして機能していないものに意味作用を認め(つまり、メッセージとして捉え)、自らの判断状況に基づいてそれに解釈を与える
主体的な判断(推論)