あらすじ
子どもや詩人のハッとさせられることば遣いからひもとく「ことば」のふしぎ。ふだんは内容ばかりが気になるけれど、ふとしたきっかけでふしぎな姿を現してくる。
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Posted by ブクログ
【目次】
1.ことばの始まり
2.擬声語と擬態語
3.絵文字と文字
4.同音語
5.「音」と「色」
6.なぜ「辞書」は「ひく」のでしょう
7.新しい世界を創ることば
8.「ひゆ」――たとえるということ
9.おかしなことば、おかしな言いまわし
10.「よい」意味のことば、「わるい」意味のことば
11.おさるのおしりはなぜ赤い
12.「かえ歌」と「パロディ」
13.「なまえ」と「あだな」
14.身振りとことば
15.動物の「ことば」
16.人間の「ことば」
おわりに 伝えることばと創り出すことば
Posted by ブクログ
1987年にちくまプリマ―ブックスから出た、同タイトルの本の改訂新版とのこと。
元の本を読んでいないけれど、たしかに、近年の例も出てくる。
内容はむしろ精選されているのかな?
かなり薄い本になっている。
久し振りに池上さんの文章を読んだ。
ことばが無色透明な意味の乗り物であることをやめ、ことばそのものに意識せざるをえない使い方をされたとき、新しい認識の世界が広がる。
粗雑なまとめかもしれないが、池上詩学のエッセンスはここだろうと思う。
詩の言葉の魅力を考えてみようよ、とやさしく呼びかけてくれるような一冊。
Posted by ブクログ
普段何気なく使っている言葉について、いろいろ教えてくれる本でした。
辞書をひく、なんで、辞書なのにひくんだろう、確かに、考えたこともなかった。
ことばは、もともとそのことばが持つイメージがあって、そこからいろいろな使われ方をしている。
ときどき、でてくる宿題?の答えが知りたい!
Posted by ブクログ
1984年の文章がもとになっている本。いまの子どもにはなじみのない言葉や表現が若干みられる(子どもが親に頼まれて空き地でごみを燃やす例など、かなり驚くだろう)が、話している主題は今も古びていない。少し古い文章でも読める中学生ならば問題ないだろうが、本に親しみのない子ども向けであれば、現代的な内容にアレンジして紹介したほうがよい。なじみのない表現が例示されていると、内容がうまく伝わらない。
本書の出版は2022年なので、同テーマで書き直されたものになればよりよかったと思う。(スマホが登場するので加筆はされているだろうが、それにしてもなじみのない表現が多いので子どもたちには伝わりづらい)
Posted by ブクログ
日常、何気なく使っている言葉遣いから、よくよく考えてみると不思議な表現を見つけて紹介していく。著者は、言葉の不思議な使い方に注目することで、見聞きしたことを伝えるツールではなく、新しい現実を作り出すものとして、言葉を捉え直そうとする。言葉の不思議に対して、一般的な感覚に根差した楽しみ方が書かれているところが面白かった。
例えば、「なぜ『辞書』を『ひく』のか?」「どのうような想像力が働いて、あだ名はつけられているのか?」。普段、何気なく目にしている表現から、こうした疑問見つけ出して、その理由を説明していく。説明の仕方は、「引く」の典型的な意味から、意味が広がりを追っていったり、喩え方の違いから説明したり、それでいて小難しい専門用語を使うことなく説明されていて、読みやすい。
個人的には、14章の「こんにゃく問答」の話が面白かった。「ことばには、いちおう意味が決まっていますから、勝手な解釈はできないわけです」という時の、この「いちおう」「決まっている」という言葉に対するスタンスが、本全体の言葉の意味の広がりを楽しむ基本的なスタンスになっているように思う。