池上嘉彦のレビュー一覧
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池上嘉彦
1934年京都生まれ。東京大学文学部人文科学研究科(英語英文学専攻)修了。フルブライト留学生として、イエール大学で言語学博士号取得。フンボルト財団研究員としてハンブルク大学、Longman Research Scholarとしてロンドン大学で研究。現在、昭和女子大学大学院文学研究科教授、東京大学名誉教授。ミュンヘン、インディアナ、ロンドン、チュービンゲンの各大学、北京日本学研究センターなどで教授経験。Longman英英辞典、英和辞典の編集に校閲者として参与。著書に『意味論』『「する」と「なる」の言語学』(大修館書店)、『記号論への招待』(岩波書店)など。
しかし、いずれ -
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ネタバレこの本も論文を書き始めた頃に読んで参考にした本です。詩の言葉をどのように考えたらよいか、その基本原則を教えてくれます。
内容(「BOOK」データベースより)
いま広範な学問・芸術領域から熱い視線を浴びている「記号論」。それは言語や文化の理解にどのような変革を迫っているのか―。ことわざや広告、ナンセンス詩など身近な日本語の表現を引きながらコミュニケーションのしくみに新しい光をあて、記号論の基本的な考え方を述べる。分かりやすくしかも知的興奮に満ちた、万人のための入門書。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
池上 嘉彦
1934年京都市に生まれる。1961年東京大学大学院博士課程修了。 -
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自明なことをクドクドしく書いているだけという印象であり理解は比較的容易で読んでいて意味がわからない部分はなかった。記号とそれが示す内容(記号内容)を取り巻くいろいろな抽象概念に名前をつけ分析していく。それらを組み合わせて記号の扱い範囲を広げて応用していく。この一連流れで最後に文化記号論につながっていく。このあたり面白い。
記号の本なのだが記号である括弧の使い方が統一されておらず、記号論の用語・強調したい語句・引用などが全部角括弧で表されている。山括弧〈も使われているが使いわけには足りない。せめて記号論特有の用語を表す際には違う記号を使ってほしかった。 -
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ある本で紹介されていたこともあり、読んでみました。
「記号」とは何かを示すために、主に「言語」の「記号」性を明らかにしていくことで、説明が進んでいきます。
抽象的な部分が多く、理解が難しい部分も多いと感じましたが、具体例を交えることで、理解しやすくしてくれている部分もあります。
おそらく、著者が最も言いたいのは、最終章の「記号論の拡がり」の部分。
それまでの章は、最終章に向けてのおぜん立てのようにも見えます。
最終章は、若干「記号論」から離れているようにも思えましたが、読み応えがある内容でした。
「記号」については、当然のことながら、人間にとっての「記号」を中心に説明しているのですが、実は -
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記号論についての基礎的概念を紹介している本
記号論的なものの見方を久しぶりに確認したが、とてもよくわかるようになっていた。
先に読んだ「言語学講義」の方には、ソシュールが創始した重要概念が記載されている。
・ラング、ランガージュ、パロール
・(言語記号の)恣意性、線条性、能記と所記、範列関係と統辞関係、通時態と共時態
本書では、それを補っていくためのキーワードがさらに様々説明されている。
・記号表現(シニフィアン)=知覚可能と記号内容(シニフィエ)=知覚不能:相互依存と非対称性
・センス sense 感覚であり意味である
・分節と等質性と差異作用。これを規定するのがコード。コードがど -
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記号論とは何?といったところから、入門として読んでみた。
コミュニケーションしくみとして「記号」が生まれ、現在の「記号」の扱いや進化を巡って面白く読めた。
意味あり、と人が判断したものすべてが「記号」となり、命名することによって「意味づけ」して、ものに価値を与える。
で、この記号は伝達手段(コミュニケーション)として活用される。その記号をどう捉えるのか?背景を読み取る力がその言語を使っている人々の文化を象徴する(文化の象徴としての言語)
それ以外に、手段ではなくて表現。日常の世界を超えた新しい世界の創造として表現される。(美的機能への注目)
音として表現されたり、普段使っている言葉が全く新 -
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もう一年ちょっと前くらいのことだったと記憶していますが、ツイッターで、
「言葉というのは頭の中で考えている言外のモヤモヤしたものを
整理したり伝達したりするために便宜的にそのモヤモヤを翻訳するツールなんじゃないか」
というようなことを書いたのです。
それで、「その言葉というものは不完全なもので、頭の中の言葉以前のモヤモヤした考え事や、
自然の風景でもそうですけれど、表現するときにはそのまんまの意味では、
つまり等価値ではできないで、言葉にすることで、その対象の考え事の本当のところから
こぼれおちるものがある」と、僕は考えていたんです。
だからこそ、表現のための語彙を増やし表現力を磨いて、本当 -
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ネタバレ記号は意味作用を持つ.この働きは一つには文節という働きによって特徴づけられる.これは事物間の共通点,相違点を区別する働きであり,記号の持つ本質的な働きである.実はその意味は固定されたものではなくむしろ創造的なものですらありえる.創造的な働きは読み手の,蓋然性に基づいた推論に基づくという主張がされている.言語は意味作用を持つという意味で記号の一例であるが.やはり創造的な活動が見られる.それは例えば詩や文学の形として現れるものだ.本の大半は言語,特に慣習的な意味作用と創造的な意味作用ということの対立・緊張関係にに関する話題で占められている.
おそらく筆者の興味なんだろうなと思いながら読んだ.後半部 -
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ネタバレ記号論の入門書として紹介されていたので手に取った。
この分野は未体験なので眉間にしわを寄せながら読んだが、発見の多い本だった。
コミュニケーションというのは暗号解読をいつも自然にやっているようなものだし、詩というのは日常を越えた新世界への冒険だ。
占いの論理や比喩、コンテクストと主体の介入、祭りについての話も興味深い。
中盤~後半は統辞論も加わって記号のシステムについての話だが、言語ってよくできたシステムだなーと本当に感心してしまう。
ソシュールやエーコの記号についての本も読みたいところだが、用語や考え方が身につくまでこちらを反復して読んだほうがいいのかもしれないなあ。もっと難しいのだろ -
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ネタバレ[ 内容 ]
いま広範な学問・芸術領域から熱い視線を浴びている「記号論」。
それは言語や文化の理解にどのような変革を迫っているのか―。
ことわざや広告、ナンセンス詩など身近な日本語の表現を引きながらコミュニケーションのしくみに新しい光をあて、記号論の基本的な考え方を述べる。
分かりやすくしかも知的興奮に満ちた、万人のための入門書。
[ 目次 ]
1 ことば再発見―言語から記号へ(記号とは、符号とは? 「言語創造」 ほか)
2 伝えるコミュニケーションと読みとるコミュニケーション―伝達をめぐって(コミュニケーション 伝達の仕組み ほか)
3 創る意味と創られる意味―意味作用をめぐって(記号と意