植草昌実のレビュー一覧

  • シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選

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    イスラエルSF短編集。どの作品も面白かった。思ったより宗教色は薄め、それでもサイエンスよりはファンタジーよりのものが多い。 特によかったのは「完璧な娘」。触れると心が読める少女が遺体に触れ、その少女に共感してゆく。あとは「可能性世界」。未来を演算して書き換える。彼女を救える世界にすることで彼は死んでしまう、主人公だけが認識していて(気づいてしまい)、救えない分シュタゲよりラストは地獄感ある気もする。 「スロー族」、「アレクサンドリアを焼く」、あたりも面白かった。

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    2022年01月16日
  • シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選

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    読み応えあり過ぎで疲れるアンソロジー
    ジャンルなり、雰囲気で分けて数冊のシリーズで出してくれれば良かったな

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    2021年03月25日
  • シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選

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    イスラエルのSFシーンの中心人物2名によって、英語圏の読者向けに編まれたアンソロジー。ここでのSFは科学小説 Science fictionではなく思弁的小説 Speculative fictionを指しており、非リアリズム小説全般を覆う定義と考えると収録作の幅広さが納得できる。邦訳は英語からの重訳になるが、元々英語で書かれた作品も5作、ロシア語で書かれた作品が1作収録されている(ほかはヘブライ語)。巻末には編者による「イスラエルSFの歴史」も。


    以下、特に気に入った作品について。

    ★ ガイ・ハソン「完璧な娘」(中村融 訳)
    テレパスの訓練教育を受けることになったアレグザンドラは、〈死体

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    2020年11月01日
  • シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選

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    ラヴィ・テイドハーを除けば、名前を聞いたことのある作家さえ一人もいないが、作品のレベルは概して高い。ユダヤ=イスラエル色を感じさせる作品も殆どないが、これは日本の現代SFを読んだ欧米人が、ゲイシャもハラキリも出てこないなんて言うようなもんだろうしね。個人的ベストは、そのユダヤ=イスラエル色を感じさせる例外の一本「信心者たち」や、終末世界を舞台にしながらテーマがサバイバルから、なんとも変なものに変わっていく「夜の似合う場所」。

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    2020年10月08日
  • ラヴクラフトの怪物たち 上

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    ネタバレ

    個人的に「非弾性衝突」が好き。 高次元の存在が低次元に堕とされ、それを認められずに日に日に衰弱していくのと、そこから今の自分を認めて堕ちていくだろう先が示唆されてるの良い興奮する。 あと「世界が再び終わる日に」も地味に好き。人狼主人公は珍しい。というかクトゥルフ世界の人狼って何だろう。

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    2025年03月04日
  • ラヴクラフトの怪物たち 下

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     ラヴクラフティアン・フィクション――それは、「クトゥルー神話」も内包する、ラヴクラフトが創造した世界観に基づく創作品であり、かつ創作活動全般を指す造語です。本書は2014年に米国で刊行された、ラヴクラフティアン・フィクション・アンソロジーの邦訳です。創造者であるラヴクラフトの作風とも啓蒙者であるダーレスの作風とも異なる、いずれも個性豊かな新時代の作品の数々。下巻はエルヴィス・プレスリーが蘇ったミイラ男と対決する奇作『ババ・ホ・テップ』などで知られるランズデールの『血の色の影』など10作を収録。

     以下、なるべくネタバレなしの各話感想。
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    2023年08月22日
  • ラヴクラフトの怪物たち 上

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     本書は2014年に米国で刊行された、クトゥルフ神話小説アンソロジーの邦訳です。創造者であるラヴクラフトの作風からも啓蒙者であるダーレスの作風からも外れた、いずれも個性豊かな新時代のクトゥルフ神話。上巻は『ドラキュラ紀元』で知られるキム・ニューマンの『三時十五分前』など8作を収録。
     以下、なるべくネタバレなしの感想。
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    『世界が再び終わる日』(ニール・ゲイマン/1994)
     "それ"があった次の日の朝は、決まって二日酔いのような不快感に塗れている。吐き出した胃

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    2022年12月04日
  • シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選

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     イスラエルSF傑作選、金太郎飴のように同じ様な雰囲気である。
     これが長編になるとどういう処理をするのか気になった。

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    2022年05月29日
  • シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選

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    イスラエルSF&ファンタジー界の中心的人物らによる
    SF短編選集。
    原文が英語の作品[*1]あり、
    ヘブライ語→英語→日本語[*2]、
    あるいはロシア語→英語→日本語[*3]という重訳もあり。
    訳者あとがきを含めると700ページを超す大部。
    収録作は、

    ■ラヴィ・ティドハー「オレンジ畑の香り」
     The Smell of Orange Groves(2011年)[*1]
    ■ガイル・ハエヴェン「スロー族」
     The Slows(1999年)[*2]
    ■ケレン・ランズマン「アレキサンドリアを焼く」
     Burn Alexadria(2015年)[*2]
    ■ガイ・ハソン「完璧な娘」
     The Per

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    2020年11月01日