三崎律日のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレもっとポップで逆要素が強い作品かと思いきや、章ごとの取り上げる奇書に対する説明の入れ込み具合が熱い。ということで、期待以上に自分好みの内容でした。
なんでこんなへんてこな内容が世にはばかるのだよ、と現代人目線で論じることが甘ちゃんで、それぞれの奇書が生まれた時代背景、著者について、当時の世論など多角的にメタ認知をしたうえで、各章の最後に著者が述べている現代へ照らし合わせて考えることが大切なのだろう。
しかし、それでも武器軟膏や魔女に与える鉄槌、台湾誌など現代の常識(これすら未来から見ると非常識なこと大いにありうる)から鑑みると、なんでやねんと突っ込みを入れざるを得ない。もちろん、そんな突っ込みをしても仕様がないことは重々承知の上でのことなり。
通時的に世界史を学ぶのも大切だけど、ニッチなトピックに絞って当時の世相を垣間見るという手法は、非常に興味をそそられる。ロマンや人間味が歴史から染み出てくる感じ。中学・高校の基礎学力の詰め込み勉強にはない、大人の教養・学びの特権ですね。
前者もちゃんとやっとけば、もっと理解が深まるのに―と悔しいし当時の私に諭してあげたい、その授業とっても大切だよって。 -
Posted by ブクログ
事実は小説より奇なり
とはまさにこの事で。。。
時代や人種によってその時々で正義や真実は違う。
終始Interestingですし、章の終わりに毎回こちらに投げかけてくる問いとか言葉が鋭すぎる。
①ジョルジュ・サルマナザールの台湾誌
②コペルニクス他の天体の回転について
③ヘンリー・ダーガーの非現実の王国で
④フラーレンによる52Kでの超伝導
⑤ウィリアム・フォスターの軟膏を拭うスポンジ
⑥ロバート・フラッドのそのスポンジを絞り上げる
⑦サンゴルスキーのルバイヤート
⑧ジュール・ヴェルヌの月世界旅行
特に面白かったものを挙げるつもりが
8個もあった。
③は世界最長の小説で、18歳〜80歳まで書いたというのだから驚き通り越して脱帽。
しかも15冊の冊子のうち7冊は自身で装丁・製本て。
オイラーの論文しかり、ピカソの絵画しかり
驚異的な量やし、好きやから出来た事やと思う。
④これまた物理の話で激ムズやと思ってましたが
解説の容易さと内容が面白すぎてスルスル読める。
フェルマーの最終定理みたいに、日本人が絡んでるのが、なんか無性に嬉しい。
⑤、⑥の今の感覚言うと信じられない内容だけど
それが信じられてきて、かつ信仰されていた歴史は興味深い。
⑦のルバイヤートは漫画Q.E.Dでうっすらその存在を見ていたけど、改めてこんなに詳しく記載があって助かった。
そして、めちゃくちゃロマンチック。
プレゼントで誰かにあげたい。
⑧もロマンが詰まってます。
人の作る歴史はやはり面白い。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ電子書籍で買って積読していたのを漸く読んだ。
色々な話があって面白かったんだけど、内容とか歴史的背景とか結果とか、「読むの辛…」となった本はガサッと飛ばした。
ヴォイニッチ手稿とか『野球と其害毒』とか『ビリティスの歌』とかは興味深く読んだ。
『野球と其害毒』には、いつの時代でも急速に普及しだした物に対する反発、疑念なんかを思い出し、こういう事を経て今の野球のイメージが出来上がったのか、と感慨深かった。
『ビリティスの歌』と『フラーレンによる52Kでの超電導』は途中から「これ怪しいなぁ」と思ったら本当にそうだったので、今後もこういう感覚は疎かにしないで、裏取りするとか暫し様子を見て距離を置くとか、対処しようと思った。
『ビリティスの歌』に関しての専門家達の反応は滑稽だけど、明日は我が身、になるかもな!
『月世界旅行』の影響力が凄すぎて笑った! -
Posted by ブクログ
前作が面白かったので、続刊となる本書を購入。紹介する書籍は減ったものの、1つ1つの内容が濃くなっていました。個人的には「産祷熱の病理」についての解説が面白かったです。まだ医学的な学問が未成熟である時代に、ウイルスに対して手洗いの重要性を説いた医師の論文についてです。
医学が未発達であるがゆえ、原因不明の病気は「瘴気」のせいだと宗教的な観点で見られていたという時代背景の中、その医師は産祷熱を伝染病と捉え、他の医師からの反発や自らの死を経て、今現在我々が当たり前に行っている「手洗い・消毒」に辿り着くエピソードは込み上げてくるものがあります。
先人たちが残した知恵から今の当たり前に繋がっている、時代を超えたロマンを改めて感じました。 -
Posted by ブクログ
前作より専門的な話が増えた印象。
特に『農業生物学』は動画版のときも今回もじっくり噛み砕かないと飲み込みづらかった。
あの語り口だからこそ読める!
個人的には『Liber Primus』のワクワク感が好きでした。
インターネットが普及した時代だからこその暗号もの。
これが自分も生きるリアルの時間軸において一部界隈ながら本当に話題になっていたところに、この上ない興奮を覚えた。
番外編は切り口が変わるので、毎回楽しみにしていて、今回の「今後奇書になるかもしれない」某説の紹介は、また視野の広がる話で勉強になった。
3作目も出るのだろうか。
楽しみだ。
(一方で内容についていけるか心配でもある)