綿野恵太のレビュー一覧

  • 「差別はいけない」とみんないうけれど。

    Posted by ブクログ

    民主主義(アイデンティティポリティクス)と自由主義(シティズンシップ)という概念がそもそも「対立する」ことすら知らなかった身としては目から鱗だった。差別(ハラスメントなども含む)は、人が多様であるが故にいかに避け難いか、そしてポリコレを大義と出来るか否か、についての論考。現在の「分断」の深淵を垣間見ることが出来る一冊だと思う。と同時にこの本は自らを「左派」と自認する人々にとって踏み絵のようなものでもある。人間も世界も恐ろしく複雑だ。

    1
    2020年02月10日
  • 「差別はいけない」とみんないうけれど。

    Posted by ブクログ

    日経9月7日書評に掲載の本。

    ポリコレをめぐる言説の考察。

    「ポリティカル・コレクトネス」とは、人種・宗教・性別などの違いによる偏見・差別を含まない、中立的な表現や用語を用いること。しばしば、「うざい」とか「うんざり」とか否定的な意味合いを込められる。

    差別はしてはいけないこと。
    だけど、無自覚に差別をしてしまう自分は絶対的に存在する。
    そんな自分を認めつつも、人の尊厳を傷つけず、人を思いやれる人になりたい、と思う。
    だから、ポリコレ的視点で、自分の言動を常に見つめることは必要だな、と思う。

    いっぽうで、行動経済学が示しているとおり、人間は常に賢い行動をとるわけではない。また、厄介なの

    2
    2019年12月06日
  • 「差別はいけない」とみんないうけれど。

    Posted by ブクログ

    差別がいけないことなのは大前提として、それがなくならない背景に何があるのかを経済・政治・社会・心理などの様々な分野から紐解いていく。

    過剰とも言えるほどのポリティカル・コレクトネスが跋扈する現代だからこそ、自分たち(シティズンシップ)の立場を再認識する必要がある。

    ただ、いわゆる「ポリコレ棒」を振り回すネット界の正義の味方たちには、この本の主張は届かないんだろう。。

    0
    2019年09月08日
  • 増補改訂版 「差別はいけない」とみんないうけれど。

    Posted by ブクログ

    差別とは何か、今一度捉え直すための一冊です。
    本書では「ポリティカル・コレクトネス」は反差別闘争に取り組む「新しい社会運動」(新左翼)が、階級闘争に忠実な古臭い左翼(前衛党)を揶揄するために使い始めた言葉としています。
    現状では保守派が“ポリコレ”と全体主義のイメージを結びつけ、リベラルな価値観や教育を攻撃するために流用する道具になりつつあります。
    差別主義者と反差別主義者を問わず、いまや 「差別における責任観」=「強い責任理論」が社会的な規準として採用され、「とんでもない責任のインフレ」が起こり、「どこにでも責任があるがゆえにどこにも責任がない、 無責任の体系」が広がってしまったことを本書は

    0
    2026年03月09日
  • 「差別はいけない」とみんないうけれど。

    Posted by ブクログ

    まえがきに頗る感動した。
    民主主義と自由主義の対立関係は目から鱗だけどしっくり来た。
    ポリティカルコレクトネスト唱えがちだけど何故かうざいのも結構わかる、こんな自分を不思議に思ってたから、考える材料をたくさん貰えてありがたい。

    後ろにいくにつれて議論がややこしくなってる気がした… 色んな学問分野から色んな考えを参照・引用してて、面白いが少し雑多な印象。

    0
    2020年09月21日
  • 「差別はいけない」とみんないうけれど。

    購入済み

    難解な内容だが、幅が広く面白い

    「差別はなぜ起こるのか」について、ポリティカルコレクトネスとシティズンシップ、自由主義と民主主義の概念をそれぞれ対比させながら説明を試みた本。

    学校ではみんななんとなく「自由民主主義」と習うけれど、本当は自由主義と民主主義は対立する概念であること、そして自由主義と民主主義との共存は崩壊しつつあること。
    この視点が面白かった。

    内容が難しめなのですべてに共感することは難しいが、マルクス主義、経済、道徳、心理学、生物学、日韓関係から障害者まで非常に幅広い視点から差別にアプローチしているので、誰でもどこかしらに共感できる部分があるのではないか。

    0
    2019年11月17日