尾脇秀和のレビュー一覧

  • 氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか
    一度読むだけでは全て理解するのは難しいけれど、近世から近代にかけての氏名の成り立ちを知る上ではコンパクトにまとまった書籍だと思う。
    『氏名の誕生』を読む前に、『壱人両名』を読んでおくことをオススメする。
  • 壱人両名 江戸日本の知られざる二重身分
    江戸時代の身分制度と人別(戸籍)と名前の矛盾と行政処理を解説。地味だが面白く、特に幕府が壱人両名(同一人物が別名で2重戸籍をもつ)ことを、訴訟が起きない限りは放置していて、本音と建前の使い分けで行政処理をしていたことが面白い。今の役所でもそういうことあるね。正直に申告すると損をするみたいな。「言わぬ...続きを読む
  • 氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか
    江戸時代の公家・武家・庶民の名前について理解するための好著。ある程度は知っていても細かいところはわかっていなかったのでこの本は大変参考になる。まだざっと読んだだけなので「名乗り」とか「姓名」等々現在の感覚とは違う用語をちゃんと理解した上でもう一度読む必要はありそうだ。
    ただし、古代については著者の理...続きを読む
  • 壱人両名 江戸日本の知られざる二重身分
    江戸日本の知られざる二重身分 という副題が気になって。
    町人でありながら武士でもある、というような#壱人両名 。「士農工商」という身分制度を学んだ身からすると、そんなことあり得たの?と思うけれど、そのさまざまな例を知ると、江戸時代の秩序感が思っていたものとは違うらしいことをぼんやり理解できるようにな...続きを読む
  • 氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか
    とても勉強になった。

    本書に書かれた名前の前提を知らないと、明治維新は理解できないのではないか。

    詳細は同じ著者の「壱人両名」に書かれているようだが、同一人物が複数の身分、職業、名前を使い分けることが許容されるとはと、江戸時代の社会の柔軟さに驚いた。

    傍筋となるが、当時の既婚女性の姓は場面によ...続きを読む
  • 氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか
    久しぶりに「そういうことだったのか!」と目から鱗がポロポロ落ちる快感を得られた。江戸時代の人物の名前について、なんとなく「なぜコロコロと変わるんだろう」「やけに~兵衛や~衛門が多いな」と思ってた疑問がすべて解けた。
    本書は「名前」にまつわるこの難解で複雑な状況を丁寧に説明してくれる。そのため新書にし...続きを読む
  • 氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか
    江戸時代以降の人名の変遷をまとめたもの。
    名前でも氏名でもなく、人名と書いたのにも理由があって、名前、氏名は本書内で定義づけされた言葉なので、混ざって使うと混乱をきたすから。

    江戸時代と明治以降で人名の取扱いが変わる上、武士・庶民と朝廷でも扱いが違うおかげで、本書はとても読みにくい。節立ても論旨展...続きを読む
  • 氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか
    敬愛する作家の先生がツイッターで紹介していたので、買ってみた本。買ってから気づいたが、この本の著者は『壱人両名』と同じだった。

    自分の研究の成果を、出来る限り平易な言葉で解きほぐしてくれる、その姿勢にとても好感が持てる。

    名前を巡る考え方の変化そのものも、(少し難解ではあるが、)読み応え抜群。た...続きを読む
  • 氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか
    非常に興味深く読みました。江戸時代の名前の常識が現在と全く異なることや、明治初年の氏名をめぐるドタバタ劇、苗字公称の認可が国民国家の創設と関連していたことなど、知らなかったことがたくさんありました。
    瑣末な点ですが、大宝律令制定(701年)はさすがに平安時代ではない…
  • 氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか
    <目次>
    プロローグ 人名の常識をめぐって
    第1章   「名前」の一般常識
    第2章   「名前」にあらざる「姓名」
    第3章   古代を夢見る常識
    第4章   揺らぐ常識
    第5章   王政復古のはじまり
    第6章   名を正した結末
    第7章   「氏名」と国民管理
    エピローグ 人名のゆくえ

    <内容>
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  • 壱人両名 江戸日本の知られざる二重身分
    <目次>
    序章   二つの名前をもつ男
    第1章  名前と支配と身分あるもの
    第2章  存在を公認される壱人両名~身分と職分
    第3章  一人で二人の百姓たち~村と百姓の両人別
    第4章  こちらで百姓、あちらで町人~村と町をまたぐ両人別
    第5章  士と庶を兼ねる者たち~両人別ではない二重身分
    第6章  ...続きを読む
  • 氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか
    自分の名前を自由に名乗っていた江戸時代から親に与えられた名前を変えることなく過ごす現代への名前の歴史を学ぶことが出来た。他人を呼ぶ時に気軽に呼ぶ名前がこの形になるまでに幾度となくもみくちゃにされてきたのだとしると自分の名前も深い歴史の元に生まれてきたのだなぁと感心した。