作品一覧

  • 女の氏名誕生 ――人名へのこだわりはいかにして生まれたのか
    4.1
    1巻1,210円 (税込)
    江戸時代の女性名は現代とどう違ったのか?「お」の付く女性名はどこに消えたのか? 近代女性名の「子」とは何か? 何が今日の「夫婦別姓」論争を生み出したのか? アイデンティティとして名前に執着する現代の常識は、どのように生まれたのか?――男性名とは別物だった江戸時代の女性名が、明治期に男女共通の「氏名」となって現代の諸問題を抱えるまで、近代国民国家の形成、文字の読み書きや捺印、戦後改革など様々な事象を通して、日本人名文化の歴史的変遷を明らかにする。
  • お白洲から見る江戸時代 「身分の上下」はどう可視化されたか
    -
    1巻1,078円 (税込)
    今日も座席が決まらない……! 「この桜吹雪をよもや見忘れたとは言わせねえ」「これにて一件落着」――。決め台詞でおなじみの「江戸のお裁き」の現場は、本当はどうなっていたのか? 100年以上にわたって書き継がれた“役人用マニュアル”を読み解き、近世社会に貫徹していた「秩序感」をリアルに描き出す。  江戸時代、訴えを持ち込んでくる人々に対し、奉行所が開廷初日、真っ先に取り組んだのは、3段ある座席に出廷人を割り振る作業であった。無限にある「格式」の上下を見極めようとする熱意の背後に、幕府が守ろうとしていた正義のあり方――統治の正当性――を見出す。「身分制度」への思い込みが覆される快作!
  • 氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか
    4.2
    1巻935円 (税込)
    私たちが使う「氏名」の形は昔からの伝統だと思われがちだが、約150年前、明治新政府によって創出されたものだ。その背景には幕府と朝廷との人名をめぐる認識の齟齬があった。江戸時代、人名には身分を表示する役割があったが、王政復古を機に予期せぬ形で大混乱の末に破綻。さらに新政府による場当たり的対応の果てに「氏名」が生まれ、それは国民管理のための道具へと変貌していく。気鋭の歴史研究者が、「氏名」誕生の歴史から、近世・近代移行期の実像を活写する。
  • 壱人両名 江戸日本の知られざる二重身分
    4.3
    1巻1,408円 (税込)
    江戸時代の身分はピラミッド型の「士農工商」で一生変えられない─。こんな“常識”はもう古い! ある時は侍、ある時は百姓、と自在に身分を変える「名もなき男たち」が全国に無数にいた。彼らはなぜ別人に成りすますのか? お上はなぜそれを許容したのか?期待の新鋭が常識を覆す、仰天の日本史!

ユーザーレビュー

  • 女の氏名誕生 ――人名へのこだわりはいかにして生まれたのか

    Posted by ブクログ

    何でこんな読みにくい名前増えたんだっけ?という素朴な疑問からスタートして、色んな角度から、現代の名前について考察されている。
    面白い!
    名前の概念や価値観までも、時代によって変わります、そしてこれからも変わるでしょう、というのが感想です笑
    夫婦別姓議論への違和感も記載されていて、かつての日本は夫婦別姓だったのか、という疑問そのものがナンセンスだと感じました。
    勉強になる本です!

    0
    2025年03月22日
  • 女の氏名誕生 ――人名へのこだわりはいかにして生まれたのか

    Posted by ブクログ

    本書は、女性の名前を主題とし、近代の「氏名」誕生以前の江戸時代の女性名とはどんなものだったのかを明らかにした上で、その後の明治時代から現代までの「氏名」の文化の歴史的変遷を女性名に焦点を当てて整理している。
    氏名をめぐる現代の常識が近代以降の僅かな歴史から持たず、江戸時代には全然異なる常識があったことなどを理解した。かなり目から鱗が落ちる、読む価値のある内容だった。

    0
    2025年02月23日
  • 氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか

    Posted by ブクログ

    江戸時代、近世の日本の名前について。常識を破壊する内容だし、学術論文ベースなのにミステリーのようなつくりになっているからグイグイ読ませる。
    名前のお尻の人名符号は本来の排行の意味を失っており、三男でなくても三郎がいたり。
    各人の名前は原則としてその時名乗っている一つだけ。経時的に変化していく。名は体を表し、名前でなんとなく相手の身分などがわかり、社会的な地位を相手に知らせる役割を持っていた。従四位下の侍従以上の官名は苗字とは組み合わされず、その大名の領国の地名と接続して用いられ、だから尾張大納言や加賀宰相といった呼び方になる。信濃守のような官名も「名前」だった。当主が許されて「松平」などを名乗

    0
    2024年12月04日
  • 氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのか

    Posted by ブクログ

    一度読むだけでは全て理解するのは難しいけれど、近世から近代にかけての氏名の成り立ちを知る上ではコンパクトにまとまった書籍だと思う。
    『氏名の誕生』を読む前に、『壱人両名』を読んでおくことをオススメする。

    0
    2023年01月05日
  • 壱人両名 江戸日本の知られざる二重身分

    Posted by ブクログ

    江戸時代の身分制度と人別(戸籍)と名前の矛盾と行政処理を解説。地味だが面白く、特に幕府が壱人両名(同一人物が別名で2重戸籍をもつ)ことを、訴訟が起きない限りは放置していて、本音と建前の使い分けで行政処理をしていたことが面白い。今の役所でもそういうことあるね。正直に申告すると損をするみたいな。「言わぬが花」みたいのは確かに利点もあるけれど、わかりにくいし、地位や人脈で裏情報が取れる人が有利になるから、さすがに今はやめるべき。

    0
    2019年06月06日

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