橋本倫史のレビュー一覧
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さらっと読めるのかと思いきや、歴史の調査量がすごくて、まあまあ読むのが大変だった
・ちょうど、オーバーツーリズムやばたにえんエリアに住んでいるので、まえがきで惹かれた
・私もこのくらい、行く前に調べて、行った後にも記録できたらいいのだけど…と思った
・行ったことがある場所もない場所も、もう一度行ってみたいなと思った。
・インスタで友達が旅行しているのをみると 漠然といいなあと思ってしまう それがヨーロッパとかだと尚更 でも自分の住んでいるところから1時間2時間鈍行に揺られるだけでも全然知らない街で、そこでも観光を楽しめちゃうのよね…とも思う
・本当に情報が溢れすぎていてどこに行っていいかわから -
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「観光」とは「光を観る」と書く。光を発するのは土地だけではない。そこで生活する住人が放つ光もある。著者は、そこに焦点を当て、観光地に暮らす人々の体験や歴史を聞き出す。
だが、土地の人との対話はタイトルにある「ぶらり」がイメージするような気楽な世間話で終わるものではない。著者の旅には事前の綿密な調査があり、巻末にある多くの参考文献がそれを物語っている。それをもとに現地に赴き、目を凝らし、耳を澄ます。そこから掘り起こされる史実は表層的でなく奥が深い。 この本で紹介されている訪問地は10箇所。路面電車が走り、万葉集にも登場する道後温泉、昔ながらの島時間が流れる竹富島、流氷と人情の羅臼、潜伏キリシ -
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観光客は、何を目指して旅に出るのか。
観光客は、その観光地でどんな光を観るのか。
では、その地に住む人々、商売する人々の想いは如何に?
10の旅に浮かび上がるのは、観光の歴史とその地の変遷。
そして暮らす人々の生き様をも辿る、ノンフィクション。
・プロローグ
道後温泉 竹富島 摩耶山 猪苗代 羅臼 横手
しまなみ海道 五島列島 広島 登別・洞爺
・あとがき 参考資料一覧有り。
旅先でその地に住まう人々と出会い、話を聞く。
現れるのは、その地の歴史と住まう人々の想い。
日本の国際観光の歴史と国内観光の変遷やリゾート開発の明暗、
交通手段の変化、戦後復興や高度成長、バブル期とその崩壊、
コロナ禍 -
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昭和的なノスタルジックな香りがする
ドライブイン。
そういえば、最近はコンビニや道の駅など
の陰に隠れて、あまり見かけることもなく
なりました。
やはり増え続ける道の駅とは対照的に潰れる店
が多く今や希少な車で行くスポットとなって
います。
単にそんな場所を訪れて「なつかしい」
「そういえばそんなのあったよね」とレポート
するだけではありません。
頑張って経営する店主をしっかりと取材して、
その人の人生そのものを描き出します。
「人の人生」とは、かくも多様であり、
皆頑張って生き抜いているのだなと、
勇気を与えてくれる一冊となっています。 -
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合計3回はドライブインを訪れる。単なるガイドブックではなく、上質なルポルタージュ。店主の人生まで深く追った大作。
どこか懐かしさ、昭和の臭いを感じるドライブイン。高速道路の発展と観光バスから個人旅行への移行などにより、一般国道沿いのドライブインの多くは廃業。それでもなお全国各地に残るドライブインのルポルタージュ。
いきなり取材に入るのではなくぶらり訪れ、気に入ったドライブイン。2回目の訪問で打ち解けて初めて取材のアポを取りそしてあらためて取材に訪問するという。
ドライブインの数だけ経営する方々数世代のドラマがある。
本書に登場するドライブインいずれにも共通しているのは、景気変動の影響の大 -
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ファミレス世代のライターが絶滅ドライブインを旅して、戦後昭和のレガシーをオーラルヒストリーとして記録した本です。スナックとか町中華とかについては、この種のフィールドワーク的な書籍はありますが、ドライブインという着眼はモータリゼーションの発展という国の政策の映し鏡としてなるほど、と思いました。でもそんな大仰な話ではなく、あとがきにもある、そばとうどんの自動販売機のオートレストランの店主との会話で「これまで自動販売機のことを聞かれたことは何度もあるけど、俺自身の話を聞かれたのは初めてだよ」というような、著者の人に対する興味がこの本を温かいものにしています。もしかしたら取り上げられているお店の店主の
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全国のドライブインを訪ねその歩みを聞き取りまとめたもの。戦後の生活史の一面を切り取っている。
ドライブインという視点はユニークだが、今は下火になっている各お店のこれまでを丁寧に追っているので、たしかに昭和時代の匂いや空気、その時の生活を感じ取ることができる。
前書きで少し取材方法について触れられているが、お店を営む人やそれまでの歴史に対する取材の姿勢がとても真摯で、興味本位での浅い取材でないことがよくわかる。そしてそれが内容にも表れているように思う。
装丁もテーマにぴったりなものになっており、手に取っただけでこの本の良さが伝わってきた。 -
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星5つじゃ足りない。。
写真集にしたらすばらしいだとろうと思ったけれども、次の瞬間に、作者の目的はそこではないと思いました。
写真は記録として都度撮っていらっしゃるようです。それで編めばかなりおもしろい写真集になるはず。
ですがこの作品は、かなり緻密なリサーチと事前の丁寧なコンタクトによって取材出来たものです。
ふれあいをつなぐ場所、道路と道路の隙間をつなぐ場所だったのだと感じました。それは、写真を見て想像してくださいとはまとめにくい。やはり、エッセイだからこその秀作なんだと思いました。
言葉による考証を見せることが命題なんだろうと思いました。
繁盛していた頃と今の時代の比較考察が素晴 -
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ドライブインは昔色々な所にありました。東京都民の上に自家用車が無い家に産まれたのでそんなに体験していませんが、バス観光旅行に行くと必ずご飯は大きなドライブインで摂って、なんならそのお店でお土産買っていました。
そんな大繁盛した高度経済成長の頃から比べて、今はひっそりとしているドライブイン。
まさに昭和という時代を象徴するものの一つだと思います。
てっきり懐かしのレトロな佇まいを鑑賞する本だと漠然と思って読みはじめましたが、とんでもないとんでもない。
そのお店を始めた人々や当時の社会状況や、地域ごとの成り立ち迄ぎっちり書かれており、まさに時代を丁寧に丁寧に切り取った、社会学の一つとしての「ドライ -
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ハイウェイ時代、観光ブーム・・・高度成長期の車社会の発展に
伴い、繁栄したドライブイン。その現在の姿は?
200軒近いドライブインを訪れ、取材したルポルタージュ。
この本に取り上げた店には三度ずつ訪れている。
参考文献有り。モノクロだが味のある写真有り。
プロローグ
I ハイウェイ時代
II アメリカの輝き
III 花盛りの思い出
IV 移りゆく時代に
V 店を続けること
エピローグ
道端に佇むドライブイン。
ひっそりと、或いは盛況に営業。しかし廃墟化した店もあります。
そのほとんどは個人経営で、現在はファミレスやチェーン店、
道の駅等に客を取られているのが実情です。
かつての繁栄・・ -
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新型コロナウイルスが蔓延して以降、すっかり旅をすることから遠ざかってしまった。もう自分の人生の残り時間で、かつてのように旅をすることは二度とないだろう。でも本のなかで旅をすることはできる。著者は、新型コロナウイルス蔓延以降、かえって、旅に出たいと感じるようになったのだという。医療従事者である私は、感染してしまったら患者さんたちを死に追いやりかねないので旅を自粛しているが、物書きである橋本さんは、今だからこそ、と感じたのだろう。道後温泉から始まり、登別・洞爺に終わる本書で一貫しているのは、その土地の歴史をたどり、その土地で生き、死んでいった人々の語りに耳をすませることだ。インスタ映えする風景や