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離島と沖縄。埋もれていた近現代史が見えてくる4泊5日の旅の記録。 沖縄のやんばるにある「クロワッサン・アイランド」と呼ばれる小さな島・水納島。開拓、戦争、産業、海洋博、そして現在……。再訪を重ねてきた気鋭のライターが綴る、エッセイ・ノンフィクション。 目次 1 夕日 2 庭先 3 井戸 4 桟橋 5 校舎 6 灯台
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Posted by ブクログ
クロワッサンの形をした島で知られる水納島。 本部町から船で行く沖縄県の離島です。 そこの滞在記なのですが、リゾート地を陽気に レポートする内容ではなく、島民との語らい、 島の歴史、戦争との関わり、そして島の小中学 校の変遷なども静かに語られていきます。 どんな人にも小説になるような起伏に富んだ人...続きを読む 生があると言われます。 島も同じなのです。 激動の歴史の積み重ねの上に「現在」があるの です。 歴史の重みを感じる一冊です。
『水納島再訪』は、観光地としての島の姿だけでなく、そこに生きる人々の歴史や文化を深く掘り下げた作品です。橋本倫史の鋭い観察力と、島の人々との対話を通じて紡がれる物語は、深い感動と考察を促します。沖縄の離島に興味がある方や、地域の歴史に関心がある方には、ぜひ手に取っていただきたい一冊です
水納(みんな)島は沖縄県本部半島沖に浮かぶ面積0.47平方キロ、人口わずか20人ほどの小さな島だ。 三日月の形をしていることから「クロワッサン・アイランド」と呼ばれ、さまざまなマリンアクティビティが楽しめることから年間7万人もの観光客が訪れる。 著者は2015年春に初めて訪れ、島の雰囲気を気に入り、...続きを読む毎年のように足を運んできた。 そんな中、親しくなった島の民宿のオーナーが発した「このまま行けば無人島になる」という言葉をきっかけに、水納島のことを記録しておかなければという思いにかられる。 そして書き始めたのが、この本、2021年4月1日から4泊5日の滞在記だ。 著者は見た景色や島民の話から島の暮らしと歴史を見つめ始める。 拾い集められた史実は多岐にわたるが、やはり悲惨な沖縄戦の話には、胸を打たれた。水納島にも3000名もの米兵が上陸、砲兵陣地が築かれた。 他にも、瀬底島から渡った人々が水納島を開拓した歴史、海洋博の前後にリゾート開発を目当てに島の土地を買い漁ろうとした内地企業に対し島を守ろうと立ち上がった島民がいたこと、離島ゆえの教育や就業環境の厳しさなど貴重な話が掘り起こされている。 文中、著者の基調となる思いが凝縮されていると思われる箇所を以下に示す。 著書である「ドライブイン探訪」や「観光地ぶらり」にも通じるところがあり、自分でも共感を覚えた記述である。 「自分の視点からだけ世界を眺めていると、見落としてしまうものばかりだ。こんなふうにじっくり滞在する機会がなければ、水納島に暮らす人たちの言葉に触れる機会もなかっただろう。言葉に触れると、自分とは異なる誰かの視点と出会う。たった5日しか滞在していないのだから、まだ、気づいていないことがきっと山のようにある。」
こんな濃密な時間を たった数日の何もしていない?滞在記で 体験させてくれるとは。 自分の住んでいない所を訪れる旅で 何もないようで 何かがある そんな 素敵な本でした。 時間の過ごし方が素敵です
ノスタルジック。 離島に住むというのは贅沢なことだと思う。 払ってもいい金額:500円 貼った付箋の数:2
水納島の紀行にかなり近い歴史のはなしとか聞き書きとかいろいろがいい具合に交じっていて重い話が多いわりに楽しく読んだ。大した筆力。
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