【感想・ネタバレ】ドライブイン探訪のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2020年06月22日

昭和的なノスタルジックな香りがする
ドライブイン。
そういえば、最近はコンビニや道の駅など
の陰に隠れて、あまり見かけることもなく
なりました。

やはり増え続ける道の駅とは対照的に潰れる店
が多く今や希少な車で行くスポットとなって
います。

単にそんな場所を訪れて「なつかしい」
「そういえばそん...続きを読むなのあったよね」とレポート
するだけではありません。

頑張って経営する店主をしっかりと取材して、
その人の人生そのものを描き出します。

「人の人生」とは、かくも多様であり、
皆頑張って生き抜いているのだなと、
勇気を与えてくれる一冊となっています。

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Posted by ブクログ 2019年10月28日

合計3回はドライブインを訪れる。単なるガイドブックではなく、上質なルポルタージュ。店主の人生まで深く追った大作。

どこか懐かしさ、昭和の臭いを感じるドライブイン。高速道路の発展と観光バスから個人旅行への移行などにより、一般国道沿いのドライブインの多くは廃業。それでもなお全国各地に残るドライブインの...続きを読むルポルタージュ。

いきなり取材に入るのではなくぶらり訪れ、気に入ったドライブイン。2回目の訪問で打ち解けて初めて取材のアポを取りそしてあらためて取材に訪問するという。

ドライブインの数だけ経営する方々数世代のドラマがある。
本書に登場するドライブインいずれにも共通しているのは、景気変動の影響の大きな観光客だけでなく、多くのトラックドライバーや地元の常連客の存在。それによりかろうじて生き残る。

旅先での数多くの出会い。「鶴瓶の家族に乾杯」や最近なら「サンドのお風呂いただきます」のような、家族の歴史に踏み込んだ取材が見ものである。

チェーン店の増加、高速道の開通、経済効率最優先の今の世であるからこそ、人と人のつながりが重要であり、本書のようなルポに価値がある。

題名から写真中心のガイドブックをイメージしていたが、実に骨太な本格ルポであった。思いのほか大作。
数年後ちくま文庫のラインアップに加わることは間違いないだろう。それまでいくつの店が残っていることやら。

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Posted by ブクログ 2019年08月18日

ファミレス世代のライターが絶滅ドライブインを旅して、戦後昭和のレガシーをオーラルヒストリーとして記録した本です。スナックとか町中華とかについては、この種のフィールドワーク的な書籍はありますが、ドライブインという着眼はモータリゼーションの発展という国の政策の映し鏡としてなるほど、と思いました。でもそん...続きを読むな大仰な話ではなく、あとがきにもある、そばとうどんの自動販売機のオートレストランの店主との会話で「これまで自動販売機のことを聞かれたことは何度もあるけど、俺自身の話を聞かれたのは初めてだよ」というような、著者の人に対する興味がこの本を温かいものにしています。もしかしたら取り上げられているお店の店主の温かさが、それを引き出しているのかも。つどつど挿入される現在のご主人(それは、年配の女性の方が多いのが特徴…)の写真が効いています。本書は戦後の昭和の家族の物語なのです。車で行って食事する、という意味では同じファミレスとドライブインの違いなにか、考えたのですが、それはチェーン店のような飲食産業と家族経営の個店としての飲食業の差異なのだろうと思っています。セントラルキッチンや冷凍食品のようなスケールを資源とする産業に追いやられた歴史です。しかし、道路で日本中が繋がっていく過程でどこでも安定した食事が出来る、という安心感を提供したのがオートレストランとコンビニエンスストアであるという指摘もなされていて、なるほどと思いました。そういう意味でオートレストランほどではありませんがドライブイン各店のメニューが似通っているのもそういうことかもしれません。
今や錆び付いたコカ・コーラ提供の看板に書かれるドライブインやロードパークやレストハウスの文字、ファミレス時代のプロトタイプだったのかもしれません。しかし、ファミレスもコンビ二や、あるいはUBEReatsなどの新サービスに押されています。鉄道からは駅弁が消え、道路からはドライブインが消え、移動と食事の関係はどうなっていくのでしょうか?

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Posted by ブクログ 2019年08月04日

高度経済成長期に進んだ自動車の普及と道路の整備。それに合わせて全国各地にできた家族経営のドライブイン22店を丹念に取材した一冊。
意外にも、割と安易な発想と言うか、思いつきで始めた店が今も固定客をつかんで離さず、繁盛している例が少なくない。飲食業未経験の夫が突然ドライブイン経営を言い出し、妻が慌てて...続きを読む料理を習いに行ったり…そんな顛末を経て開業した店が人気をつかむ。ファミレス・チェーンの拡大で味やサービスの均一化が進む中、こんな思いつきで始まった店が今も繁盛しているのはなんだか痛快。

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Posted by ブクログ 2019年07月03日

全国のドライブインを訪ねその歩みを聞き取りまとめたもの。戦後の生活史の一面を切り取っている。
ドライブインという視点はユニークだが、今は下火になっている各お店のこれまでを丁寧に追っているので、たしかに昭和時代の匂いや空気、その時の生活を感じ取ることができる。
前書きで少し取材方法について触れられてい...続きを読むるが、お店を営む人やそれまでの歴史に対する取材の姿勢がとても真摯で、興味本位での浅い取材でないことがよくわかる。そしてそれが内容にも表れているように思う。
装丁もテーマにぴったりなものになっており、手に取っただけでこの本の良さが伝わってきた。

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Posted by ブクログ 2019年05月23日

星5つじゃ足りない。。

写真集にしたらすばらしいだとろうと思ったけれども、次の瞬間に、作者の目的はそこではないと思いました。

写真は記録として都度撮っていらっしゃるようです。それで編めばかなりおもしろい写真集になるはず。

ですがこの作品は、かなり緻密なリサーチと事前の丁寧なコンタクトによって取...続きを読む材出来たものです。
ふれあいをつなぐ場所、道路と道路の隙間をつなぐ場所だったのだと感じました。それは、写真を見て想像してくださいとはまとめにくい。やはり、エッセイだからこその秀作なんだと思いました。
言葉による考証を見せることが命題なんだろうと思いました。

繁盛していた頃と今の時代の比較考察が素晴らしいです(自動車社会の変貌が如実です) 加えて、各エピソードの最期の1文も素晴らしいです(熱っぽくなく、穏やかな思慕の締めです)

今も営業を続ける人々の思いの中に、人と人とのふれあいに臆病ではなかった時代を残そうとする意志も感じました。

アートも本も、大事なのは、目の前に見えるものを飛び越えた、視覚化しない己の感受性の言語化、および認識だと気付かされました。

写真で作品をまとめるためには、何をおいても、言葉を使っての思案が必要だと思いますが、最終的には、言葉から離れることが必要だなあ。
ただ、この本と同じくらい、かなり緻密なリサーチと、事前の丁寧なコンタクトがあるのとないのとでは、何事も深みがかわる気がします。
感じたことだけでまとめるには、なんとなく~~な感じというふわふわした作品に終わってしまうような気がしました(自戒(´༎ຶོρ༎ຶོ`))

エッセイで写真作品のことを教えられたような気がしました。
思案は一方的ではなく、いろんなチャネルから押したり引いたりしてやったほうがよいのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2019年05月12日

とても丁寧に、敬意をもってインタビューされているのが文章から感じられます。所々に入った写真からは歴史と人生というか、時の流れが感じられて、とても不思議な一冊でした。
誰かの人生を少し体験したような。一つ一つがそれほど長くない文章なのに。なんでだろう。凄く読んで良かった。

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Posted by ブクログ 2019年04月16日

ドライブインは昔色々な所にありました。東京都民の上に自家用車が無い家に産まれたのでそんなに体験していませんが、バス観光旅行に行くと必ずご飯は大きなドライブインで摂って、なんならそのお店でお土産買っていました。
そんな大繁盛した高度経済成長の頃から比べて、今はひっそりとしているドライブイン。
まさに昭...続きを読む和という時代を象徴するものの一つだと思います。
てっきり懐かしのレトロな佇まいを鑑賞する本だと漠然と思って読みはじめましたが、とんでもないとんでもない。
そのお店を始めた人々や当時の社会状況や、地域ごとの成り立ち迄ぎっちり書かれており、まさに時代を丁寧に丁寧に切り取った、社会学の一つとしての「ドライブイン考証」と言える名作です。
儲かると思って始めたドライブインが、いつしか地域に欠かせない老舗飲食店として機能し、いつの間にやら店主の生き方を体現した店になっているのが何とも言えず素敵です。都市部に住んでいる人のノスタルジーと言われればそうなんですが、どこかでこの中にある店が今日も暖簾を出して人々を待っていると思うと、自分もそのお客の一人になりたいと強く思いました。
中には放漫経営で既に廃墟と化しているドライブインも有り、栄枯盛衰悲喜交々という言葉が思い浮かびますです。

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Posted by ブクログ 2019年04月08日

ハイウェイ時代、観光ブーム・・・高度成長期の車社会の発展に
伴い、繁栄したドライブイン。その現在の姿は?
200軒近いドライブインを訪れ、取材したルポルタージュ。
この本に取り上げた店には三度ずつ訪れている。
参考文献有り。モノクロだが味のある写真有り。
プロローグ
I  ハイウェイ時代
II  ア...続きを読むメリカの輝き
III 花盛りの思い出
IV  移りゆく時代に
V  店を続けること
エピローグ
道端に佇むドライブイン。
ひっそりと、或いは盛況に営業。しかし廃墟化した店もあります。
そのほとんどは個人経営で、現在はファミレスやチェーン店、
道の駅等に客を取られているのが実情です。
かつての繁栄・・・道路網が整備され、車社会の発展、
観光が身近になった高度成長期。そして、その後の時代の流れ。
これらを知る経営者たちの証言は、時代の一場面を物語っています。
その始まり、地域性、営む人たちの努力、そして時の流れ・・・。
更に、高齢化と後継者問題・・・順風満帆とはいかない、波乱万丈!
それでも写真には笑顔が・・・ドライブインにも人生あり。

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Posted by ブクログ 2019年04月01日

 この手の本は、好きだな。著者は、姿を消しつつあるドライブインの話を書きたい。そんな思いから、自費出版で「月刊ドライブイン」を発行。それを単行本化したものが本書。
 あとがきにもあるように、店を営んできた方の人生が書かれている。

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Posted by ブクログ 2019年03月19日

人に歴史ありというか。どのドライブインも高度経済成長期の頃は儲かったんですねー。瀬戸大橋タワーの対岸にラレインボーというタワーがあった、というのにビックリ。冒頭の北海道のミッキーハウスドライブインは何回か通りかかりましたが、今はもうやっていないような。こういうお店は気になったら即行かないとダメですね...続きを読むー。

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Posted by ブクログ 2019年02月12日

ドライブイン1つを紐解いていくだけでこんなにも日本の文化の歴史が詰まっていたのかと内容の濃さに驚き。

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Posted by ブクログ 2020年02月19日

昔は国道沿い等によくあったドライブイン。そこを訪ねてのルポ。記事にするのには3回訪れるとのこと。

ドライブインは個人経営なので、ドライブインの歴史は人や家族の歴史であり、その土地の歴史となっている。ドライブインそのものもいろいろあって面白いが、そこを立ち上げ働いている人が面白い。

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Posted by ブクログ 2019年12月03日

昭和生まれでも家に車が無いと馴染み薄いなあ、ドライブイン。それでもなんとなく雰囲気は伝わってくるのが不思議。色んな家族の歴史があるなあ。どの店も、一度はもの凄く繁盛したことあるのが時代なのかな。最後の鹿児島の話が特に良かった。軍国酒場って言いながら、軍国なんて大嫌いで、戦争行った事無い奴の話は聞かな...続きを読むいって、素敵。お互いの意見をちゃんと聞く、それが出来ない奴が多過ぎるから変な時代になるんだよね。戦前生まれなのに奥さんを名前でさんづけするおじいちゃん、最高(๑•̀ㅁ•́๑)✧

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Posted by ブクログ 2019年07月15日

ドライブイン全盛期を懐かしむような内容…かと勝手に想像していたんだけど、なんと著者は30代後半で、恐らく物心ついたころには斜陽だったんではなかろうか。もちろん場所にもよるだろうけど、同年齢の自分の記憶にはすでにあまり残っていない。
だというのに、実際に複数回は現地に赴き、とても丁寧な取材を重ね、必要...続きを読むであれば地域史や専門誌を紐解く…と、どんどん引き込まれていく。特に、岡山の「ラ・レインボー」探索回は、ミステリのような面白さも味わえた。
読み終えて、地元や遠出先のドライブインを訪ねたくさせる、そんな一冊だ。

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Posted by ブクログ 2019年05月11日

橋本さんが「マツコの知らない世界」に登場して、俄然興味を持って本書を紐解いた。橋本さんがドライブインに興味を持ったのは、10年前と最近だ。この間に200軒のドライブインを訪問し、記事を書くためには、印象深かった店を再訪し 、一日ゆっくりと顔を覚えてもらって、そこで記事化の許可をもらい、やっと後日足を...続きを読む運んで取材する。典型的なノンフィクション作家なのである。

よって、昭和回顧的な軽い読み物ではない。「マツコ」で指摘している通り、「ドライブインには家族の歴史が詰まっている」それは即ち、昭和の側面史にもなる。当然、ドライブインが作られる地域独自の背景(ハイウェイ時代、米国統治、瀬戸大橋時代等々)も詳しく調べられ描写される。また、「明日からやるぞ」と言われて夫について行く妻や、強かに生きる女の一生も描かれる。

私は当初、「平田食事センター」が出てくるのではないか、と期待していた。岡山県からは二軒も扱われているのに、2つとも既に閉店しているのに、数年前に閉店したこの超有名トラックドライブインが扱われないのは、おそらく何かの事情があるのだろう。出来たら、次回本では、その事情含めて扱って欲しい。最後の一カ月前の写真ならば、私は持っている。

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Posted by ブクログ 2019年02月11日

私の出身は札幌市だが、父親の実家が日本海沿いの田舎町であるということもあり、幼少の頃は自動車で3時間ほどかけて墓参りに行く習慣があった。当時、その道筋には何軒かのドライブインがあったと記憶している。その寂れた雰囲気とは裏腹に、日本海の新鮮な海産が食べれるドライブインは、一種の原体験として印象に残って...続きを読むいる。

本書は平成も終わる現代に消えつつあるドライブインを静かに訪問し、その成り立ちなどを丁寧に聞いて回ったルポルタージュである。登場するドライブインの多くは1960-70年代に創業された店が大多数を占める。それは、高度経済成長により道路インフラが投資され、国民にレジャーという娯楽が浸透した時期である。客数の減少に苦しみながらも地道に経営を続ける全国のドライブインの姿を通じて、我々はかつての日本社会の成長を辿ることができる。過度な物語性や装飾を排除しながら、ストーリーを紡ぐ著者の語り口も好意が持てる。

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Posted by ブクログ 2024年04月13日

日本全国のドライブインを訪ね歩き、そこで働く人達の軌跡を中心に取材している。マイカー時代や高度成長期の到来で隆盛を極めた頃と今を振り返る昭和テイスト溢れる本。

どのドライブインもほぼ例外なく「全盛期は朝から晩まで毎日働いた」「今は立ち寄る人も激減し、存続するか否かを考えている」という話題が出てくる...続きを読む。自販機食材のブームなどで健闘しているドライブインもあるが、やはり時代の趨勢には抗えない。

全盛期の活気と、長距離ドライバーだけでなく地域住民との交流も懐かしく語られている。ドライブインはその外観も観光資源となり得るので、「古きよき新しさ」が少しでも多く残っていくのを願いたい。

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Posted by ブクログ 2020年08月03日

作者の方と、大好きなピースの又吉さんのトークライブきっかけで買ってみた本です。自分はドライブイン自体にはそれほど馴染みはないけど、一つ一つのお店にその店主の家族の歴史があり、また土地土地の歴史が確実に繋がっていて、それが大袈裟ではなく素のまま記されていてとても楽しかった。特にエピローグのお店を切り盛...続きを読むりしてきたご夫婦の話は、とても波乱万丈で忘れられない。自分は都内在住で免許を持っていない人間だけど、それもそれほど珍しくない。またそれも時代の流れなのだなと思う。

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Posted by ブクログ 2019年06月11日

モータリゼーションに呼応して各地で生まれたロードサイドの飲食小売店。ファミレス、コンビニ、道の駅など、競合事業者の増加により衰退した業態。一方で、個々に視点を合わせてみると、個人事業者ゆえのドラマに溢れている「おもしろい」業態。よって、合理性、費用対効果で検討するなら、利用する選択肢に入れない人々が...続きを読む多いのだろう。自動運転技術によって人が休息する必要性が減少すれば、衰退することは避けられない気もするが、寂れた街の喫茶店や場末のスナックが愛されているように、再び旅人の余った時間を埋める存在になるのかもしれない

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年03月28日

コンビニなんかなかった時代の、車で移動するのが今よりずっと大変だった時代の、ドライブイン。知っている名前が出てきてびっくりしたり。

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