レティシアコロンバニのレビュー一覧
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インド、イタリア、カナダに住む三人の女性の物語が、「髪」を通じてつながる。
インド、不可触民のスミタは娘に教育を受けさせようとするが、その願いは潰される。
不可触民、初めて聞いたインドの状況に驚き、何日も心のモヤモヤから、立ち直れなかった。
しかし、スミタは強かった。
命がけであらがう。
イタリアのジュリア 家族の為望まない結婚をせ
まられる。
カナダのサラ 弁護士3人の子供をワンオペ育児
中、癌の宣告を受け、絶望する。
3人の話が、最後に繋がる。
よくぞ描いてくれたなぁ、と思う。
刊行前から、十数か国で翻訳権が売れ、話題になったという。 -
Posted by ブクログ
教師を辞め大好きだった同僚でもある彼が行きたがっていたインドへ行く
インドで溺れかけ助けてくれた少女にお礼がしたいと思い少女のもとへ行くが
少女は学校へ行ってなく、文字が書けない
さらに家の店の手伝いを朝から晩までさせられてる
女だからという理由で学校に行けない女子たちのために学校を作る
なぜ、彼のことが大好きだったと過去形なのが最初分からなかったが後半にその理由が出てきてショックだった
生徒に銃で殺された…
狙って殺されたというよりは、巻き込まれる形
インドでの、子どもの結婚など問題となってることが書かれてる
三つ編みの本が読んでみたくなった -
Posted by ブクログ
ネタバレレティシアさんの3作目、
相変わらず、とても良かった。
レナ、ラリータ、プリーティ ー 絶望の淵を経験してきた3人の女性。恋人に先立たれ、両親と離れ離れになり、出産で母子共に命を落とした姉がいた過去。
打ちのめされながらも、力強く前進していく3人はすごい。
インドの過酷な格差社会の中で、最下位層にあたるダリットは、人として扱われない。子供は学校で虐待やいじめにあう。さらに女性は教育不要、児童婚が当たり前の世界。
自分で決めることができない人生、覆すことができない状況に生まれて、生きる意味をどこに見出したら良いのだろう。
無理やり結婚させられたラリータの親友の話には、悲しみ以上に悔しさ -
Posted by ブクログ
前作「三つ編み」に続く作品。インドの不可触民・ダリットの母娘のその後が描かれていました。
元教師のフランス人女性・レナが海辺で少女・ホーリーに命を助けられたことで物語は大きく展開します。
そしてホーリーが助けを求めた相手 「レッド・ブリゲイド」と呼ばれる女性のための護衛組織。そのリーダーを務めるプリーティとの出会いもまた、レナの人生に大きな影響をもたらす。
偶然に思える出会いも、実は「必然」じゃないかと思うことがある。
「児童婚」「児童労働」などの慣習。「女に教育は必要ない」という考え方。
本作を読むと、ある国では女性の立場がいかに低く見下されているか、置かれた境遇の凄絶さは想像を絶する現 -
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『何があろうと、人生は続く。』
主人公でフランス人のレナ、レナを救い教育機会を得ることができたラリータ、現地で闘うプリーティ。
女性達の奮闘、そして残酷な現実の中でも希望を求め信じて進み続ける姿はただ感動だけではない力強いメッセージが込められている。
男性として生まれて、日本で生きている自分自身はこれを遠い国の物語として傍観していてはいけない。
人間社会で起きていることは身近にも起きている。ということを改めて感じた。
読後、一言では語り尽くせない感情が心を埋め尽くす。国、性別、親、環境…この社会におけるあらゆることを私たちは自分自身で選択することできずに生まれてくる。ある意味それは選択がで -
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フランスから来た元教師と、被差別階級の女性、少女、3人の交流から南インドの村に、学校ができる。
エゴや自己満足ではないか、これが正しいのか常に選択を省みるレナ。異なる文化、立場へと関わる覚悟と、連帯の心強さがあたたかく描かれていた。
前2作と同じく、社会問題から目を背けないのに、読み心地が軽やかに感じる文体…シナリオ寄りでセリフが少ないのに情景が浮かぶ。
『三つ編み』読んでから、こちらも読んで本当に良かった。
フェミニズム文学は、結末を明るく描いても課題が山積している現実を考えてしまうけど、目の前の問題に向き合い、乗り越えようとする登場人物を見ることで、物語と連帯できた気持ちになった。 -
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パリ、女性会館という場所で現代と100年前が行き交う。女性が安心して眠れる場所に生涯を捧げた女性と、100年後のその場所で人生に再び意味を取り戻す女性。
書くこと、報われること、この場所から始まっていくこと。読みやすい文章の中に情熱の灯り、時を越えた女性たちへのエール。
物語の中にパリの貧困の現状、女性を取り巻く窮状が頑とした意志で書かれていたのがよかった。同じ女性であっても境遇が違えば見えないものはこんなにあって、いつ立場がひっくり返るかもわからない。
女性が女性に「気づく」物語でもあり、境遇の差を越えた連帯と友情、人生賛歌でもある。
とても好き。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画のノベライズを読んでいるような、独特な描写が続く一冊。そのため感情移入はしずらく、傍観者という感覚になる。
100年前、貧しい女たちの為に立ち上がり戦い続けた貴族の令嬢と、同じように恵まれた階級に生まれながら貧しい女たちの存在を知らずに生きてきた現代の女性。
2人の物語が交互に語られるが、面白いのは過去の志が現代に引き継がれる構造ではないということ。
現在を生きる恵まれた女であるソレーヌが、ふとした運命の悪戯によってそこから転落し、自らが恵まれていたが故に傲慢であったことに気づく。
そして今まで「貧しい女」「苦労している女」と無意識に一段下に見ていた女性たちと自分に何ら変わりはないのだ -
Posted by ブクログ
私自身、生まれてからこれまで何度「どうして女に生まれてしまったんだろう」と考えたか分からない。なのに、もっと苦しい状況に置かれている女たちがいる。そのことに絶望する。
いったい、彼女たちにとって知識は救いなのだろうか。
何も知らず置かれた仕組みの中で淡々と生を終える事と、外の世界がある事だけを知りながら逃れられない檻の中で生きる事。どちらが幸せなのか。いつもいつも考えて、わからないと思う。
何も知らずに一生を終えた沢山の彼女たちが不幸であったと決め付けたくは無い。けれど、一人でも多くの若い彼女たちが自らの選択で人生を歩めるような時代が来て欲しいとも思う。
読んでいて映画のシーンが浮かぶよう